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火災から建設現場を守る3つの防火対策

2018年7月26日、東京都多摩市の建設現場にて火災が発生しました。
激しい炎というより、すでに黒煙に包まれた映像をニュースでご覧になった方も多いのではないでしょうか。

建設現場には多くの危険があり、常に「安全第一」を徹底しています。
そんな中、起きてしまった火災。一体、何が原因で火事は起きてたのか?そして、他にも考えられる火災の原因や対策などについて、一緒に考えてみましょう。

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目次

火災現場の詳細について

まず、今回の火災について詳細を確認しましょう。

建設中だった建物は、地上3階・地下3階で、約2年前から建設を始めており、今年10月に完成予定とされていました。
火元は、地下3階で、鉄骨をガスバーナーで溶断する作業中に飛んだ火花が、ウレタン製の断熱材に引火したためと言われています。
どんな作業なのかは、後ほど詳しく説明いたします。

一瞬にして広がる煙と熱

メディアで紹介される現場作業員のコメントによると、煙は一瞬にして広がり「火事だ!」と叫んだ声を聞いた直後に辺りが真っ暗になったと話されています。
さらに火災や爆発事故で怖いのが、高温の煙・水蒸気・有毒ガスによる「気道熱傷」です。
炎に包まれた中で呼吸すると、咽頭・気管支・肺などが熱傷することがあります。熱により粘膜が炎症を起こし浮腫やびらんを発症させ、気道が閉塞されるため呼吸困難となる可能性があります。

今回の火災では、あっという間に炎や煙が広がったことが考えられ、地下で充満した煙が数秒後には建物全体を包んでしまったことが分かります。

誰も近づける状況ではなく、救助活動も困難を極め死亡者5人、多くの負傷者が犠牲となりました。

作業状況について

この火災では、業務上過失致死傷の疑いで捜査が進められています。
実は、作業が行われていた現場は、火災を起こしやすい危険な状況にありました。

工事の作業手順では、鉄骨を溶断したり溶接するのは、断熱材を吹き付ける前に行うこととされています。これは、火花が引火して火災とならないよう、防火対策として安全面から考慮されたことです。
しかし、何らかの理由で断熱材を吹き付けた後にもガスバーナーを使用することがあり、注意する点が2つあります。

  • 作業は、2人1組でガスバーナーで作業する者と、火花が飛んだ時に水をかける者で行う
  • 防火シートで周辺を囲み、燃えやすい資材への引火を防ぐ

作業手順な違うだけで、非常に危険な状況になってしまいます。
こういう状況を回避することはできなかったのか?確かに疑問が残ります。

建設現場で考えられる出火原因について

建設現場や建築に関わる工事での火災は、決して珍しいことではありません。
東京消防庁の資料によると、建設現場の火災は毎年約100〜200件の火災が発生していると明記されています。
その出火原因として3つ挙げられています。

溶断・溶接の火花

今回の火災でも出火原因とされているのが、こちらです。

溶断・溶接とは、金属を高温で溶かして切断したり、接合することです。その際に飛び散る火花によって、火災が発生するケースがあります。
鉄骨の作業所では、機械を使用して行うことがほとんどですが、建設現場ではその作業のほとんどが手動です。
労働安全衛生規則により、ガス溶接技能講習修了者のみが作業にできるとあります。

正しい情報を知り、作業していくことで効率が上がり、安全な仕事をすることができます。

放火について

建設現場は、夜や休日は無人となり放火の対象として、非常に狙われやすい状態になります。

  • 建設中に出た廃材
  • これから使用する建材
  • 建設中の建物

これら3つが放火されやすいものです。

また、放火され建設中の建物を覆っているシートに引火すれば、建設中の建物だけでなく、周辺のビルや民家にも引火する恐れがあり被害が拡大されることも懸念されます。

たばこの不始末

建設現場で喫煙する作業員のために、吸い殻入れが用意されています。
たばこの火の不始末は、とても怖いものです。

  • 消したはずの火がくすぶっている
  • 吸い殻を残したまま片付けがされない

どちらも、不始末により火が出火したり、放火の対象として狙われやすい状況を作ってしまいます。

喫煙するのは本人の自由ですが、最後の後片付けまできちんと行うのがマナーです。

建設現場の防火対策

火災が起きてしまうと、その後の工程が崩れてしまい最悪な場合、建て直しということも考えられます。そうならないように、出火原因に対して、行なっている防火対策をご紹介します。

溶断・溶接からの出火防止

溶断・溶接の際に気をつけることは、飛び散った火花による引火です。
上記の作業状況でも記載したように、

防火シートで周囲を囲む・飛び散った火花に水をかける

この2つは必須です。また、作業中には水だけでなく消火器を用意すること、可燃物はあらかじめ除去しておくことも忘れずに確認します。

放火の防止

放火については、放火されないように対策することが大切です。

建設中の建物及び、事務所などを含む土地を囲い、出入り口には必ず施錠をしましょう。
可能であれば、防犯カメラの設置、夜間や休日の警備や見回りを依頼すると安心です。

最近では、防犯グッズも豊富にありホームセンターなどでも入手することができます。気配を感知して光る照明も有効ですね。

そして、廃材は貯めずに少しずつ持ち帰ることも心がけてください。

たばこの不始末をなくす

これは、喫煙家のモラルです。
「火を消したはず」
「きちんと始末したはず」
曖昧な記憶ではなく、きちんと確認するようにしてください。

  • 喫煙場所を徹底する
  • 毎日、吸い殻を始末する
  • マナー違反者を注意する

火災だけでなく、近隣から「たばこ臭い」と、苦情にもなりやすいので、十分注意しましょう。

その他の出火原因と、防火対策について

よくある出火原因と防火対策をご紹介しましたが、まだ建設現場には危険な場所があります。

危険物の取り扱いと管理

建設現場には、塗料やシンナーなどの危険物があります。

塗料やシンナーは、その物自体が燃えるわけではなく、蒸発した溶剤と空気中の混合気体が反応して燃えます。保管又は使用場所の温度が上がれば、溶剤は蒸発しやすくなるので、出火の可能性も高まります。

  • 危険物は、決められた場所に保管しておくこと
  • 持ち出しや補給時の記録を残す
  • 現場へは、必要以上に持ち込まない

これら3つをポイントにして、防火対策がされています。
また、「火気厳禁」というステッカーも、作業員の意識が高まり効果があります。

避難経路など非常時の確認

建設途中の建物では、できる限りの消火を終えたら、建物の外に逃げることが必要です。
今回の多摩市の火災のように、煙で囲まれパニックになった作業員もいます。

まずは、避難経路を確認しましょう。そして、その通路となる場所には物を置かないようにしてください。これは、安全に逃げるためでもありますが、火災で火が広がることを防止できます。

その他には、消火器の位置やスプリンクラーの動作確認など、非常時に備えて確認しましょう。

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まとめ

いかがでしたか?
建設現場には多くの出火原因が潜んでいることが分かりました。ほんの些細なことだと思われがちですが、今回のように被害者を出す大規模な火災になることが、よく分かります。

今後、火災を起こした建設会社には、これを教訓に改めて作業手順や防火対策を見直して欲しいですね。
また、東京消防庁では、今回の火災後に「緊急防火安全指導」を、オリンピック関連、建設現場を点検・指導して回りました。

建設現場での火元責任者や防火担当者の方は、今の現場の防火対策が十分なのか、確認してください。
作業員全員で、防火を意識していきましょう。

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