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工場のレイアウト!知っておくべき「基本」はコレ!!

工場のレイアウトとは、工場の建物や内部設備・施設の配置のことを指します。
そして、そこで生産されるプロダクトの品質や効率などに大きな影響を与えるものです。そのために新たな工場を建てる場合や今ある工場内に新しい生産ラインをつくる場合には、必要な条件や品質や納期、コストを満たす最大の効果を発揮する人、設備、材料の配置と流れを慎重に考慮しなければなりません。
今回は、工場生産においてかなり重要な割合を占める工場のレイアウトについての基本的な考え方について見ていきます。また近年では、IoT化による影響も考慮する必要が出てきているので、最後にその点についてもふれていきます。

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目次

工場レイアウトの種類は4つ

工場のレイアウトは大きく4種類に分けられます。生産する品目やその数量、製品のバリエーションや期間などが明確にして、その目的に合ったレイアウトを選ぶことが重要です。それでは、具体的に4種類のレイアウトを見ていきましょう。

ジョブショップ型

似たような機能を持つ機械や設備をまとめて配置する型で、中小の工場に多く見られる配置です。
例えば、金属を切ったり削ったりする旋盤やフライス盤をひとつのグループにして近い場所に配置し、少し離れた場所に金属を押して曲げるプレス機を別のグループとして配置するような方法になります。
ジョブショップ型のレイアウトのメリットのひとつに、作業員が複数の特定された生産機械・設備を担当することが多く、熟練作業者を育成しやすいということがあります。また、需要に応じて生産計画を変更しやすい特性を持ち合わせています。
一方でデメリットとして、製造途中にある仕掛品の管理や把握が難しいこと、搬送経路が長く複雑になりやすいという点があります。

ライン型

製品をつくる工程に沿って、必要な生産設備を配置する型で、いわゆる流れ作業で製造を行うレイアウトです。大量生産を行う大きな工場でよく見られる配置で、自動車のように、同じ製品を大量に、長い期間製造するのに向いている型です。
メリットとして、作業者が細分化された担当の作業を決められた方法で行うため、誰でも同じ品質の製品をつくりやすいという点があります。
一方でデメリットとして、複数の品種を同じラインで生産することや、需要の変化に合わせて生産量を柔軟に変更することが難しいという点があります。

据え置き型

工程の進み具合に合わせて移動させたりすることが困難な、非常に大型の製品を製造するときに用いられることが多い型になります。このレイアウトで生産される製品で代表的なのは、船や飛行機です。
この配置はメリットやデメリットで選択するというよりも、この方法以外では生産することが難しい製品に用いられます。

セル型

一人屋台形式とも呼ばれている配置の型です。
1−2で取り上げたライン方式が設備の周りに人を配置するのに対し、人の周りに生産設備を配置するのが特徴です。
この型は電気機器のように、あまり大きくも重くもなく、短い生産期間でモノをつくるときに用いられることが多いです。
メリットは需要に応じて生産計画を柔軟に変更しやすいという点です。一方でデメリットとしてひとりの作業者が複数の作業を行う必要があるため、作業者の熟練度がそれなりに必要という点が挙げられます。

工場レイアウトの考え方の基本はSLP

工場レイアウトの種類を見てきましたが、次にどの型を選ぶかを決めるための方法を見ていきます。
工場レイアウトの検討のために、まず、工場で生産するプロダクトのアウトプットを決めてからインプットを考えます。アウトプット条件が決まると、これを達成するためにインプットが最小になるような工場レイアウトを選びます。
上記のように考えるために、SLP(Systematic Layout Planning:体系的レイアウト計画)という手法が一般的に使われています。
SLPで工場のレイアウトをつくる手順は以下の通りです。

①P-Q分析(Product-Quantity分析)
P-Q分析のPは生産品目(Product)、Qは生産数量(Quantity)です。まずはじめに、何をどれだけ生産するかを分析します。

②モノの流れ分析
生産されるモノが、どのような動きで工場内を流れていくかを分析します。

③アクティビティ分析
モノの流れに従い、どのような加工、保管、搬送が行われるかを分析します。

④アクティビティ相互関連ダイヤグラム
③で分析したアクティビティに対し、今度はアクティビティ同士の相関を分析します。例えばカバーを乗せるというアクティビティの直後にカバーをネジ止めするような作業がある場合、この2つは近い場所に配置します。

⑤面積評価
生産設備・機械の大きさや設備が稼働するために必要なスペース、人が作業したり移動したりするために必要なスペースなど、生産に必要なスペースを確認します。

⑥スペース相互関連ダイヤグラム
④と同様に⑤で確認したスペースそれぞれの関係を確認します。モノの行き来の多いスペースや、似たような作業を行うスペースは近くに配置します。

⑦レイアウト案の作成
①から⑥までの内容を踏まえ、最終的なレイアウト案を作成していきます。その案を、さまざまな角度から検証し、その後レイアウトを決定します。

工場レイアウトの作成

工場レイアウトの基本的な考え方は今見てきたSLPという手法の通りですが、最近ではコンピュータやIoT(注)の普及により、レイアウトの作成方法も変化が起こっています。

(注)IoT…あらゆるモノがインターネットを通じて接続され、モニタリングやコントロールを可能にするといった概念・コンセプトのこと。

コンピュータシミュレーションによるレイアウト

コンピュータ上で3Dの仮想工場を作り、そこに実際の生産設備のモデルや、人、搬送機器などのモデルを配置してモデルレイアウトを行います。

さらにこれでシミュレーションを行うことで、そのレイアウトにした場合の稼働状況を、目に見えるかたちで再現します。これによって工場レイアウトにおける改善すると一番効果が見込める部分がわかったり、在庫量の推移などを事前にシミュレーションすることでレイアウト完成後に起こる可能性の高いトラブルを発見することができるようになります。

IoT化による工場レイアウトの変化

IoTが普及してきたことによって、工場のレイアウトも変化してきています。現在、工場においてもっとも多く導入されているIoT技術は、生産設備のモニタリングやコントロールを目的としたものです。
今後はさらにIoT化が進み、在庫管理や生産状況が最適化される分野にも導入されると見込まれています。

そのため、さらにコンパクトでフレキシブルな工程の運用ができるようになるだろうといわれており、人の配置が減ったりすることで最適なレイアウトも変化することになるでしょう。

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まとめ

工場のレイアウトの種類や考え方の基本について見てきましたが、今後IoT化が進もうと一番大切なのは、何をどれだけ、どれくらいの期間にわたって生産するかという部分です。
それらを明確にすることによって、適しているレイアウト方式を選んだり、その後の最適化のための分析を正しく行うことができるようになるのです。

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