建設のための、資金の疑問解決Q&A(Ⅱ)「工場の建物の長期借入金編 リアル19のQ&A」
工場や倉庫など、大型の建物を建設する際に、建物の土地や敷地の広さ、建物の形状や構造など、
建築主の方は、様々なことを考慮しなければなりません。
実は、土地や建物のことよりも先に、そして、最も大切になってくるものは、お金の話ではないでしょうか?
数行の金融機関(地銀・信金)に質問をし、生の声を聴きました!
いざ建設を計画するとき、必ず資金計画を立てる必要があります。
数行の金融機関に、リアルに聞いた質問の19問を解答していきます。
建設費は、どんな会社も借りられますか?
「建設費を貸すにあたって確認するところ」
①事業内容や財務内容によります。
②建設費の金額内容に、妥当性はあるか?
③業況や資産状況の確認。
④事業計画の内容確認。
⑤保全(担保)の確認。
※会社の規模や業績に見合う内容でなければなりません。
上記の内容の確認を経て、その会社に建設費を貸すかどうかを考慮されます。
今の金利は史上最低というのは、本当ですか?
はい。
「その理由は、何ですか?」
マイナス金利の影響。
※マイナス金利の為、住宅ローンの史上最低金利は当てはまります。しかし、企業への資金は、住宅ローンのようなパッケージ商品でない為、企業ごとの個別審査である為、一概には言えません。
現在、平均の適用金利は、どのくらいですか?
0.8%前後
現在、一番高い金利を教えて下さい。
3%前後
現在、一番安い金利と、その企業の条件を教えて下さい。
0.3%前後(超優良企業による)
いくつの銀行から、お金を借りる話を聞いたら良いですか?
2~3行、相談するとよいと思われます。
※3行(都銀・地銀・信金)など
自己資金としては、どのくらい残すと良いですか?(○%)
①運転資金にくい込まない程度。
②売上高の2・3ヶ月分程度の資金は、手元に残すべき。
※金融機関により、各々異なります。
建設費の返済以外に、毎月、どのような支払いがありますか?
①固定費
②材料仕入れ資金
③買掛金
④機械設備の導入(融資の返済・リースの支払いなど)
⑤税金
長期借入金の返済は、長期の固定金利か変動金利、どのようにすれば良いですか?
近年では、基本的に、変動金利(元金均等)を選択する企業が多いです。
※金融機関によっては、長期の固定金利を薦める場合もあります。
建築主に、万が一のことがあったら、お金の返済はどうなりますか?
会社ですので、新たな代表者が保証人加入し、返済は停止せず、今後も返済して頂きます。
建築費の返済は、元金均等か元利均等、どちらが好ましいですか?
「元金均等」メリット:総返済額が少ない、デメリット:当初の返済額が多い
「元利均等」メリット:月々の返済額が一定額、デメリット:総返済額が多い
①事業性の場合には、ほとんどが元金均等(総返済額が少ない為)。
②元利均等は、住宅ローン。
建築費の返済は、何年の返済期間で組まれることが多いですか?
15~20年
①構造・用途による耐用年数範囲内が一般的(国税庁で確認可)。
②後継者に債務を残す場合と、残さない場合により、年数が異なります。
建築費の返済は、代表者が何歳までが上限ですか?
特に、上限はありません。
①代表者が高齢の場合、後継者(ご子息)が連帯保証人に加入する場合があります。
②会社の後継者の有無によります。
繰り上げ返済は、違約金が必要と聞きましたが、本当ですか?
全ての金融機関が、本当とのこと。
①必要な金融機関があります。
②固定金利の場合には、必要なケースが多いです。
建設費の長期借入金の返済は、いつから始まりますか?
基本的には、実行の翌日からです。
①建設工事の着工の翌月から。
②工場完成後からの返済も可能。
③建物のオープン時から。
※金融機関により、返済日が異なります。
建設費の返済金利は、一度組むと変られませんか?
変えられます。
①変動であれば、基準金利が変わる時
②組み換えなど、金融機関により異なります。
※変えられない金融機関もあります。
社長とご子息様とで資金を出すときは、長期借入金はどのように組みますか?
資金を出す以上、持分を持つ為、主たる債務者が社長となり、ご子息が連帯保証人、もしくは、物上保証人になります。
金融機関以外にも、資金調達方法はありますか?
①政府系の日本政策金融公庫
②社債・増資など
会社を創業して、すぐに金融機関から、お金を借りられませんか?
基本的には、難しいです。
①保証協会など、創業資金があります。
②政策公庫を利用するケースが一般的です。
③金融機関は、事業計画や保有資産などにより、ご相談に応じる場合があります。
まとめ
上記の質問に対する回答は、数行の金融機関の回答をまとめさせて頂いております。
2015~2017年の近年の2.3年間の傾向を前提に、全ての内容の回答となっております。
愛知県の一部の地域の数行の金融機関からの回答ですので、
各々の地域により、回答にもバラつきがあります。
上記の内容が、将来、工場や倉庫を建設される建築主様の一助となれば幸いです。