この記事では次の内容をまとめています。
- 工場や倉庫のエレベーターの種類
- エレベーターを使うときの注意点
- 選ぶときに見るべきポイント
新しくエレベーターやリフトを設置しようと考えている工場や倉庫の担当者が知っておくべきことを全てまとめました。
工場や倉庫のエレベーター・リフトの種類3つ
この章では工場や倉庫でよく使われるエレベーターの種類をご紹介します。
1 | 荷物用エレベーター |
2 | 荷物用リフト |
3 | 小荷物専用昇降機 |
荷物用エレベーター
荷物を運搬することを主な目的として使われるエレベーターです。
パレットやフォークリフトなどの大きくて重いものにも対応しています。今回ご紹介する中では最も最大積載容量や幅が大きいです。
リフトとは違い、人も一緒に乗ることができるのが特徴です。
工場や倉庫で使われるエレベーターの中でも特に大きいので、設置完了までに時間がかかり、価格も高いのが一般的です。
大きな荷物や機械を運ぶので、スムーズに出し入れできるか、中で運搬者が動きやすいかというような「使いやすさ」は特にこだわりたいポイントです。
また、自社で扱う荷物やフォークリフトなどが収まるサイズのものを設置することも大切な点です。
荷物用リフト
荷物だけを運搬することを想定して作られたもので、人は乗ることができません。
荷物用エレベーターよりも安価で、比較的短い工期で設置できるのが特徴です。
いろいろな種類がありますが、今回は大型と小型の2つに分けて、それぞれの特徴をご紹介します。
小型
荷物用リフトの中でもダンボール1箱など、比較的小さな物を運ぶのに使うものです。
小型の台車も運べます。一方で、人やパレットを載せることはできません。
設置されているカゴの大きさによって載せられる荷物の大きさや重量が変わります。
家庭用電源で使用することができるので、荷物用エレベーターほどの大掛かりな工事が必要ないのがメリットです。
また、工期は1日で終わることもあり、すぐに導入できるという魅力があります。
価格は他のエレベーターやリフトに比べて安いです。種類にもよりますが、100〜200万円くらいで設置できます。
構造上、人間がカゴの下に入ることができるため、急に落下しないように安全対策が施されているものだと安心です。
大型
一度に大量の荷物を載せたい、大きい台車やパレットを載せたい場合は大型のリフトが適しています。
小型リフトよりも大きい造りですが、人を載せることはできません。
価格は小型の荷物用リフトより高く、荷物用エレベーターよりは安いです。目安は100〜300万円ほどです。
工期はリフトの規模にもよりますが、だいたい1〜2ヶ月で、荷物用エレベーターよりも短い傾向があります。
小荷物専用昇降機
小さいものを運ぶ目的で作られています。
飲食店や学校の給食センターなどで料理を運搬するために使われているものと聞くとピンと来る方もいるのではないでしょうか?
大きく分けて2つの種類があり、まず1つは飲食店で使われているようなリフトの中に仕切りがあるタイプです。
腰の高さくらいの位置に設置されます。
もう1つは台車や荷物をエレベーターのように載せることができるタイプです。
これはリフトの最下部が床と同じ高さにあるので、台車ごと出し入れ・運搬することが可能です。
工場や倉庫では部品や小さな荷物を運ぶのに使われます。価格は比較的安めです。
このように工場や倉庫で使われるエレベーターやリフトには様々な種類があります。
運びたいものの大きさや重さに合わせて、条件に合うものを選びましょう。
工場・倉庫がエレベーターを使うときの注意点
工場や倉庫がエレベーターやリフトを使用する際に注意すべきなのがルールを守ることです。
特に人が乗ってはいけないリフトには乗らないようにしましょう。
今回ご紹介した中では荷物用エレベーターのみが荷物と一緒に人も乗ることができます。
それ以外のものは、たとえ人が乗るスペースがあっても、乗ってはいけません。
なぜかというと、人が乗ることを想定して作られていないため、思わぬ事故を引き起こす可能性があるからです。
使用ルールは必ず守りましょう。
工場・倉庫がエレベーターを選ぶときに見るべきポイント3つ
この章では設置するエレベーターやリフトを選ぶ際に見るべきポイントをまとめました。
1 | 安全性 |
2 | 使いやすさ |
3 | 省エネ |
安全性
エレベーターを選ぶときには安全性を重視しましょう。
なぜなら、大きくて重い機械だけに、事故が起これば大きな被害をもたらすことがあるからです。
例えば、挟まれたり、落下したりすれば怪我をし、最悪の場合は死亡事故になることも考えられます。
そこで、人が挟まれるのを防止する機能があったり、閉じ込めを防ぐ仕組みがあったり、地震が発生すればすぐに停止して最寄りの階に着いたりと、安全対策ができているものを選びましょう。
使いやすさ
エレベーターやリフトは使いやすさも重要です。
使いやすいと作業効率が高くなりますし、従業員のストレスを軽減することもできます。
例えば、荷物や同乗している人を安全に運べて、且つ速く動くものは移動時間を短くすることができます。
また、食品工場で使われる場合は虫対策になる照明がついていると、運搬途中で虫が混入する心配がなくなります。
省エネ
種類によっては消費電力が少なく、省エネになるものもあります。
工場や倉庫ではエレベーターやリフトを使う機会が多いので、長い目で見ると効果は大きいです。
省エネに取り組むことは企業にとって社会に対して責任を果たすことになります。
また、電気代を削減できるという嬉しい面もあります。
工場・倉庫がエレベーターを設置するときに知っておくべきこと4つ
この章では工場や倉庫がエレベーターやリフトを設置する前に知っておきたいことをまとめました。
1 | カスタマイズが可能 |
2 | 信頼できる業者に依頼する |
3 | 見積もりをとる |
4 | メンテナンスを必ず行う |
カスタマイズが可能
エレベーターやリフトはある程度カスタマイズすることができます。
例えば、リフトのカゴの大きさ、重量、移動スピードなど、調整できる点はたくさんあります。
自社に合うものを設置できれば、作業効率が上がりますし、使いやすくなります。
ぜひ、導入する前に、どんな大きさの荷物を扱うことが多いか、どれくらいの重量に耐えられるリフトが必要かといったことをリストアップしておきましょう。
信頼できる業者に依頼する
業務用のエレベーターやリフトは高い買い物です。
小型の荷物用リフトでも100万円ほどします。
それだけに信頼できる業者に依頼することが欠かせません。
信頼できる会社でなければ、最初に予定していたスケジュールよりも大幅に遅れたり、途中で連絡が取れなくなったりとトラブルに巻き込まれる恐れがあります。
工場や倉庫にエレベーターを納品した実績があり、評判もいいところに依頼しましょう。
見積もりをとる
業者と正式に契約を交わす前に、見積もりを取りましょう。
なぜかといえば、エレベーターやリフトを設置する際は本体の価格以外にも、細かい工事やオプションなどに費用がかかることがあるからです。
そのため、「これくらいの金額です」と聞いていたものが、いざ正式な価格が決まった頃にはかなり額が増えているということもあります。
思わぬ出費を避けるためにも、事前に諸々の費用を含めた金額で見積もりを取ってもらい、書面に残しておきましょう。
メンテナンスを必ず行う
設置した後は定期的にメンテナンスを行いましょう。
悪いところがないか点検したり、必要があれば修理したりすることによって、長く、安全に使うことができます。
特に、エレベーターは従業員も一緒に乗るため、安全性は特に重要視されます。
もちろん、リフトの安全性もとても大切です。
カゴがいきなり落下すれば、下にいた人が怪我をしたり、荷物が破損したりする恐れがあります。
従業員や荷物を守るためにも、決められたメンテナンスはきちんと行いましょう。
まとめ
工場や倉庫で使われるエレベーターやリフトには主に次の3つの種類があります。
- 荷物用エレベーター
- 荷物用リフト
- 小荷物専用昇降機
それぞれ、人が乗せられるかどうか、どれくらいの大きさのものが運べるかといった点で違いがあります。
どれを導入するべきかは工場や倉庫によって異なるので、専門業者と相談しながら条件に合ったものを導入しましょう。