様々な用途に合わせて倉庫が建設されます。倉庫といっても建設方法が違えば使われる建材なども違います。一括りに倉庫と言ってしまうことがほとんどですが、建築方法によってコストや耐用年数などが大きく違ってきます。
そんな倉庫を建築する時に注意しなくてはいけないのが「建設業者選び」です。建設会社、製作所、建築事務所など、いろんな業者がある中で自社の考えを理解して必要とする倉庫を建設してくれるのかを見極める必要があるのです。
そこで今回は、倉庫を建設する際の失敗しない建設業者選びのポイントについてご紹介します。
ポイントを確認しながら、ご自身が必要としている倉庫を考えるヒントにしてください。
建設業者の強みを把握すること
良い倉庫を建てようと思えば、やはりリサーチが必要です。
「なんでもいいか、任せるから」という一言で手放してしまえば、どんな結果になるかはお分かりいただけるはずです。
まず、大切にして欲しいのは「相手を知ること」です。つまり、良い倉庫を建設するためには、建設業者のことをよく知るということが大切になるのです。
情報は自分の目で確かめる
良い建設業者を見極めるためには、情報を集めてそれぞれを比較する必要があります。
ここで大切にして欲しいのは、人から聞いた情報を鵜呑みにしないことです。「お願いして良かったから」信頼できる人の一言であっても、しっかり内容を確認してください。
これは、何かトラブルがあった時に人の話だけで決めたことを後悔してしまうからです。そして、相手を責めるようなことになれば人間関係が破綻する原因にもなってしまいます。
知らないと損する
建設業者も人を見ています。プロとして仕事をする以上、相手がどんな人物であるのか、どんな企業であるのかを見ています。
・何も知らないでいると、値段の交渉時に的確な判断ができません
・知らない=仕事に対する姿勢としてイメージされます
施主と建設業者という立場であっても、良い仕事がしたいという思いを一緒のはずです。
失敗しない建設業者を選ぶ3つのポイント
建設業者の情報を把握するといっても漠然としています。
事前にどんなところを知っていたら、思い描くような倉庫がが建設されるのか、建設業者選びで失敗しない3つのポイントをご紹介sします。
実績から建築工法を調べる
倉庫と一括りにしていますが、いくつかの建築工法があります。どの建築工法で倉庫を建設するのかは、用途や耐用年数などから考えて決めますが、まずはそれぞれの建築工法でどんな倉庫が建設できるのかを知っていきましょう。
システム建築
システム建築とは、倉庫や工場など建物に適した建築工法を、これから建設する中で想定されることを検討して、予め使用が標準化されます。
主に考えられるのは、骨組み・屋根。外壁・建具などです。標準化されることで建築生産のプロセスをシステム化し、商品化された建築をいいます。
事前に考えられ工程が組まれることで、高品質であり、短期間で低コストで倉庫を建設することができます。
テント建築
倉庫と聞けば、とても重厚なイメージがあります。しかし、テント倉庫は、そうしたイメージとは少し違います。
倉庫の骨組みは金属ですが、膜材を被せて巻く構造と呼ばれる構造にて建設されます。キャンプで使用されるテントと同じです。
こちらも工期を短くすることができますし、他の倉庫より採光性が高いので倉庫内を明るくすることができるので、節電効果も期待されます。
プレハブ建築
プレハブ建築の大きな特徴は、工場にてパーツごとに部材を製造してから現場に持ち込まれ組み立てるところです。
仮設や建設現場の事務所など、一時的、簡易的なイメージがあります。実際によく見かけますが、これらも建材が変わることで学校や工場など恒久的に使用される建物の建設も可能としています。
在来工法
日本古来の木造の建築工法になります。木造軸組工法とも呼ばれる在来工法は、柱と梁によって建築物を支える構造になっています。
現在では、基礎部分はコンクリート、そして柱を立てる構造になっているので、耐震面なども従来より強固になっています。
建設業者の強みを理解する
建設業者の強みはいろいろあります。
例えば、先にご紹介した建築工法もそうです。倉庫の建設に実績があるとされても、クライアント側が求める建築工法でなければ、どんなに実績があっても強みとしての魅力を感じません。
ホームページや担当者の話を聞くなどして、建設業者の強みを理解しておきましょう。
最も大事なのは、建設業者側の強みを理解した上で質問をするということです。ただ聞くだけでなく、質問をすることで建設業者側の対応についても分かることがあります。
建材へのこだわり
建築工法の他に建設業者の強みとして確認しておきたいことがあります。それが建材へのこだわりです。
誰でも安い料金で良い倉庫を建設したいと思います。
しかし、安さを追求すると、建設に使用される建材の品質が下がってしまうことがあります。例えば「鉄骨」とあっても、グレードの違いがあるので予算に合わせて建設業者側も用意をします。
また、相手が悪徳業者であった場合には高品質の建材の料金に対して安い建材を用意するということもあります。
建材へのこだわりは、建設業者の世の中での信頼度でもあります。どんなルートで仕入れていて取り扱っているのか。料金、高品質へのこだわりは大切です。
元請けだけで仕事ができる
元請けだけで仕事をするというのは、別の業者が倉庫建設に介入しないことを意味します。
下請け、孫請けという存在がいることがご存知でしょうか?
建設業界ではごく普通なことかもしれませんが、こうした業者が介入することでトラブルがおきます。
伝言ゲームは危険
下請け、孫請けが入ることで怖いのは、要望や変更が末端まで正しく伝わらないことです。
伝言ゲームと同じで、正しく丁寧に最後の人に伝わる確率は非常に低いです。人によって解釈が変わり、言葉にアレンジが加えられていきます。
同じことが倉庫の建設現場でも起きたらどうなるでしょうか?予定外の工期スケジュール、建材の違い、作業内容の違い、あれもこれも違ってしまいます。
コスト削減になる
建設業界では、請け負った仕事を下請け、孫請け、つまり別の業者に仕事を任せることがあります。理由はそれぞれですが、それによって困るのは仲介手数料が倉庫建設の費用に追加されていくことです。
知らないとこで別の業者が入り、費用も負担するというのはどこか理不尽でもあります。これは倉庫建設に関する契約をする前に確認しておくべき事項です。
倉庫は特殊建築物
特殊建築物とは、建築基準法において一般の建築物より強い制限を課す建物をいいます。学校、病院、劇場などです。これらには一定の基準があるため、それらをクリアすることや申請が必要となります。
実は倉庫も特殊建築物になります。建設に際して、厳しい基準があることを知っておきましょう。
建築条件を理解しているのも決め手になる
特殊建築物の制限には、防火や衛生面からみて床面積、建物の高さ(階数)などあります。対象となる建物によって制限内容が違うのも特徴です。
こうした法律や申請に関する内容は、日頃から携わっていない人には人には分からないことばかりです。ないように詳しいのはもちろん、クライアントに対して分かりやすい説明ができるのかも建設業者を見極めるポイントになります。
まとめ
倉庫の建設において失敗しない建設業者選びについてご紹介しました。
知らないことを知らないままでは損をすると言われますが、倉庫建設においても同じことがいえます。自分の資産となる倉庫のことを何も知らないでは、建設後の維持やメンテナンスに対しての意識も違ってくるはずです。
そして、実績や経験値、料金だけでなく、建設業者の人柄を見て決められるのが一番大切です。