この記事では次の内容をまとめています。
- システム建築の坪単価の目安
- 価格に関する注意点
- 価格を下げる方法
システム建築で工場や倉庫を建てたいけれど、価格のことがよく分からないという方が知っておくべきことを全てまとめました。
システム建築の坪単価の目安
システム建築の坪単価は建物によって異なりますが、目安として12~25万円ほどです。
正確な価格は建設会社や建築条件によって異なるため、建設の際に見積もりをもらいましょう。
システム建築の価格に関する注意点4つ
この章ではシステム建築の価格に関する注意点をご紹介します。
1 | 条件によって価格は変わる |
2 | 複数の会社から見積もりを出してもらう |
3 | 工事費は坪単価だけで決まるわけではない |
4 | 機能性を下げるコスト削減はしない |
条件によって価格は変わる
システム建築による建設にかかるコストは条件によって変わります。
例えば次のような条件が価格を左右します。
- 建設エリア
- 建設会社
- 柱の数
- 部材の種類
- 屋根や外装の仕様
- クレーンの仕様
- 窓の数
- シャッターの数
複数の会社から見積もりを出してもらう
システム建築に限らず、建物を建てる際は複数の建設会社から見積もりをもらいましょう。
一社だけで決めると、その会社が相場よりもずっと高い値段を提示しても気づけません。
また、複数の会社と打ち合わせをすることで、値段だけでなく、どのようなサポートがあるのかも分かるため、サポートと価格のバランスの良い会社が見分けられるようになります。
いくつもの会社と打ち合わせをするのは大変ですが、得られるメリットは大きいです。
工事費は坪単価だけで決まるわけではない
先ほど、システム建築の坪単価の目安をご紹介しましたが、総工事費は坪単価だけで決まるわけではありません。
例えば次のような費用もかかります。
- 内装工事費
- 外構工事費
- 電気工事費
- 給排水設備工事費
- 建築申請費
- セキュリティ設備費
建設会社のウェブサイトに載せている坪単価には単純に建物の建設費用しか含まれていないことも多く、実際に依頼すると諸々の追加費用がかかって、思ったよりも高い価格になるということもあり得ます。
そこで、坪単価だけで価格が決まるわけではないということを覚えておきましょう。
機能性を下げるコスト削減はしない
建設コストを出来るだけ安くしたいとお考えの方もいらっしゃるでしょう。
コスト削減をする際は機能性まで下げてしまわないように注意が必要です。
例えば、コスト削減のために外壁に使用する部材を一番安いものを選んだとします。
すると、建設コストは安く済むものの、断熱性が低い部材なので室内の温度が外気の影響を受けやすくなってしまい、暖冷房を常に稼働させなければいけなくなり、結局別のところで費用がかかることもあります。
価格と機能性のバランスを考えながらコスト削減の対策を考えましょう。
システム建築の価格を下げる方法4つ
この章ではシステム建築の価格を下げる方法をご紹介します。
1 | 柱を一定の間隔で建てる |
2 | 木造にする |
3 | 四角形の建物にする |
4 | 広い敷地を選ぶ |
柱を一定の間隔で建てる
まず、柱のない大空間ではなく、一定間隔で柱を建てる構造にするという方法があります。
柱がないと、丈夫な部材を使ったり、梁など他の部分の強度を高めたりすることになり、コストが高くなりがちです。
そのため、柱の数を増やすことでコスト削減に繋がります。
ただし、柱の数が多いとレイアウトの自由度が下がるのがデメリットです。
生産性の高い動線を作りたい、大きな設備を導入したいという場合は柱のない大空間の方が合っているでしょう。
木造にする
木材は鉄骨造で使われる部材よりも価格が安いです。そのため、木造建築は鉄骨造よりも安く済みます。
ただし、木造に対応できるシステム建築を取り入れている会社は少ないため、希望が叶わないこともあります。
まずは近くの建設会社が木造のシステム建築に対応しているかどうか調べてみましょう。
四角形の建物にする
四角形の建物は他の形に比べて安い価格で建てられます。
そのため、土地を選ぶ際は四角形で建てられるような整形地を選ぶのがおすすめです。
広い敷地を選ぶ
広い土地は狭い土地よりも建設費用を抑えられる傾向にあります。
これは建設の際に車の乗り入れがしやすいからです。
狭い敷地の場合、資材を搬入が難しくなるため、追加費用がかかることがあります。
また、先ほども説明したように、四角形の建物を建てやすくなるという面でも、広い敷地はおすすめです。
システム建築とテント倉庫の価格の違い
システム建築とテント倉庫ではテント倉庫の方が価格は安いです。
これはテント倉庫が骨組みを作り、その上からシートを覆いかぶせるというシンプルな造りになっているためです。
ただし、システム建築には、耐久性、耐震性、断熱性が高いというメリットがあります。
また、テント倉庫は倉庫としては使えますが、工場や店舗として使用するならシステム建築の方が向いています。
システム建築とプレハブ建築の価格の違い
システム建築とプレハブ建築ならプレハブ建築の方が建設コストを抑えられます。
プレハブ建築は寸法、使用する部材、デザインなどがあらかじめ決められており、短期間で完成するという特徴があるためです。
ただし、プレハブ建築はシステム建築よりも構造や間取りに制限があります。
システム建築では設計がシステム化されていますが、部材の厚さやレイアウトなどをオーダーメイド感覚で細かく調整することが可能です。
システム建築と在来工法の価格の違い
システム建築と在来工法ではシステム建築の方が安く済みます。
これは設計、部材の生産、施工とあらゆる部分をシステム化しているため、建物の完成までにかかる時間が短いためです。
例えば、弊社が導入しているyess建築では在来工法よりも工期を20%短縮することも可能です。
ただし、在来工法には部材やデザインなどの自由度が高く、クライアントの要望を叶える建物づくりができるというメリットがあります。
システム建築では特殊な形の建物を建てたり、一部分だけ2階建てにしたりすることは場合によっては不可能なこともあります。
しかし、在来工法ならこうした建設も可能です。
そのため、お金はかかってもいいから要望を出来るだけ叶えたいという方には向いています。
システム建築で価格を抑えられる理由3つ
この章ではシステム建築が在来工法よりも価格を抑えられる理由をご紹介します。
1 | システム化によりスムーズに進む |
2 | 部材が標準化されている |
3 | 合理的な構造を採用 |
システム化によりスムーズに進む
システム建築はあらゆる部分がシステム化されていることから、各工程にかかる時間が短いです。そのため、全体の時間も短くなり、短納期で建物が完成します。
納期までの時間が短いと、必要な人員が減ることから、人件費を削減できます。
また、クレーンなどの建設に使用する機械や設備のレンタル費用も削減できます。
部材が標準化されている
システム建築では使用する部材が徹底的に標準化されています。
工場で大量生産ができるため、資材にかかる費用を抑えられます。
また、打ち合わせの段階で見積もりの費用を早く出せるというメリットもあります。
弊社が採用しているyess建築はボルト接合も標準化しているため、現場での溶接の必要がありません。
部材が標準化されているため、システム建築では短納期と高品質を両立しています。
合理的な構造を採用
システム建築では合理的な構造を採用しています。
そのため、使用する部材の数は最低限で済むようになっていて、コスト削減に繋がっています。
部材の数が少ないと、耐久性に問題はないか心配になる方もいるかもしれませんが、システム建築は耐久性や耐震性もしっかりしているので安心です。
システム建築の価格を知りたいときの対処法
実際に建物を建設する際にかかる費用を知るには様々な方法があります。
まず、手軽にできるのは建設会社のサイトの情報を参考にすることです。
システム建築で建設した建物の実際の値段や内訳を掲載している会社もあり、非常に参考になります。
ただし、ネットで得られる情報はあくまでも目安の価格です。
正確な価格を知りたい場合は建設会社に訪問し、打ち合わせを重ね、見積もりを出してもらいましょう。
まとめ
システム建築の坪単価の目安は12〜25万円です。ただし、こちらはあくまで参考価格です。
建設会社に坪単価が載っていても、それはあくまで建物だけの費用で、外構工事費や電気設備工事費などが別途かかることもあります。
また、細かい費用は建設するエリアや使用する部材の種類などによっても変わります。
正確な値段が知りたい場合は建設会社に見積もりを出してもらいましょう。