- 設備を導入する際に見るべきポイント
- 設備にこだわるべき理由
- 設備を導入する前にすべき準備
新しい設備の導入を考えている食品工場の担当者が知っておくべき内容をまとめました。
食品工場の設備の種類
食品工場では様々な種類の設備が必要です。
まず初めに、食品工場で使われる設備の種類や具体例をまとめていきます。
- 空調設備
エアコン、室外機、室内機
- 換気設備
給気、排気設備
- 厨房設備
調理機器、コンベヤー関連機器
- 低温設備
冷蔵庫、冷凍庫、急速フリーザー
- 衛生設備
エアシャワー、手洗い場、足洗い場、給水、給湯、ガス設備
食品工場が設備を導入する際に見るべきポイント14選
この章では食品工場が設備を導入する際に確認すべき点をまとめていきます。
生産性
食品工場で使う製造設備はやはり生産性が重要です。
生産効率が高いと、その分仕事が早く進み、売上の増加にも繋がるためです。
生産性を高めるにはエラーが起こりにくく、途中で止まることが少ないことも大切です。
一般的に、使用年数や稼働時間が長い機器は劣化が進んでいて、エラーが起こる確率が高くなります。
そこで、ある程度使用し、故障が目立つようになれば最新の機器に買い換えるタイミングであると言えます。
品質
製造機械はただ生産性が高ければいいわけではありません。
製造したものは消費者の元に届くものだからこそ、品質の高さも求められます。
常に一定に、今と同じくらいかより高いレベルの品質で生産できる設備を探しましょう。
衛生面
食品工場は消費者の口に運ぶものを製造するからこそ、衛生面も求められます。
もし、製造の途中でカビや食品のカスといった異物が混入すれば、消費者の健康を損ない、大きな問題になる可能性があります。
そこで、非接触で開く扉や、手をかざすだけで水が出る水道設備など、製品の安全性を守れるものを選びましょう。
耐用年数
設備は種類にもよりますが数十万、数百万と多額のコストがかかるのが一般的です。
そのため、耐用年数が短いものを選んでしまうと、買い換える回数が多くなり、設備に費用がかなりかかってしまいます。
そこで、耐用年数は必ず確認しましょう。
コスト
食品工場に設備を導入するにはコストがかかります。
同じような設備でも、値段はいろいろなものがあるので、性能や様々な条件を見ながら予算に合ったものを選ぶようにしましょう。
省エネ
電気の消費量が多い機器は工場の電気代を上げてしまいます。
工場では電気代が高くなりやすいからこそ、少しでも抑えたいですよね。
設備の中にはエネルギーの消費量を抑えられるものがあるので、こうしたものを選びましょう。
省エネの性能や商品の種類によっては導入の際に補助金を受けられる場合もあるので、ぜひ確認してください。
作動音
稼働させた際の音も注目すべきポイントです。
なぜなら、機械の作動音が大きすぎると、騒音となり、近所迷惑になることがあるためです。
また、従業員のストレスにもなります。
どうしても作動音が避けられない場合は、防音カバーを設置するなど、別の方向から対策するといいでしょう。
サイズ
設備は種類によってはかなり大きいものもあります。
そこで、予定している場所にきちんと収まるかどうかを確認する必要があります。
置く予定の空間のサイズを事前に測っておき、その中に収まるものを選びましょう。
出来るだけコンパクトなものを使用したい場合は省スペースの製品を選びましょう。
掃除のしやすさ
設備は掃除がしやすいかどうかも大切なポイントです。
なぜなら、掃除をすることで性能を落とさずに使い続けることができるからです。
例えば、クーラーは掃除をせずに長い時間放置すると埃が溜まって、これまでと同じ設定でも効きが悪くなります。
また、食品工場の場合、埃が風とともに出てきて食品に付着するリスクもあります。
さらに、掃除がしやすい仕組みになっていると、従業員にとってもメリットがあります。
掃除がしやすいかどうかという視点も持ちながら設備を探しましょう。
構造
設備の細かい構造にも注目しましょう。
なぜかというと、構造によっては異物混入のリスクが増してしまうからです。
例えば、製造の機器に小さなネジが使われていると、それが外れて食品にまぎれるケースが考えられます。
定期的にメンテナンスをしていても、いつ混入が発生するかは分からないだけに、設備を選ぶ段階で出来るだけリスクを小さくしておきましょう。
災害対策
地震や洪水といった災害に耐えられるものを選びましょう。
日本は様々な災害と隣り合わせの国なので、対策の重要性は非常に高いです。
例えば、洪水対策には脚が長く、洪水が発生しても水を被らないような構造になっているものを選ぶと、いざというときにも慌てずに済みます。
防虫
食品工場にとって虫は天敵です。
体が小さいので侵入しやすく、繁殖もしやすいので厄介な存在です。
虫は換気扇や排水溝などから侵入することが多く、こうした設備は虫が入らないようなものになっていると安心です。
業者の信頼性
工場の設備は大きく、複雑なので、専門の業者が設置を行うことが多いです。
このとき、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
もし、信頼性のない業者に委託すると、設置のスケジュールが遅れたり、途中で連絡が返ってこなくなったりと、トラブルが発生する恐れがあります。
設備の導入は大きな投資だからこそ、信頼できる会社にお願いしましょう。
アフターフォロー
アフターフォローがあると安心です。
どうしても機械は故障やエラーが発生することがあるからです。
特に製造に利用する機械は止まると他の生産過程にも大きな影響を与えてしまいます。
そこで、万が一の際に迅速にサポートに来てくれる会社の製品を購入しましょう。
食品工場が設備にこだわるべき理由3つ
この章では食品工場が設備を慎重に選ぶべき理由をまとめていきます。
1 | 安全な食品を消費者に届けるため |
2 | 原材料が上昇しても利益を出し続けるため |
3 | 導入コストが高いから |
安全な食品を消費者に届けるため
食品工場が設備選びに力を入れるべき理由はなんといっても消費者の元に安全な食品を届けるためです。
食品は直接、消費者の体内に入るものなので、異物の混入や腐敗などのトラブルがあると大きな問題になりますし、健康被害が出ることもあります。
そこで、こうしたトラブルが発生するリスクを出来るだけ減らせるような設備を選び、食の安全を守りましょう。
原材料が上昇しても利益を出し続けるため
食品価格の高騰がよく話題になります。価格の上昇が食品工場に与える影響は非常に大きいですよね。
生産性が高い設備を導入していれば、価格上昇があっても影響を最小限に抑えることができます。
導入コストが高いから
先ほども触れましたが、工場に導入する設備は価格が高いのが一般的です。
そのため、設備選びを失敗すれば大きな痛手になります。
工場に合っていて、尚且つ得られるメリットが大きいものを慎重に選びましょう。
食品工場が設備を導入する前にすべき準備
新しく設備を導入する際にはっきりさせておくべきことがあります。
それは工場が抱える問題点をはっきりさせることです。
例えばこういったものが考えられます。
- 生産効率が悪い
- 品質が一定でない
- 構造が複雑で清掃がしにくい
どんな問題があるかは工場によって様々です。
こうした点を明確にしてから選ぶと、工場が抱える課題を設備を通して解決することができます。
ぜひ、現場の社員も交えながら話し合いましょう。
食品工場が設備を導入した後にすべきこと
設備を導入した後はメンテナンスを欠かさないようにしましょう。
メンテナンスをし、設備に異常がないかを確認し、問題があればその場で解決することで、設備を長持ちさせることができます。
メンテナンスの方法は設備によって異なるので、購入時によく確認しておきましょう。
まとめ
食品工場は消費者の体内に直接入れるものを製造する場所です。
食の安全を確保するためにも、設備は慎重に選ぶことが大切です。
選ぶポイントは生産性、品質、衛生面と、設備の種類によって様々です。
今回ご紹介したポイントはどれも大切なものなので、新しい設備を選ぶ際はぜひ参考にしてくださいね。
高額の投資だからこそ、後悔のない選択をしましょう。