この記事では次の内容をまとめています。
- 工場建設の2つの方法
- 施工と設計を一括で依頼するメリット
- 一括で依頼するデメリット
施工と設計をそれぞれ別の会社に依頼するか、それとも1つの会社にトータルでお願いするか迷っている方が知っておくべきことを全てまとめました。
工場を新しく建設するときの2つの方法
この章では工場を建設するときに考えられる2つの方法をご紹介します。
施工と設計を1つの会社に依頼する
まず、設計と施工を1つの会社に一括で依頼する方法です。
こうした会社は設計施工会社と呼ばれます。
工場の設計から建物の完成まで一貫してサポートしてもらえます。
施工と設計を別々の会社に依頼する
施工と設計をそれぞれ別の企業に依頼する方法もあります。
このとき、設計やデザインを行う設計会社と、既に決まった設計を元に工事を行う施工会社の2つの会社を選ぶ必要があります。
施工会社は設計会社から紹介してもらえることもあります。
・既に工場のデザインが決まっている
・付き合いのある設計士がいる
このような場合は別々の会社に依頼する方がいいでしょう。
工場建設で施工と設計を1つの会社に依頼するメリット6つ
この章では施工と設計を一括で1つの会社に依頼するメリットをご紹介します。
1 | 会社探しの時間を短縮できる |
2 | 工期が短い |
3 | 建設コストを抑えられる |
4 | スケジュールの遅延が起こりにくい |
5 | 情報の伝達が速い |
6 | 変更があっても柔軟に対応できる |
会社探しの時間を短縮できる
一括で依頼する場合、一社だけを選べばいいので、それぞれ違う会社で依頼する場合に比べて会社探しに時間をかけなくていいのがメリットです
施工会社を設計会社とは別で探す場合は既にできているデザインに対応可能かどうかを聞かなければならず、場合によっては対応できる業者がなかなか見つからないこともあります。
設計施工会社に依頼すればこうした心配はありません。
また、会社探しの時間だけでなく、打ち合わせや契約にかかる時間も短くすることができます。
工期が短い
設計施工会社には工期が短くなりやすいという特徴があります。
設計ができればすぐに必要な材料の手配ができ、施工に素早く取りかかれるからです。
スピード感のある工場建設を求める方にはトータルサポートをしてくれる会社に依頼するのがおすすめです。
建設コストを抑えられる
建設コストを抑えやすいというメリットもあります。
まず、工期が短ければ職人が稼働する時間が減るため、人件費が抑えられます。
また、設計段階で予算に合わせた提案をしてもらえることから、あまり建設コストをかけられないという方でも安心です。
スケジュールの遅延が起こりにくい
設計から建設まで任せる会社の場合、打ち合わせや設計の段階から工事を見据えつつスケジューリングを行います。
そのため、スケジュールに大幅な遅延が起こりにくいです。万が一、どこかの工程で時間がかかりすぎても後の工程で上手く調節することができます。
完成の日が遅れるとなかなか稼働ができず、売上が下がったり、納期を守れなかったりと問題が発生してしまいます。
だからこそ、スケジュールの大幅な遅れが発生しにくいと安心です。
情報の伝達が速い
工場建設についてこだわりたいポイント、設計の担当者と工事の担当者で共有しておくべきことといった情報がスムーズに伝達されるのも強みです。
もし、施工業者と設計会社を別々に選べばそれぞれに情報を伝えなければならず、時間がかかってしまいますし、「こっちに言うのを忘れていた」と伝達ミスが発生する可能性もあります。
情報の内容によっては上手く伝わっていないと大きなトラブルに繋がることもあるので、情報がスムーズに共有される仕組みがあるのは心強いですね。
変更があっても柔軟に対応できる
工場建設では一度決まったことが変更になることは珍しくありません。
例えば、デザインに変更が生じたり、予定と違う資材を使うことになったりといったことがあります。
設計から施工まで1つの会社にお願いしていればこうした変更もスムーズに行えます。
工場建設で施工と設計を1つの会社に依頼するデメリット2つ
この章では設計と施工を同じ会社に依頼するデメリットをご紹介します。
1 | 提案内容に妥当性があるかどうか分からない |
2 | 第三者的な目線がない |
提案内容に妥当性があるかどうか分からない
1社に依頼する場合、基本的には工事費は会社が提案した額で決定します。
このとき、工事費に妥当性があるかどうか分からないのが難点です。
一方で、設計と施工を別々の会社に依頼する場合、複数の施工業者から相見積もりをとって価格を比較することができるため、相場が分かります。
第三者的な目線がない
設計と施工を別の会社にする場合、工事が始まると設計会社は第三者的な立ち位置になり、適切に工事が進んでいるかを俯瞰的に見ることができます。
すると、何か問題が発生しているときにすぐに気づくことができ、大きなトラブルに発展するのを防ぐことができます。
一方で一括して依頼すると、このように第三者的な立ち位置で見る人がいないため、問題があるときに気づきにくいです。
工場建設での設計施工会社選びに失敗しない方法6つ
この章では設計施工会社選びで失敗しないために気をつけるべきポイントをご紹介します。
1 | 建設費用の安さだけで決めない |
2 | 工場建設の実績があるところを選ぶ |
3 | 紹介だけで決めない |
4 | 担当者との相性を見る |
5 | アフターケアがあるかどうかを見る |
6 | 大手企業だけでなく中小企業も見る |
建設費用の安さだけで決めない
業者を決めるとき、建設コストは重要なポイントの1つだと思います。
しかし、コストの安さだけを求めて業者選びをするのはおすすめできません。
なぜなら、コストが安すぎると建物のクオリティに影響が出ることがあるからです。
建設費が安いと建設会社はランクが低い業者や職人しか雇えなくなり、仕事の質が悪くなったり、スケジュールが遅れたりする可能性があります。
そのため、ただコストの安さだけを求めるのはやめましょう。
工場建設の実績があるところを選ぶ
会社選びで失敗しないためには工場の建設実績が豊富なところを選びましょう。
建設会社の中には住宅の建設が豊富でも工場の建設実績はないというところがあります。
こうしたところに依頼してしまうと、こちらの要望が伝わりにくかったり、作業動線が効率的ではなかったりして、満足度が下がってしまう可能性が高いです。
使いやすく、業績アップに繋がる工場にするためにも事前に工場の建設実績が多いところを選びましょう。
紹介だけで決めない
「知人に紹介してもらったから」という理由で建設会社を選ぶのは避けた方がいいでしょう。
なぜなら、そこが本当に良い業者とは限らないからです。例えば、工場の建設実績がないかもしれません。
また、こちらが求める仕事ぶりでないことも考えられます。
万が一、何かトラブルが発生したときに紹介した人が責任をとってくれるわけではありません。
紹介された会社はあくまで選択肢の1つとし、他の会社も自分で探してみましょう。
担当者との相性を見る
仕事の質も大切ですが、担当者との相性も大切です。
工場建設の工期は数ヶ月など長いので、その間中、安心してやり取りができる相手であることは非常に重要です。
もし、信用できない、話し方が好きではないなど、担当者との相性が悪ければ、不信感の中で工場建設に当たることになります。
相談や打ち合わせの段階で長く付き合いを続けられる人かどうかを判断しましょう。
アフターケアがあるかどうかを見る
契約をする前にアフターメンテナンスがあるかどうかを確認しましょう。
実は建物は完成したらそれで安心ではありません。日本は暑い時期と寒い時期があり、この気温の変化によって部材が伸び縮みし、新築でも一部が割れてしまうということがあります。
工場を長く使い続けるにはこれを早いうちに修復することが大切です。
そこで、建てて終わりではなく、アフターケアがある企業を選ぶと安心です。
大手企業だけでなく中小企業も見る
様々な建設を手がけている大手企業に依頼すれば安心だと思っている方もいると思います。
しかし、大手の建設会社が手がけるのは大規模な工場が多く、小さな工場に優秀な現場監督がつくことはあまり多くないようです。
また、大手企業は異動が多いため、長年同じ担当者に見てもらえるとは限りません。
このように大手の建設会社にはデメリットもあるので、大手だけでなく、中小企業も選択肢に入れましょう。
まとめ
工場を建設する場合、施工と設計を一括で1つの会社にお願いするパターンと、それぞれ違う会社に依頼するパターンの2通りがあります。
一括での依頼はこんな方におすすめですよ。
- コストをできるだけ抑えたい
- 工期をできるだけ短くしたい
- 会社選びに時間をかけたくない
- 情報伝達をスムーズに行いたい