ドローンといえばどんなイメージがありますか?
恐らく、高いところへ飛ばすことで綺麗な映像が撮れるなど、外で使うものというイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
しかし、ドローンは屋内で使われることもあり、特に倉庫管理には非常に役立ちます。
倉庫はピッキングや入庫など様々な作業があり、多くの人手が必要になるからこそ、あらゆる面で自動化が進んでいますよね。
その中で、最近ではドローンの導入も増えてきているのです。
ドローンは短い時間で倉庫内を飛び回り、同時に色々な作業をすることができるため、大幅な作業時間の節約になります。
また、機械に作業を任せることで必要な人手が減るという嬉しい面もありますね。
しかし、ドローンは費用が高いこともあり、便利だとは分かっていても導入に踏み出せないという方もいるでしょう。
倉庫にドローンを導入すべきかどうかを正しく判断するためにはドローンのあらゆる面について理解を深める必要があります。
そこで今回はドローンができることや、倉庫管理に取り入れるメリット・デメリットをまとめます。
ドローンを導入しようか迷っているという方はぜひ最後までご覧くださいね。
倉庫管理でドローンができること3つ
一般的に娯楽や動画の撮影などに使われているからこそ、ドローンが具体的にどのように倉庫管理に役立つのかイメージができないという方も多いでしょう。
そこでまずはドローンが倉庫でできることをまとめました。
在庫カウント・棚卸し
ドローンは倉庫内の荷物がどこにいくつあるかを数えることができます。
RFIDをご存知でしょうか?
RFIDとは電波を使った無線通信によって情報のやりとりができる技術のことです。
荷物とドローンにRFIDのチップや読み取り機をつけておけば、ドローンが近づくことで荷物の情報を読み取ることができます。
この機能は在庫の確認をしたり、棚卸しをしたりするときに非常に役立ちます。
複数のドローンを使えば広範囲を同時に読み取ることができるので、大規模な倉庫では特に役に立つでしょう。
時間や範囲を指定して飛ばすこともできるため、ほとんど人間の手が必要ありません。
ピッキング・入出庫
大きさや性能によっては荷物を持って棚へと運ぶこともできます。
もちろん、持てる荷物の重さには限界がありますが、それでもピッキングや入出庫作業の負担が大きく減るはずです。
配送
商品を顧客の元へ届けることも可能です。配達ドライバー不足の解決策となるでしょう。
しかし、安全性などの様々な課題があるため、今は配送にドローンを導入している企業はほとんどありません。
ただし、これからドローンの使用がさらに広がり、安全性も確認できればドローンによる配送が一般的になるかもしれません。
倉庫管理にドローンを導入するメリット5つ
ドローンは倉庫を持つ企業に様々なメリットをもたらします。
これからご紹介していくので、高いコストをかけて導入する価値があるかどうか検討してみてください。
作業の効率化
やはり一番のメリットは作業の効率化が進むことでしょう。
例えば、倉庫の棚卸しは通常多くの人手と時間を使います。
しかし、ドローンがあれば、倉庫内を飛ばし、在庫のデータを送信させるだけで全ての製品の状況が分かります。
棚卸しの完了までにかかる時間は大幅に削減できるはずです。
遠隔操作が可能
ドローンは操作する人がその場に居なくても指示を出すことができます。
そのため、わざわざ倉庫まで移動する手間が省けます。
また、予約機能を使えばリアルタイムで操作する必要もありません。
人件費の削減
これまで人間の手によって行なっていた作業をドローンが代行するようになれば、必要な人手が減り、人件費の削減になります。
倉庫管理において人件費は特にコストがかかる部分です。
そのため、ドローンの導入に高額の費用がかかっても、回収できる可能性はあります。
高いところなど危険な場所に行く必要がない
倉庫によっては荷物を高い場所まで積み上げているところもあるでしょう。
こういった場所にある荷物を点検したり、カウントしたりするのは常に危険が伴います。
ドローンは高いところにある荷物にも近づくことができ、在庫状況を調べられるため、ドローンを導入すれば危険なところに人間が行かなくてよくなり、労働災害の可能性を低くすることができます。
在庫の紛失に気づける
在庫の紛失を防ぐことにもドローンは役立ちます。
ドローンは短時間で倉庫の在庫を確認できるので、頻繁に飛ばしてデータを蓄積しておけば、紛失が発覚した際にいつなくなったかをデータから知ることができ、どこにあるかを特定しやすくなります。
倉庫管理にドローンを導入するデメリット6つ
作業の効率化が進む、人件費が削減できるなどのメリットがあるドローンですが、一方でデメリットもあります。
後悔のない選択をするためにも、ドローンのデメリットについて理解しておきましょう。
導入費用が高い
ドローンが気になっていてもなかなか導入に踏み切れない理由はコストではないでしょうか。
価格は大きさや性能によって大きく変わり、普通に店舗で購入できるものでも数万円することは珍しくありません。
さらに、倉庫管理に使う場合はデータベースの利用料や導入コンサル費用もかかります。
導入する際には初期費用やランニングコストがどれくらいかかるのかを知るために、見積もりを出してもらうのがおすすめです。
操作の練習が必要
ドローンを活用するためには操作技術が必要です。
倉庫ではハンディターミナルやタブレットなどがよく使われていますが、こうした機械よりもずっと操作が難しいです。
ドローンを導入する際にはしばらくの間担当者の育成に時間をかけることになるでしょう。
飛行時間に制限がある
ドローンが連続して稼働できる時間は數十分程度と短いです。
そのため、倉庫の大きさによっては在庫のカウントや棚卸しが1回の飛行で終わらないという場合もあるでしょう。
さらに、充電には稼働時間よりも多い時間がかかることがほとんどなので、計画的に運転することが欠かせません。
大きさによっては通れないスペースがあることも
倉庫の配置によってはドローンが通過できないスペースがあるかもしれません。
そのため、ドローンを導入する際にはどこでも通れるように配置を組み直したり、どこでも入れるような小型の機械を導入したりといった配慮が必要です。
落下の危険がある
ほとんどの場合、トラブルなく飛行するドローンですが、機械なので突然停止することも考えられます。
その際は高いところから落下するため、下にいる人にぶつかれば怪我をする恐れがあります。
重ければ重いほど被害は大きくなるでしょう。
そこで、ドローンを飛ばしている間はヘルメットを被るなどの安全面での対策が必要です。
全ての荷物を持てるわけではない
荷物を抱えてピッキングや入出庫もできるドローンですが、運搬できる荷物の重さには限界があります。
そのため、重い荷物を中心に管理している倉庫ではドローンに荷物を運ばせることが難しいかもしれません。
倉庫管理にドローンを導入するときのポイント
ドローンを倉庫管理に取り入れるには専門の業者にサポートしてもらう必要があります。
その際にはただドローンを扱っている会社ではなく、倉庫への導入を専門としており、導入実績もある会社を選びましょう。
素人では扱いが難しいものなので、困ったときのサポート体制が充実していると安心ですね。
また、いきなり倉庫全体で動かそうとすると、物にぶつかったりして故障してしまうことが考えられます。
そこで、まずは小さい範囲で問題なく機能するかを実験し、そこからどんどん運用範囲を広げていきましょう。
まとめ
ドローンは倉庫管理にも役立つもので、ピッキング、在庫カウント、配送などの幅広い分野で活躍します。
ハンディやタブレットほど浸透しているわけではなく、技術面や安全面においてもまだまだ発展途上ですが、これから広く使われていくことは十分に考えられます。
倉庫作業を大幅に効率化するための選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。