工場を建設するには、多額な費用が必要となります。
少しでも費用は抑えておきたいところです。
しかし、建物の耐震性や耐久性など性能については優れた高品質の工場を建設したいはずです。ここへのこだわりは捨てられませんし、何より建築基準法の厳しい基準はクリアしなくてはいけません。
日本の基準は、世界の中でもトップクラスの厳しさを誇っているのです。
では、相場より費用を抑えた安い工場を建設することは不可能なのでしょうか?
答えは、できます。意外なことにコストダウンした工場建設は可能なのです。
コストダウンする方法があるのなら、これから工場を建設したい人には朗報ですね。
そこで今回は、費用を抑えやすい金額で工場を建設する方法をご紹介します。
建物の品質の良さを維持しながら、どこでコストダウンを可能にできるのか?ポイントを追求してみましょう。
工場建設は安くない
結果から言えば、相場より工場建設費用を安くすることは可能です。
これからご紹介するポイントを抑えておけば、予算を下げることはできます。
しかし、間違って欲しくないのは、必要なものを削って建設費用を安くするということです。
ここでご紹介する方法も、工場建設に必要なものを削る方法ではありません。
あくまでも必要なもののコストダウンをする方法をご紹介しています。
必要なものを削るということは、欠損した工場を建設するということです。
倒壊の恐れがある工場を建設することは違法であり、そこで働く従業員を危険な状況で働かせることになります。
一歩間違えたら、犯罪者です。
ここでの安くする方法が、ご自身の建設する工場には当てはまらないこともあります。
そんな時に、コストダウンを諦めて手抜き建設をせずに、専門家に相談をしてください。
何より、建設後の審査で基準に達していない工場は稼働させることができません。
建設基準をクリアするために費用が加算されていくだけです。
ここを間違えないでください。
工場費用が安くなる3つの工法
工場を建設する時にいろんなことを考えますが、その中の一つに「工法」があります。
工法にはいくつか種類がありますが、今回は工場建設の費用を安くことがポイントなので、ここを抑えている工法は3つあるので、それぞれの特徴やメリット、最も重要なおおよその費用をご紹介します。
システム建築
システム建築とは、コンピュータでシステム化にして設計から、建材の素材や生産を行っていく工法です。
人が作業することでのデメリットは時間がかかるということ。時間をかけることで細部まで行き届いた良いものができるのですが、ある程度のことをコンピュータを使用することで作業効率を上げていくことができます。
さらにシステム建築の良いところは、自由な設計ができることです。建物の広さや階数などは建物の構造で制限がありますが、CADでパーツを設計するので希望を叶えるチャンスが増えるのです。
そして、一番のメリットは生産ラインの自動化です。屋根と母屋がフレームと一体化することで、従来の生産方法より時間を短縮できるだけでなく、コストダウンを可能にしてくれます。
実際の工場建設にかかる工期についても、短い期間で工場を建設させることができます。
システム建築での費用目安は約4,000万円〜、工期は約3カ月〜です。
プレハブ建築
プレハブと聞くと、簡易的で小さな建物をイメージされますが実際には違います。
プレハブ建築とは、あらかじめ工場で生産され、加工されたパーツを現場で組み立てる工法を言います。
無駄のない工法であり、短期間で工場を建設することが可能です。
そのため、事業計画通りに建設が進めやすいので、工期が遅れる心配がないことがメリットです。
しかし、簡易的なイメージが強いため、耐震や防音など建物の性能について心配されます。こうしたデメリットについては改良がされているため、利用される企業が増えています。
プレハブ建築の費用は約3,000万円〜、工期は約3カ月〜となります。
テント倉庫
テント倉庫は、イメージそのままの倉庫です。骨組みは鉄骨、天井や壁にはシートを使用しています。
大きさや柱の太さなどが違うだけで、アウトドアのテントと変わりはありません。
非常に簡易的なため、工期は他の工法よりグッと下げることができます。
雨風を避けることができますし、温度に左右されない品物を保管しておくには適していなす。
しかし、工場の建設となると、やはり耐久性においては心配があります。紫外線などによるテント生地の劣化、災害時の対応などには弱いです。
また、建設時の費用は下げることができますが、工場として長く利用を考えると、テント生地の張り替えは必須であり、その際に品物の移動なども必要となるため、維持費のコストが発生してしまいます。
テント倉庫の建設の費用は約2,000万円〜、工期は約1~2カ月程度となります。
工場建設の費用を安くする4つのポイント
工場を安く建設できる工法に加えて、費用を安くするポイントについてご紹介します。
一つのことだけに囚われすぎると、全体が見えなくなるためコストダウンのポイントが分からなくなります。
そして、一つの負担を減らすことで、全体に負担が増えるなんてこともあるので、それぞれを理解して建設時に取り入れてみてください。
安くするポイント: 資材
使用する資材によって、値段は変わってきます。
例えば、構造上、特注の資材になれば、規格の資材を使うより単価が上がります。
また、木材を使用する場合には、材木の種類によって値段は違うので、単価は大きく変わります。
比較的、資材のコストダウンがしやすいのは鉄骨造です。均等に配置することで建物自体の強度が増していくので、他で強度を上げる必要がありません。
そこにかかるコストダウンとなります。
安くするポイント: 土地
工場を建設するために、どんな土地を選ぶのか?
基準はいろいろあります。
・価格が安い
・広い土地が確保できる
・土地の形がいい
このように視点を変えると、それぞれ大事にするところから重要だと思う点も変わってくるのです。
この中で、安く工場を建設するという視点から見た場合、選ぶ基準は「土地の形がいい」です。
この基準が最もコストダウンに繋がります。
理想としては四角い形がいいです。工場建設のための重機や搬送用のトラックの入りやすさを重視して欲しいのです。
搬入が困難となれば、現場に搬入するまでに対策を考えなくてはいけません。そこに費用をかけることは、最も無駄なお金ともいえます。
さらにいえば、現場までの周辺道路も確認したいところです。搬入をスムーズにすることも大事なことです。
安くするポイント: 建築工事の工程管理
工程通りに建設を進めていくのは、コストダウンになります。
なぜなら、予算通りに終わるから追加費用が発生しないのです。
天候に左右されやすく、また資材が予定通りに届かないなど、何かとアクシデントがある現場では、工期通りに終わることは難しくもあります。そのため、予備日を設けたりあらかじめ予算を多く見積もっています。
しかし、そんな努力をしても予定通りに終わらない時には、改め設備や職人を確保することになるので、費用が発生します。
相手も次の現場があるため、継続してお願いするということが難しいケースもあります。無理な工程では、作業は終わりませんし、従業員にもミスが出始めます。
そのため、当初の予定している工事期間内に工事を終えることがコストダウンのポイントとなります。
コンクリート作業など日数を要する作業の他、足場の設置や職人の作業期間などに無駄が発生しないよう、工事管理を徹底しましょう。
安くするポイント: 人件費
人件費は関わる人、現場で作業する人が多いほどに費用が必要となります。
外注を使う場合には、下請けや孫請けといった業者が作業をすることがあるので、見積もりもらう時点で「高い」感じる金額であれば、人数を確認してください。
また、工期が延長となれば、別料金が発生するので、現場での作業の進め方などはこまめに確認しておくと全体の状況が把握しやすいので、相手に聞くようにしてください。
まとめ
工場を安く建設する方法についてご紹介しました。
様々な方法がある中で、間違えていけないのは「手を抜く」ということではないことです。
・工法の違いよるコストダウン
・安くできるポイント
必要なこと、不要なことをよく見極めて、安くてもより良い工場が建設できるように参考にしてください。