2023年に入って、電気代の高騰は手に取るように分かり、企業や一般家庭問わず節電方法や「どうしたら電気代が安くなるのか?」に注目が集まっています。
電気代高騰の背景には、世界情勢が影響しているといいますが、いまいちピンと来ていない方も多いのではないでしょうか?
工場においても電気代高騰は他人事ではありません。様々な形で電気を使用しているだけに、コストが上がるのは避けたいところです。
今回は、猛暑の夏を前に、工場で電気代を削減できる方法をご紹介します。
工場での電気使用状況をご存知ですか?
工場を経営して、稼働させていくためには見えないところで出費が重なっています。そんな経費を大きく分けてみると、こんな感じになります。
・税金
・材料費
・人件費
・光熱費
まずは、これらの中で「金額に変動がない経費」があります。それは税金です。税金は。法人税や建物に対する固定資産税などがあります。これらに関しては、法律によって決められているので毎年決められた金額を納付することになります。
それ以外の経費に関しては、毎年決まった金額ではありません。材料費にについては天候や社会経済によって、大きく変動します。さらには、材料を確保することに困る時もあリマス。
人件費に関しては、大規模な企業の工場となれば組合があるため、企業全体の収益に合わせて似合った金額を要求されます。
そして、光熱費です。こちらに関しては金額に変動はあるものの、使用量が上がるタイミングが季節や時間帯によって分かります。使用状況を知っておくことで削減対策することができます。
使用状況を把握することも節電になる
使用状況を把握するためには、まずは工場において電気が使われる理由を知ることが必要です。
工場で最も電気は使うのは、生産ラインです。製造業においてメインとなる部分です。ここでの電気使用量は全体の約80%になります。
次に気になる使用量は、空調です。工場内を働きやすく、機械の稼働に影響しないように適温に維持することが求められます。使用量は全体の約9%です。
そして、電気と聞けばやはり照明です。工場内を明るくする光として欠かせなません。しかし、以外にも電気使用量としては全体の約8%ととなります。
こうして見ると、節電として照明をこまめに消すことを言われる工場も多いかと思いますが、全体で見るとごくわずかになります(もちろん、節電は大事です)。
しかし、最も割合を占める生産ラインにおいては、節電に取り組むことは工場での生産数に関わることなので、すぐにはできないので厳しいです。
これら三つは大きく分けたものなので、ここから深掘りをしていくことで無駄に電気を消費しているところがあります。これを検討してみる価値はあります。
電気代削減の対策が必要な工場
工場といっても様々な工場が存在します。電気代高騰に合わせて、削減を検討する、対策する必要があるのは、どんな工場でしょうか?
やはり、製造業の工場は削減について検討する必要があります。車、精密機械、食品などの工場では生産ラインを止めるわけにはいかないので、いち早く取り組むべきです。
工場でできる電気代削減の対策方法
では、工場でできる電気代削減の対策方法をご紹介します。
工場においてできる対策方法は4つあります。ここからは電気代削減だけでなく、先を見据えた考え方が必要だということも頭の片隅に入れてください。
LEDライト、蛍光灯に交換する
LEDライトは、国が認める「節電対策」として紹介されています。期待できる効果としては、白熱灯からLEDライトの照明に交換することで約85%の節電効果があるとされています。
工場となれば使用する蛍光灯の数も違うので、少しずつでも交換していきましょう。
古い空調をやめる
空調に関しては、断然新しい方が節電になります。新しい空調は従来のものより快適な空間となるだけに「かえって電気代が高くなるのでは?」と思うわれる人もいます。
しかし、実際には古い空調を稼働させる方が消費効率が悪くて、働く環境としても良いものとは言えません。10年前の空調と比べると12%の省エネになるという報告もあります。
工場内で働く従業員にとって、室温は適切に保たれている方が体に良く、働く意欲も維持してくれるといいます。
また、製造業においては機械が高音になると故障の原因となります。食品であれば、提供できる温度を管理しなくてはいけません。
電気代削減だけでなく、余分な出費を増やさないためにも10年前後使用していたら、一度業者に確認してもらうことをオススメします。
電力会社を変える
最近では、工場でも電力会社以外からも電力を購入することができるようになりました。
一般家庭では電気代を見直し、電力会社を変えるという家庭も増えています。
こうした背景からも一度話を聞いてみることをオススメします。
太陽光発電を導入する
工場で太陽光発電など、省エネを目的とした経費に対して補助金が用意されています。
自治体や工場の規模などによって条件は違いますが、こうした補助金制度をうまく活用することで経費を抑えることもできます。
いざという時のために自家発電、太陽光発電など、様々な形で対応できるようにしておくのも、先を見据えた対策となるはずです。
対策方法を実施する前に考えてほしいこと
様々な対策方法を挙げてきましたが、どれも実施する前に考えてほしいことがあります。
どの情報も良いものですが、どのやり方が工場にとって合っているのかを考えることが大事です。そして、その中でも大事なことが3つあるので、その点についてはしっかり考えてください。
設備投資を躊躇しない
照明、空調など様々な設備の交換を対策として挙げました。工場で交換となれば大きなお金が動きますし、工事期間が生産ラインに影響しないように考えなくてはいけません。
いろいろと悩ましいですが、最低限にして最大の投資をしてください。ここでここでセコイ事をするとあとになって後悔することが出てきます。設備、業者選びについてはよく見極めて選んでください。
電力会社はしっかり吟味する
従来の電力会社以外を検討する時は、以下の事を念頭に入れてください。
・金額が安くなるのか
・安定した電力供給ができるのか
この二つについてはきちんと把握してください。
電気代が安くなると聞いただけでは、工場にも該当するのかは分かりません。そして、家庭レベルの消費ではない工場においても安定して電力供給できるのかは、最も大事なところです。
必ず、担当者に確認をするようにしてください。
未来のエネルギーを見据える
企業や工場において、これからの課題にエネルギーの使い方、環境に配慮した事業展開というのは外せないものになっていきます。
電気においては、その一つとして考えていくものになります。工場の稼働には絶対に欠かせない電力をどのように使うのか、ただ電気代を削減するという枠を超えていますが、これからの事を考えていくきっかけにもしてください。
まとめ
工場における電気代削減の対策方法をご紹介しました。
便利になるけど、古いものを使い続けることはよくあることです。もしくは交換したいけど、様々な理由で交換ができないという場合もあります。
何をきっかけにするかは、企業や工場にもよりますが、今回の電気代の高騰は良いきっかけになると考えられます。電気を使い、料金を支払うとは、ここまで当たり前すぎて、深く考えていなかった工場もあるはずです。
それだけ欠かせない電気とどのように付き合っていくのか?工場において様々な角度から考えてみてください。