この記事では次の内容をまとめています。
・鳥害対策をすべき理由
・工場・倉庫がすべき鳥害対策
・鳥害対策のポイント
鳥害に悩んでいる、これから建物を建てるので早くから鳥害対策をしたいという企業が知っておくべきことを全てまとめました。
工場・倉庫が鳥害対策をすべき理由7つ
この章では工場や倉庫が鳥害対策をすべき理由や、対策をしないことで起こるリスクについて解説します。
①商品や原材料が使えなくなる |
②異物混入のリスクが上がる |
③健康被害のリスクが上がる |
④建物の見た目が悪くなる |
⑤従業員のモチベーション低下 |
⑥メンテナンスコストが増える |
⑦騒音が発生する |
商品や原材料が使えなくなる
鳥の糞が商品や原材料に落ちると破棄せざるを得なくなり、非常に勿体無いです。
特に倉庫の場合、荷下ろしや積み込みのために商品を外に置くことも多く、その際に糞害が発生する恐れがあります。
万が一、商品に糞が付着しているのに気が付かず発送されれば、クレームになりかねません。
異物混入のリスクが上がる
糞や羽毛が製品に混入することが考えられます。
もしも異物混入が判明したら製品は作り直しとなり、処理コストも発生します。
また、製品が市場に流通すれば企業の信用問題にも関わります。
消費者が安心して購入できるようにするためにも鳥害対策は必要です。

健康被害のリスクが上がる
鳥によって健康被害が発生する恐れがあります。
鳥の糞や羽毛には病気の原因となる物質が含まれているからです。
例えば、食品工場の場合、製品に混入することで食中毒が発生することも。
また、こうした物質は直接摂取しなくても、空気中に広がることで健康に影響が出ることもあります。
つまり、鳥が工場や倉庫の建物内に巣を作ったり、侵入しているのを放っておくと、従業員の健康被害を引き起こす恐れもあるということです。
建物の見た目が悪くなる
鳥の糞尿によって建物が汚れると、企業の印象が悪くなってしまいます。
例えば、取引先が企業を訪問した際、汚れた建物を見ると企業への印象は悪くなってしまうでしょう。
もちろん、汚れたらすぐ掃除するのも一つの手ですが、掃除に時間がかかる分、生産性は下がってしまいます。

従業員のモチベーション低下
鳥が頻繁に侵入したり、建物が汚れたりしていると、工場や倉庫で働く人は決して良い気分になりません。
糞尿の掃除も毎日のようにあればうんざりするでしょう。
すると仕事へのモチベーションが低くなり、生産効率が下がってしまうでしょう。
また、不衛生で不快感のある職場で働き続けることが嫌になり、転職を考える人も出てくるかもしれません。
これでは離職率が高くなり、採用コストも増えます。
従業員が働きやすい環境を作るためにも鳥害対策は必要です。

メンテナンスコストが増える
鳥の糞尿の中には酸が含まれており、付着すると金属が劣化しやすくなります。
つまり、屋根や設備に糞が付くと、劣化のスピードが速くなり、メンテナンスコストが増える原因となります。
そのため、
- そもそも糞がつかないようにする
- 糞がついたらすぐに取り除く
といった対策が求められます。

騒音が発生する
鳥害には羽毛や糞尿に関するもの以外もあります。
それが騒音です。
大量の鳥が一斉に鳴いたり、羽ばたいたりすることで大きな音が発生します。
こうした音は従業員の集中力を奪って生産性が下がる原因となります。
また、周りに住宅がある場合、近隣住民も騒音に悩まされ、苦情が入ることもあるでしょう。
騒音を防ぐためにも、鳥が集まらないように早くから対策をすることが求められます。

工場・倉庫がすべき鳥害対策の方法7つ
この章では工場・倉庫ができる鳥害対策をご紹介します。
①電気ショック |
②ネットを張る |
③カーテン |
④鳥よけスパイクの設置 |
⑤忌避剤 |
⑥鳥が嫌がる音を出す |
⑦鳥のエサになるものを放置しない |
電気ショック
鳥が留まると電気が流れる仕組みになっています。
流れる電気は鳥を傷つけたり、殺したりするほどの強さではなく、刺激を与える程度です。
飛来したそばから追い払うことで、工場や倉庫に定着するのを防ぐことができます。
鳥が留まることが多い屋根や屋上に設置します。
ネットを張る
物理的に鳥が入れなくする方法です。
通路や出入り口など、開放されている場所に設置します。
ネットの穴が大きすぎると小さな鳥は侵入してしまうため、購入の際は穴の大きさをよく確認しましょう。
また、ネットを設置しても長さが足りなかったり、建物に密着していないと隙間から侵入されてしまうので、設置する際は全体を綺麗に覆うことを意識しましょう。
カーテン
開口部にカーテンをつけるのも1つの方法です。
鳩などの鳥の侵入を防げます。
カーテンは簡単に、そして安く鳥害対策できるのがメリットです。
工場や建物を建設する際に、自動で開閉するカーテンやシャッターを設置すれば、毎回開け閉めする手間を減らせます。

鳥よけスパイクの設置
薄くて細長い板から上向きに長いピンが何本も生えている鳥害対策グッズです。
剣山をイメージすると分かりやすいでしょう。
これを屋根、庇、換気ダクトなどに設置することで、鳥が留まるのを防ぎます。
鳥よけスパイクはバードピンと呼ばれることもあります。
忌避剤
鳥は室外機の下や排気ダクトの中に巣を作ることがあります。
このような人間が気付きにくいところに鳥が侵入するのを防ぐのに使えるのが忌避剤です。
鳥が嫌がる成分が含まれていますが、人間や動物に害はないので安心して使えます。
忌避剤は時間が経つと効果が薄れてくるので、定期的に取り替える必要があります。
鳥が嫌がる音を出す
鳥が嫌がる音を出し続けることで飛来を防ぐ方法です。
ただし、最初は追い払うことはできても、次第に慣れてしまい、効果がなくなることもあります。
また、音で鳥害対策をする場合、騒音によって近隣住民に迷惑をかけるリスクがある点に注意が必要です。
鳥のエサになるものを放置しない
そもそも、鳥がなぜ工場や倉庫に来るかというと、その理由の1つはエサになるものがあるから。
そのため、鳥のエサになるものを外に放置しないことが大切です。
例えば、
- ゴミは蓋つきのゴミ箱に捨てる
- ゴミを長時間外に放置しない
- ゴミ捨て場を定期的に掃除する
といった対策が有効です。
工場・倉庫が鳥害対策をするときのポイント4つ
この章では工場や倉庫が鳥害対策をするときに注意すべきポイントをご紹介します。
①建設時から対策を始める |
②鳥が集まりやすい場所を把握する |
③直接駆除すると罪に問われることも |
④鳥害対策の専門業者に依頼する |
建設時から対策を始める
鳥害対策は建設時から始めるのが望ましいです。
なぜなら、一度鳩などの鳥が住み着いてしまうと、対策をしても十分な効果が得られないことがあるからです。
そこで、建設時から開口部にネットを張ったり、電気ショックを与える装置を設置したりして、鳥を侵入させない・近づけないように対策をしましょう。

鳥が集まりやすい場所を把握する
効果的な鳥害対策をするには鳥が巣を作りやすい場所や、留まりやすい場所を把握する必要があります。
思わぬところに巣を作られていたということがなくなりますし、無駄のない対策ができます。
鳥が来やすい場所には次のような場所があります。
- 屋上
- 屋根
- 通路
- 庇
- 開口部
- ベランダ
- 排気ダクト(上部・内部)
- 室外機など物の下
直接駆除すると罪に問われることも
工場や倉庫にとって鳥は非常に迷惑な存在ですが、実は鳥獣保護法によって保護されている存在。
直接殺傷したり、巣を壊したりすると罪に問われることがあります。
そのため、鳥害対策をする場合、鳥を痛めつけるようなことはせず、住みつかないように追い払う程度の対策にしなければいけません。
鳥害対策の専門業者に依頼する
鳥害対策をするなら専門業者に依頼するのがおすすめです。
なぜなら、鳥の習性を理解し尽くしており、効果的な対策をしてくれるからです。
特に、既に鳥が住みついている場合、自分達の力だけで完全に追い出すのは非常に難しく、プロの力に頼るのが理想的です。
ちなみに、鳥害を予防するグッズは自分達で購入し、設置することもできます。
しかし、鳥害対策は時に高いところでの作業を伴うため、社内の人間だけで行うのは安全面での不安があります。
こうした面でも専門業者に依頼するメリットがあります。
まとめ
鳩などの鳥は糞尿で荷物や製品を汚したり、異物混入のリスクを高めたり、健康被害を引き起こしたりと工場や倉庫に様々な悪影響をもたらします。
鳥は一度住みつくと完全に追い出すことが難しいため、工場や倉庫の建設時から徹底的に対策をし、そもそも鳥を寄せ付けない、入らせないようにするのが理想的です。