倉庫や工場に欠かせないものの一つにシャッターがあります。
出入り口用、搬入用など用途はさまざまです。
つまり、用途に合わせてシャッターを選ぶ必要があります。
実際に倉庫や工場では、どんな用途を目的としてシャッターがあるのでしょうか?
また、用途に合わせてシャッターを選ぶ基準は、どんなところにあるのでしょうか?
今回は、倉庫や工場で使用されるシャッターの種類、そして選ぶ基準についてご紹介します。
倉庫や工場にシャッターが必要な4つの理由
あまりにも当たり前すぎて、シャッターの存在を疎かにしていたり、シャッターがある意味を理解していないまま働いている従業員もいるかもしれません。
また、日常常務において必要としないシャッターもあるため、実際に必要となった時に活用方法を知らないということも考えられます。
まずは、シャッターが必要な理由を理解していきましょう。
商品や設備などを守るため
シャッターは、出入り口にて開閉する役割があります。主に昼間の稼働時間に全開して、稼働が止まる夜に閉めています。
つまり、稼働していない時間、人の出入りが少なくなる時間に商品を守るためにシャッターがあります。製造業の工場では24時間稼働させているところもありますが、商品の搬入は止まるので不要な部分は閉めておき、手薄になっても商品を守ることができます。
また、今回は加えて設備を守ると加えました。近年では、建設現場などから重機や鋼材などが盗まれることが増えています。重機は転売、金属は再加工されたりすることが目的とされています。
倉庫や工場は建物の中ではありますが、フォークリフトや機械など同様の目的で盗まれることも考えられます。こうした部分にも目を向けると、さらにシャッターの必要性が分かります。
空調を管理するため
倉庫や工場によっては、昼まであってもシャッターを閉じていたり、開けるのは一部としているところがあります。これは、室内の温度管理や空調を管理して商品の品質を守るためです。
建物が大きいですからほとんどは壁でもありますが、搬入のためには扉が必要です。室内の気密性のために小さな扉にすれば、搬入に時間がかかるので作業効率が下がってしまいます。
シャッターで大きく開放して、作業を迅速に済ませて再び閉める。室内の空調はしっかり守られます。
また、シャッターは温度や空調だけでなく、ほこりや虫が入るのを防ぐことができます。
周辺の環境を守る
倉庫では比較的少ないですが、工場では製造過程で煙や異臭が発生します。もちろん、環境に悪影響を与えるレベルではありませんが、周辺に住んでいる方々にとっては日々のことなのでストレスになってしまいます。
周辺住民とのトラブルは避けたいことです。悪いことをしているわけではなくとも、外に漏れないように努力することは大切です。
こちらは倉庫も関係することですが、火事や地震など緊急事態に備えておく必要もあります。災害において火や爆発による被害を極力小さくするようにシャッターを設置する必要があります。
従業員の作業効率を上げる
倉庫や工場の商品や材料の搬入を考えれば、出入り口は必然的に広くなります。広い出入り口の開閉を考えると手動では無理がありますし、危険が伴います。シャッターにすることで開閉時の立ち会うことは必要ですが、危険性は下がり従業員が時間を取られることもありません。
従業員の日常的な安全性、作業効率を上げることを考えるとシャッターは外せません。
倉庫や工場で使われるシャッターの種類
シャッターは用途に合わせてさまざまな種類があります。それぞれの特徴を活かして適した位置に設置する必要があります。
ワイドシャッター
大きな開口部に対応できるタイプのシャッターです。
シャッターの開閉のためには柱が必要となりますが、中間の柱を幅広く取れるのが特徴です。
こちらのシャッターの用途としては、倉庫や工場の出入り口に設置することでスムーズな搬入を可能とします。
気密シャッター
気密性の高いシャッターは、倉庫や工場の内部を守る、または漏れないようにするために使われています。
例えば、商品の品質を守るために空調管理をしたい場合。製造過程において温度管理、ほこりや虫の混入を防ぎたい場合。
このような場合に、室内においてシャッターを活用して内部を守ることができます。
また、逆に外部からの侵入を防ぐということでは、出入り口に設置しても十分に機能します。
防爆シャッター
石油や化学薬品を扱う工場では、常に危険と隣り合わせです。爆破ということも考えられます。
そのため、設置するシャッターの素材にも注意しなくてはいけません。
・シャッターの動作時に静電気を抑える
・発火性の高い場所でも安全に使える
こうした安全性を考慮して作られるのが防爆シャッターです。
もう一点加えるなら、爆発が起きた際に最大限に被害を小さくするための役割を備え得ていることも特徴です。
防火シャッター
倉庫や工場では火災が発生しやすい場所でもあります。また、火災となれば周辺住民への被害も考えられますし、生産ラインが止まれば、仕事や生活にも大きく影響があります。
建築基準法によって、特殊建築物は防火設備が義務つけられているため設置箇所もかなり考慮されています。最も危険となる場所を把握してシャッターを設置していきます。
防煙シャッター
爆発や火災という事故が起きた場合、煙が発生します。煙の侵入も人や環境に大きな悪影響があります。
直接的な災害とは違い、被害を小さくするというよりは、従業員の避難経路を守るという目的で使われています。
重量シャッター
重量シャッターの基準は、シャッタースラットの厚みが1.6mm以上ある分厚いシャッターをいいます。
シャッターの性能は幅広くありますが、厚みがあるほどに性能を十分に発揮することができるとされています。
住宅用のシャッターには重量シャッターを使われることはほとんどありませんが、倉庫や工場など建物が大きく、防犯性などを考えると、やはり重量シャッターを選ぶ方が正しいともいえます。
高速シャッター
その名の通り、シャッターの開閉が非常に早いタイプです。
開閉に早さを求めるのは、あまり関係ないようにも思われますが、倉庫や工場においては重宝しています。
気密性が求められる作業や商品を扱う場合には、速やかな開閉を可能にすることで作業効率を上げることができます。
また、事故による火災や爆破、煙などもいち早く閉じることで被害を最小限にすることができます。
シャッター選びで失敗しない2つのポイント
シャッターの紹介からも分かるように、さまざまな性能に合わせてシャッターの修理は豊富にあります。そのため、設置する時にどのような基準で選ぶべきなのでしょうか?
ここでは、シャッターを選ぶ時に失敗しない選び方をご紹介します。
用途に合わせて選ぶ
これだけの種類があるシャッターですから、一種類だけを選んでいたら失敗してしまいます。
ますは、どんな用途で設置されるのかを考えて選ぶことが必要です。
設置する場所は、設計図の段階で分かるのでそちらで考えながら決めていくと、さらに分かりやすくなります。
開閉方法で選ぶ
シャッターの開閉方法は4つあります。
・電動
・手動
・上下方向
・横方向
倉庫や工場のシャッターとなれば手動というのは時間がかかりますし、開閉時に危険が伴います。費用はかかりますが、電動を選択する方が安全です。
また、一般的には上下方向に開閉するシャッターが主流ですが、横方向に開閉するタイプがあります。こちらについては、倉庫や工場の特徴や構造によって使い分ける方が効率が良くなります。こちらも専門家に相談しながら設置すると失敗が少なくなります。
まとめ
今回は、倉庫や工場で使用されるシャッターの種類と選び方についてご紹介しました。
誰もが見慣れているシャッターですが、倉庫や工場で使用されるものは特殊な性能があり、種類も豊富にあることが分かりました。
また、選び方については目的別、構造に優先して考えることで失敗なく設置することができます。
こうした点を踏まえて倉庫や工場に合ったシャッターを選んで設置してください。