工場の利益を増やすためには売上を上げるか経費を削減するという2つの方法があります。
売上が上がるのは経営者にとって魅力的ですが、施策を考え、実行し、成果が出るまでには時間がかかります。
一方で経費を削減するのは今すぐ取り組めて、効果が出るのも早いです。
コストダウンの対策は実行するのが早ければ早いほど削減できる経費が増えるので出来るだけ早く動くのが望ましいでしょう。
また、コストダウンをすれば経営の安定に繋がるのはもちろんのこと、仕事の効率化ができたり、地球のためになったりと色々なメリットがあり、取り組む価値は非常に高いです。
そこで今回は工場のコストダウンの方法を13個ご紹介していきます。
毎月かかる経費を減らしたい方、利益をもっと増やしたい工場の経営者の方は必見ですよ。
インバータ照明を使う。
工場の水道光熱費のコストダウンの方法7つ
工場にとって水道費や電気代といった出費は毎月重くのしかかるもの。
こうした出費が抑えられれば経費も大きく削減できます。
そこでまずは工場の水道光熱費のコストダウンの方法を7つご紹介しましょう。
インバーター照明に切り替える
インバーター照明は電子回路で構成されているもので、スイッチを入れるとすぐに点灯します。
グロースターター方式と呼ばれる従来の照明はスイッチを入れるとチカチカしてから点灯しますが、インバーター方式の照明ならそれがないので目に優しいです。
また、より明るいので電気代の削減に繋がります。
さらに明るさを調整できるというメリットもあります。
導入するのに初期費用はかかりますが、削減できるコストも大きいです。
LED照明に切り替える
LEDは今や私たちの生活に浸透している照明です。
工場にもLED照明は向いています。
消費電力が少ないので電気代を節約することができ、さらに寿命が長いので電球を取り替えるときの工賃もかかりません。
あまり熱を持たないので工場内の気温が上がるのを防ぐことにも繋がります。
太陽光発電をする
太陽光パネルを設置し、太陽光で作った電気を工場で消費すればその分節電になります。
実は工場の屋根は自由な向きにパネルを設置することができ、さらに木の葉などパネルを覆ってしまうものがつくことも少ないので太陽光発電と工場は相性が良いです。
もちろん地球にも優しいので企業として導入する価値は非常に高いです。
エアコンのメンテナンスをする
エアコンは電気代が高くなる一因です。
エアコンを使っている工場では年に一度メンテナンスを行うことが重要です。
機械の中の不調や汚れをそのままにしていると温度管理のために通常より大きなパワーを使うことになります。
しかし、毎年メンテナンスをしていれば余計なパワーを使わなくて良いので電力削減に繋がります。
長い間エアコンの手入れをしていない場合は一度メンテナンスするだけでも違いを感じられるかもしれません。
省エネ対応の機械に切り替える
古い機械は電力をかなり使うものが多いです。
その一方で新しい機械は省エネに対応しているものが多いため、こうした機械に切り替えることで月々の電気代を浮かすことができます。
エアコン、生産に使う機械など古いものがあれば新しいものに切り替えることを検討しましょう。
地下水を利用する
水道代を減らすためには上下水道ではなく地下水を利用するという方法があります。
地下水は利用しても費用が発生しませんから大幅なコストダウンになります。
しかし、地下水を工場まで汲みあげるためにはやはり設備が必要で大きな初期費用がかかるのがデメリットです。
また、定期的なメンテナンスにもお金はかかります。
ただし、会社によっては初期費用やメンテナンス費用がかからず、その代わりに利用した水量に応じて料金を請求する方法を採用しているところもあります。
これなら初期費用がかからないのでリスクも少なく導入できます。
もちろん、料金は上下水道よりも安く設定されているのでコストダウンになります。
上下水道料金が高い地域ほど効果的な方法です。
電気とガスの契約会社を見直す
現在は電気とガスが自由化され、電気会社とガス会社を自由に選べるようになっています。
そのため契約する会社を見直し、変更するだけで光熱費の削減に繋がることもあります。
電気会社がガスも提供したり、通信事業者が電気を販売しているケースもあるため、電気とガス、ネットと電気と両方を同じ会社で契約することによって割引価格になることもあるでしょう。
工場がある地域で利用できる会社を比較し、少しでも安くなるところを探してみましょう。
オンライン会議をする。
工場の水道光熱費以外のコストダウンの方法6つ
工場で費用がかかるのは水道光熱費だけではありません。
その他にも経費を削減できるポイントはたくさんあります。
次に水道光熱費以外のコストダウンの方法をご紹介しましょう。
ペーパーレスを進める
工場では書類を作成したりコピーをとったりと何かと紙を使います。
1枚あたりのコストは少ないですが、塵も積もれば山となるという言葉の通り、年間を通してみるとかなりの消費量になります。
そこで書類は出来るだけオンラインだけで管理するようにしたりとペーパーレスを進めればかなり紙の消費量を減らすことができます。
印刷の回数を減らせば印刷機が長持ちしたり、インクの使用量が減るというメリットもあります。
オンライン会議をする
会議は参加者が同じ場所に集まって行うものというイメージがありますが、最近はオンライン会議ができるツールを使って遠くにいても会議ができるようになっています。
1対1はもちろん、100人以上が参加する会議を行うことも可能です。
こうしたツールを活用すれば今まで会議の度にかかっていた交通費を削減できます。
通信費を見直す
通信費もコストダウンができるポイントの1つです。
キャリアを変えたり、事務所で使うパソコンや社員に持たせているスマホを全て同じ会社のものに統一することで月々の通信費を減らすことができます。
契約を変更することでもっと通信費が抑えられそうであればキャリアの担当者と交渉してみましょう。
カーシェアリングを利用する
頻繁に車で出かける業務があるなら社用車を持っていても良いですが、車で外出することが少ないならカーシェアリングを利用すると車の維持費や保険代をカットすることができます。
カーシェアリングとは自動車を会員間で共同で使用するサービスのことです。
最近はコインパーキングの中にカーシェアリング用の自動車が置かれていることもあり、気軽にいつでも利用できるようになっています。
ただし、他の人が使っていたら当然その間は利用できないので必要とするタイミングで使用できないというリスクがあります。
事務用品を定期便で購入する
コピー用紙やテープといった事務用品はなくなったらその都度購入してももちろん良いのですが、定期便を利用すれば割引があったり、送料が無料になったりするためお得です。
毎回割引される額は少なくても、何度も必要になるものですから、積もり積もればかなりの額になります。
一度いつも買っている事務用品を定期便を利用してもっと安く購入できないか調べてみましょう。
社員の勤務時間を減らす
工場は人件費にも当然コストがかかっています。
残業も少なく、社員が快適に働けているのであればそのままでも良いですが、残業が長く、工場が遅くまで稼働していると色々なコストがかかるので、その場合は社員の勤務時間が減るように対策をするべきです。
もちろん、ただ仕事量を減らすだけでは売上も下がりますし、上手く作業が回らない可能性もあるので、円滑に作業が進むように工夫した上で、あまり残業しなくても良いようする必要があります。
残業が減れば人件費が浮くだけでなく、社員のモチベーションも上がるというメリットがあります。
コストを見える化しよう。
工場のコストダウンを成功させるためにすべきこと4つ。
工場の経費を削減するためにはいくつか踏むべき手順があります。
そこでコストダウンを成功させるためにすべきことを4つまとめました。
コストの現状を分析する
コストダウンを成功させるためにはまずはコストが何にどれくらいかかっているかを分析しましょう。
改めて毎月のコストを見直し、特に多くコストがかかっているものを見つけることによって効率よくコストダウンに着手できるようになります。
コストダウンの目標を設定する
コストダウンの成果を出すためには具体的な数値を用いて目標を設定することが欠かせません。
数字で目標を設定することによってより自分の行動を意識するようになり、効果が出やすくなります。
社員に周知する
コストダウンの目標と施策が広まったら社員に周知しましょう。
工場は社員をはじめとした多くの人が働く場所で、一人一人の協力がなければ目標達成はできないからです。
社員に伝えるときにはなぜコストダウンをするのか、どんな意義があるのかといったことを詳しく伝えることでより協力的になってもらえます。
「見える化」で行動を促す
もっと成果を出すためにはコストの「見える化」が有効です。
具体的に説明すると、例えばコピー機に1回のコピーにかかる値段を書いたり、毎月の水道光熱費を誰でも見れるようにしたりすることで紙や水道や電気を無駄にしないように行動するよう促すことができます。
コストダウンの施策を始めてからは、どのくらい効果が出ているかも「見える化」して伝えれば社員のモチベーションを上げることができますよ。
労働環境を悪くしない。
工場でコストダウンに取り組むときの注意点2つ
コストダウンは経営者にとって魅力的ですが、取り組むときにはいくつか気をつけなければいけないこともあります。
そこで最後に工場でコストダウンに取り組むときの注意点を2つご紹介しましょう。
労働環境を悪化させない
コストダウンをするときには労働環境が悪くならないように気をつけましょう。
例えば電気代を節約しようとただつける電気の数を減らしたり、点灯時間を短くしたりすると工場内が暗くなり、手元が見えにくく、社員の視力低下にもなってしまいます。
これではコストダウンができても他の部分でデメリットが生じてしまうので、コストダウンをしつつ労働環境は維持するようにバランスを取りましょう。
初期費用を回収するまでの期間を計算する
コストダウンの方法の中には初期費用が大きくかかるものもあります。
その際は初期費用を回収するまでにどれくらいかかるのかを計算しましょう。
こうすれば初期費用をかけたけれどあまりお得にならなかったという残念な事態を防ぐことができます。
まとめ
工場でコストダウンをすれば利益が大きくなるのはもちろんのこと、仕事の無駄が省けたり、省エネになったりと色々なメリットがあります。
毎月大きな費用がかかる水道光熱費を節約したり、通信費や人件費を削減したりとコストダウンできるポイントは色々あります。
一度工場に何のコストがどれくらいかかっているかを把握し、経費削減の余地が大きいものから取り組んでいきましょう。