コロナ禍によって家で時間を過ごす人が増えたことで、通販の利用も増えました。
そのため、物流業界は今までよりも忙しくなっています。
業績が上がるのは喜ばしいことですが、その一方で増えた業務への対応に追われることになります。
業務量が増えたとき、従業員を増やす方法もありますが、業務をアウトソーシングするという方法もあります。
アウトソーシングとは業務を他の企業に委託するということです。
仕事を外注すれば社内の負担を増やすことなく、増加する業務に対応できます。
しかし、大事な業務だからこそ、他の企業に任せることに不安を感じるという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、物流業務をアウトソーシングするメリットや注意点をまとめました。
アウトソーシングについてあまり知識がない、これ以上作業量が増えたら対応できないと感じている方はぜひ参考にしてくださいね。
倉庫作業のアウトソーシングとは
アウトソーシングとは会社で行なっている作業を他社に委託することです。
社内では管理しきれない作業を一部委託する場合もあれば、会社の物流業務を全て委託する場合もあります。
後者は3PL(”Third Party Logistic”、サードパーティー・ロジスティクス)と呼ばれます。
依頼する業者にもよりますが、アウトソーシングではこのような作業を委託することができます。
- 入出荷
- 在庫管理
- ピッキング
- 流通加工
- 梱包
- 発送
倉庫作業のアウトソーシングに向いている企業の特徴3つ
業務を外部委託した方がいいか、しない方がいいかは現在の状況によって異なります。
そこで、倉庫作業のアウトソーシングに向いている企業の特徴をご紹介します。
これ以上業務が増えたら社内で対応できない
あなたの会社では作業量にどれくらいの余裕がありますか?
もし、これ以上作業が増えたら自社内で全て行うのは難しそうだと感じるならアウトソーシングが活用できるかもしれません。
自社内ではできない作業を他社に委託すれば、全体の作業量は増えても社内の作業量は変わらず、従業員に負担を強いらなくてよくなります。
作業ミスがなかなか減らない
一見、関係なさそうに思えるかもしれませんが、作業ミスが多い会社でもアウトソーシングが解決策になることがあります。
ミスが出ないように対策をしているつもりなのになかなか改善しない場合、その原因はあまりに作業量が多すぎて急いで作業をせざるを得なくなっていることにあるかもしれません。
作業の一部をアウトソーシングして作業量が減り、従業員が余裕を持って作業できるようになれば、ミスも減るでしょう。
事業拡大の予定がある
これから事業を拡大していきたいと考えている企業にもアウトソーシングはぴったりです。
物流が増える場合、新しく倉庫を建設して従業員を雇い、新しい倉庫を稼働させるという方法もありますが、アウトソーシングも同様に事業拡大時の対応方法になります。
ぜひ今のうちからアウトソーシングについて知識を深めていきましょう。
倉庫作業をアウトソーシングするメリット6つ
今まで業務を他社に任せることがなかった企業にとってはアウトソーシングの導入はハードルが高く思えるかもしれません。
しかし、アウトソーシングには色々なメリットがあり、企業の売上を上げる一助にもなります。
そこで、物流業務をアウトソーシングするメリットをまとめていきます。
固定費を削減できる
倉庫管理には人件費や在庫管理などあらゆるところに費用がかかります。
しかし、アウトソーシングすればこうした費用が必要なくなり、固定費を削減できます。
当然、アウトソーシングには費用がかかりますが、固定費は毎月払うものだからこそ、少しでも節約できれば長い目で見ると大きな費用削減になります。
アウトソーシングは固定費に悩まされている企業にもおすすめです。
事業拡大時のリスクを下げられる
物流が増えた際に新しい倉庫を稼働させることで対応する場合、建築費や設備費など初期費用が大きくなり、回収すべきコストが高くなります。
一方で、外部委託すれば初期投資が少なくなるため、事業拡大時のリスクを下げることができます。
物流のスピードが上がる
自社以外でも作業が行われるようになれば、同じ時間でできる作業量が増え、物流のスピードが上がります。
出荷量が増えれば売上に直結します。
また、作業を委託する業者は物流を専門としているため、スタッフが訓練されており、作業スピードも非常に早く頼もしいです。
繁忙期にも対応できる
倉庫管理において問題が生じやすい時期といえば繁忙期ではないでしょうか。
管理する荷物の量が増えるため、荷物の置き場や人員の確保など課題が山積みになります。
繁忙期を見越して広い倉庫を利用し、従業員を多く雇うという方法もありますが、あまり忙しくない時期には倉庫も人員も余り、余計なコストがかかってしまいます。
もし、繁忙期に一時的に増える業務をアウトソーシングすれば最低限のコストで繁忙期に対応することができます。
人材育成の必要がない
業務量が増えると新しい人材を確保する必要があります。
新しい人材を雇ったとき、業務を覚えてもらうために教育が必要です。
その際には教育係がつくことで一時的に人手が減ってしまいます。
また、新人は作業スピードが遅く、ミスをしやすいといいう特徴があります。
このように、新しい人材が入ると作業の効率が落ちてしまいます。
一方で、アウトソーシングを活用すれば新しい人を雇う必要がなくなるので、効率を落とすことなく作業を進められます。
業績アップのチャンスを逃さない
作業を全て自社内でこなそうとすると、人員や倉庫環境によって限界が生じ、せっかく受注量を増やす機会があっても対応できない可能性があります。これは非常にもったいないです。
受注量を増やせる機会が来たら、外注を活用して、売上を伸ばしましょう。
倉庫作業をアウトソーシングする際の注意点4つ
固定費や初期費用を削減できる、繁忙期にも対応できるといったメリットがあるアウトソーシングですが、いくつか注意点もあります。
上手く活用できるよう、アウトソーシングの注意点を最後にまとめていきます。
アウトソーシングしないほうがコストを抑えられることも
様々な費用を抑えられるアウトソーシングですが、委託する業務の規模によっては外注するよりも自社で行った方が安く済む場合もあります。
そこで、アウトソーシングをする際には作業を自社内で行った際のコストを計算し、どちらの方が安く済みそうかシミュレーションしてみましょう。
人材の育成が出来ない
先ほど、人材育成の必要がなくなることをメリットの1つとしてお伝えしました。
しかし、これがデメリットになることもあります。
特に、物流業務を丸ごと他社に委託した場合は、社内に物流業務の経験がある人や物流に詳しい人が居なくなってしまいます。
作業全体をアウトソーシングすることを考えている場合はこのデメリットをよく理解しておきましょう。
目が行き届かない
自社で全ての作業をしていれば時に現場の様子を見に行くことで仕事ぶりを確認することができます。
一方で、アウトソーシングすると作業が別の拠点で行われるため、なかなか目が行き届きません。
そのため、「きちんと作業しているだろうか」、「丁寧に商品を扱っているだろうか」といった不安が生じることもあります。
トラブル発生時の対応を決めておく
物流業務は人の手によって行われるため、どうしても配送違いや商品破損などのトラブルが生じることがあります。
そこで、トラブルが発生した際に責任をどちらがどのようにとるのかといった対応方法をあらかじめ相談して決めておきましょう。
まとめ
倉庫のアウトソーシングとは入出荷、在庫管理、配送などの物流業務を一部、または全て他社に委託することです。
新しい拠点を1から作る必要がないので、建築費や人件費などあらゆるコストを減らすことができます。
また、出荷量が増える分、売上も上がるため、業績アップにも繋がります。
今はアウトソーシングの必要がなくても、これから事業拡大に伴って必要になることもあるかもしれないので、ぜひ選択肢の1つとして覚えておきましょう。