この章では次の内容をまとめています。
・地鎮祭とは?
・地鎮祭の重要性
・工場・倉庫の地鎮祭の当日の流れ
工場や倉庫の建設を行う予定で、地鎮祭を控えているが具体的にどのような準備をしたらいいか分からないという方が知っておくべきことを全てまとめました。
地鎮祭とは?
建物を建てる土地の神様に土地を使う許可をいただき、工事の安全や成功、また建物の利用者の繁栄を祈る儀式のことです。
建設工事が始まる前に行われます。
工場や倉庫だけでなく、その他の用途の建物や、一般の住宅の建設を始める際にも地鎮祭が行われます。
工場・倉庫にとっての地鎮祭の重要性3つ
この章では工場や倉庫にとって地鎮祭が重要な理由をご紹介します。
①建設への不安を減らす |
②工事関係者と交流する場になる |
③知事・市長が参加することも |
建設への不安を減らす
地鎮祭は昔から行われてきた儀式で、今も風習として残っていますが、絶対に行わなければいけないものではありません。
しかし、もし行わなければ「地鎮祭をしなかったせいで大きな事故が起こったらどうしよう」と不安に感じる場合もあるでしょう。
儀式としてきちんと地鎮祭を行うことは不安を減らすことにも繋がります。
弊社でも建設工事に入る前に地鎮祭を執り行っています。
工事関係者と交流する場になる
地鎮祭では依頼主や施工業者だけでなく、設計者や工事に携わる職人など、様々な人が参加します。
そのため、工事関係者と接する機会にもなります。
建設に携わる人と直接コミュニケーションをとり、顔を見ることで安心できます。
知事・市長が参加することも
工場や倉庫の地鎮祭に知事や市長が参加する例もあります。
こうした立場の人が地鎮祭に参加すれば地域社会との繋がりを強化でき、稼働後も地域と良好な関係を築くことができます。
また、メディアに取り上げられる機会となり、企業の知名度や信頼性が上がる効果も期待できます。
工場・倉庫の地鎮祭の当日の流れ
この章では工場や倉庫の地鎮祭の当日の流れをご紹介します。
①設営 |
②神主さんと打ち合わせ |
③受付 |
④地鎮祭本番 |
⑤近所への挨拶回り |
設営
まず、地鎮祭を行う場所を用意します。
一般的にはテントを建て、その周りを幕で囲み、簡易的な建物のようにします。
神主さんと打ち合わせ
地鎮祭を執り仕切る神主さんと打ち合わせを行います。
ここで式について説明を受けます。
神主へのお礼のお金となる初穂料はこのときに渡す場合が多いです。
受付
参加者の受付を行い、席を案内します。
地鎮祭本番
式の長さは30分ほどです。
具体的な式の流れは以下の通りですが、あくまでこちらは例で、詳しい呼び方や流れは場合によって違うこともあります。
修祓の儀
参列者やお供え物を祓い清めます。
降神の儀
神主が神様を迎え入れます。
献饌
お供え物を神様に献上し、食べていただきます。
このとき、酒や水の蓋が取られます。
祝詞奏上
祝詞により神様にその土地で建物を建てることを告げ、工事の安全を祈ります。
四方祓
神主が土地の四隅に塩、米、切麻などを撒き、祓い清めます
地鎮の儀
神様に着工を告げる儀式で、施主も参加します。
玉串奉天
工事が無事に完了するように祈る参加者ひとりひとりの心を神様に捧げる儀式。
玉串を神様に奉納します。
撤饌
献饌で献上したお供え物をお下げします。このとき、酒と水には蓋をします。
昇神の儀
神様を送り出す儀式です。
直会
お供え物を参列者でいただきます。
お酒を一同でいただいたり、場所を変えて食事会をしたりと、様々な方法があります。
近所への挨拶回り
式が終わった後は粗品を持って近所に挨拶回りを行います。
挨拶回りでは工事中に騒音や振動によってご迷惑をかけることをお詫びし、工事のスケジュールについて説明を行います。
工場・倉庫建設での地鎮祭で準備すべきもの6つ
この章では地鎮祭を行うにあたって準備すべきものをご紹介します。
①初穂料 |
②設営に必要なもの |
③お供え物 |
④儀式に必要なもの |
⑤挨拶回りで配る粗品 |
⑥直会での飲食費 |
初穂料
神主への謝礼金です。
玉串料と呼ばれることもあります。
のし袋に入れ、地鎮祭当日に神主に渡します。
また、初穂料とは別に神主へのお車代が用意される場合もあります。
設営に必要なもの
地鎮祭を行う場所を用意するのに必要な資材や道具を準備する必要があります。
資材の準備から設営までは業者が行うのが一般的です。
お供え物
神様へのお供え物は様々な種類があります。
米、塩、水、酒、野の幸、山の幸、海の幸などがあります。
野の幸、山の幸、海の幸は数種類用意します。
酒は一升瓶2本を用意するケースが多いです。
儀式に必要なもの
榊、枡、湯呑など、儀式に必要な細かい備品も準備しなくてはいけません。
また、椅子やテーブルも必要です。
施主、施工業者、神社で準備すべきものがそれぞれ異なるため、誰が何を用意するのか事前によく確認しておきましょう。
挨拶回りで配る粗品
地鎮祭の後に近隣に挨拶回りを行うため、その際に渡す粗品の準備も必要です。
予算は1000円くらいが目安で、お菓子やタオルのような気兼ねなく受け取れて、もらっても困らないものを選ぶといいでしょう。
直会での飲食費
地鎮祭後に場所を変えて宴会を行う場合は飲食費も必要です。
工場・倉庫建設での地鎮祭に必要な費用
地鎮祭で必要な費用の例をまとめました。
こちらはあくまで目安の金額で、地鎮祭の規模や地域によって詳しい費用は異なります。
初穂料(玉串料) 3~5万円
お車代 5,000〜1万円
お供え物代 5,000~1万円
設営・レンタル費用 3~5万円
挨拶回りの粗品代 5,000~1万円
地鎮祭でののし袋の選び方・書き方
地鎮祭では神主さまへのお礼として初穂料をのし袋に入れて渡します。
のし袋は蝶々結びのものを選びます。
蝶々結びは繰り返し結べることから、お祝い事に使われます。
上袋の上側には「初穂料」や「玉串料」と書き、下側にはそれよりも少し小さい字で施主の名前を書きます。
工場や倉庫のように会社で出す場合は代表者の名前を書きます。
中袋には表に初穂料の金額を旧漢字で記入し、裏側には左下に住所と名前を記入します。
工場・倉庫建設の地鎮祭での服装は?
地鎮祭での服装は神様にお祈りする儀式ということもあり、フォーマルやセミフォーマルが望ましいです。
男性ならスーツにネクタイ、女性はスーツや落ち着いた色のワンピースが好ましいでしょう。
知事や市長といった方々が参加するケースもありますし、地鎮祭後には近所に挨拶回りを行うため、きちんとした格好をしておくと安心です。
また、夏場は涼しい素材の服を選んだり、冬はコートを用意したりと、季節に合わせて調整することも大切です。
工場・倉庫建設での地鎮祭について知っておくべきこと3つ
この章では工場・倉庫が地鎮祭を行う場合に知っておくべきことをご紹介します。
①地鎮祭にかかる費用は建築費に含まれていることも |
②適切な費用は地域によって異なる |
③地鎮祭用のお供え物はネットでも買える |
地鎮祭にかかる費用は建築費に含まれていることも
先ほど、地鎮祭に必要な費用の目安をご紹介しましたが、この費用は建設費の中に含まれており、追加で費用を支払う必要はないこともあります。
そこで、地鎮祭の準備に入る前に、契約書を見たり、担当者に聞いたりして、費用は誰が払うのかを確認しましょう。
ちなみに、地鎮祭の費用が建設費の中に含まれている場合でも、お供え物や初穂料など、一部の費用は施主が支払わなくてはいけない場合があるので、「誰が何を払うのか」「施主は何を用意すれば良いのか」をはっきりさせましょう。
適切な費用は地域によって異なる
地鎮祭の準備をするにあたって必要な費用は地域によって異なります。
そのため、準備が始まったら知り合いや建設会社の担当者などに適切な金額を聞いておくと安心です。
ちなみに、初穂料は地域によって相場が違うこともあれば、神社が指定する金額がある場合もあります。
地鎮祭用のお供え物はネットでも買える
地鎮祭のお供え物は施主が用意することも多く、具体的に何を用意すれば良いのか迷うこともあるでしょう。
ネットではお供え物のセットが販売されているので、1つ1つ準備するのは大変という方はこちらを利用しても良いでしょう。
まとめ
地鎮祭は工事の安全や会社の繁栄を祈る大事な儀式です。
何度も経験するものではないため、詳しいことが分からず不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、地鎮祭は全て施主が準備するものではなく、神社や施工主と役割を分担します。
そのため、分からないことがあればその都度確認し、協力して当日を迎えましょう。