知っておこう!悪天候で建築工事作業が中止する5つの安全基準

建築工事は、屋外での作業がメインで悪天候が続くと工期に影響が出てしまいます。
事故防止、資材への影響を考えれば雨や風による作業の中止は、やむ得ないことです。

これからの季節、雨や強風による作業中止が増えることは間違いありません。
どんな作業に影響があり、その中止となる悪天候の基準について調べてみました。

雨で中止になる作業

日本の悪天候で一番作業に影響するのは、「雨」です。
建物ができるまでには、様々な職人が作業を行うので、現場監督により工程期間が決められます。
納期に余裕があれば、それぞれの作業で急かされることもありませんが、悪天候で何日も中止が続くと、予定は崩れ次の作業へも影響が出てしまいます。

特に6月は、梅雨に入り長雨が心配される季節です。
どんな作業に影響があるのでしょうか?

塗装工事

塗装は、建物の外壁や屋上を保護・防水するために行います。そのため雨の中では作業することが無理なので、高い確率で作業が中止となります。

タイル張り

建物の外壁、玄関など外構にタイルを張る作業です。
これは、屋外で行う作業なので、作業が中止となります。しかし、屋内や屋根のある場所だと納期によっては作業する場合があります。

足場解体

作業用に組まれた足場の解体です。
基本的は雨でも作業をする場合が多いのですが、狭い現場、現場周辺の状況(駅近くなど)や元請けの要請によっては、作業が中止になります。

また、鳶職の作業は高所が多いので、雨ではなく風による作業中止も考えられます。

掘削(くっさく)工事

掘削とは、工場や倉庫など建物に応じて土地を掘ったり削ることをいいます。
基礎工事として大事な作業です。

  • 土地に穴を掘るため、雨降りの場合は地盤もゆるく土砂が崩れる
  • 掘った土を運び出すダンプが通ると、道路が汚れる

上記の理由で雨降りの場合は、中止となる確率が高くなります。

型枠加工

鉄筋コンクリートの建物の場合、柱や壁となるコンクリートを流し込むために型枠を作ります。
事前に計測を終え、木製の板を加工して現場で組み立てます。

雨の中でも作業はできますが、電気工具を使用することがあり感電の恐れがある場合には、作業を中止することがあります。

このように、雨が降ることで多くの作業が中止となり職人は仕事になりません。
他にもコンクリートを流して固める作業では、作業当日だけでなく固めるために晴天が続くタイミングを予測する必要があります。

日々の朝礼や打ち合わせでは、ほとんどの現場で天気予報を確認して伝える業務があります。
作業や工程に影響がでる建築現場では、欠かせないことです。

また、現場での作業だけでなく、周辺の状況や道路などへの配慮から作業中止を決定することがあるのも、最後まで円滑に作業するためには必要なことです。

法令による安全基準

悪天候の場合、現場の状況や元請けの要請で作業を中止することがありますが、それ以外にも、「労働安全衛生法」によって作業を中止する基準が定められています。

労働安全衛生法について

職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする法律です。労安衛法は、安全衛生管理体制、労働者を危険や健康障害から守るための措置、機械や危険物・有害物に関する規制、労働者に対する安全衛生教育、労働者の健康を保持増進するための措置などについて定め、職場の安全衛生に関する網羅的な法規制を行っています。

独立行政法人労働政策研究・研修機構:http://www.jil.go.jp/rodoqa/08_eisei/08-Q01.html

この法令で定める「安全基準」とは、下記のようなことを示しています。

  • 機械の危険・有害・取り扱い説明
  • 安全装置の点検・取り扱い手順
  • 事故時の避難方法
  • 職場の整理整頓・清潔の保持

つまり、労働者が仕事に従事することで起こりうるリスクを回避するための安全基準について規定されています。

建築工事における安全基準

建築工事においても悪天候による安全基準が規定されています。
悪天候としてあげられるのは、「強風・大雨・大雪・地震・暴風」です。
自然災害は、人間が思う以上に危険であり予測がつきません。しっかりポイントを抑えて理解しておきましょう。

悪天候による作業中止の安全基準

建築工事の現場にもいろいろあります。
今回は、下記2つに該当する建築現場を基準としています。

  • 足場の高さが2メートル以上の作業
  • 強風・大雨などによって危険が予想される

こうした建築現場の状況において、悪天候による安全基準に該当する場合は、労働者を従事させることができません。

強風・暴風による作業中止

・強風の基準・・・10分間の平均風速が毎秒10メートル以上
風速10メートルの中では、歩くことは困難で自転車だと前に進むのが精一杯です。

・暴風の基準・・・瞬間風速が30メートルを超える
外に出ることは危険です。
屋根が飛んだり、電柱が倒れてもおかしくありません。

大雨による作業中止

・大雨の基準・・・降雨量が50mm以上
気象庁の基準は、1時間の雨量で、30mm以上〜50mm未満を激しい雨、50mm以上〜80mm未満を「非常に激しい雨」と表現されます。

作業が中止になる降雨量が50mm以上では、

  • 傘を差しても濡れる
  • 道路に水が貯まり川のようになる

このような状況が予想され、降り続けることで土砂崩れも予想されます。

大雪による作業中止

・大雪の基準・・・降雪量25cm
雪が降り積もると視界も悪くなり、大雨での作業と同じように、感電などの危険があります。
また、雪に慣れていない地域では、少しの積雪でも道路の凍結や交通機関の乱れも考えられ、現場までたどり着くことも困難です。

地震による作業中止

・地震の基準・・・震度4以上
震度4程度になると、

  • 物が落下する
  • 歩行・運転中でも揺れを感じる

大雨や大雪のように天気予報を見ることで、ある程度の予測もできますが地震は作業中に発生することもあります。高所での作業の場合は、地震を想定した安全対策が必要です。

作業を再開する前に点検と記録

悪天候後に作業を再開する前に、必ず現場の状況を確認して、機材や建築中の建物の点検を行いましょう。

目に見える故障や破損だけでなく、細部まで確認する必要があります。

  • 足場・作業構台の点検
  • 屋外クレーン・リフト等の点検
  • これらに伴うボルトの緩みの点検

安全であれば、スムーズに作業が行えます。建築現場では普段から「安全第一」を掲げていますが、こうした悪天候の後は念入りに行ってください。

また、点検したことを記録することで、安全であることが周知にも伝わるので、事故防止となります。

番外:熱中症対策も忘れずに

労働者安全衛生法には、労働者の作業環境についても触れています。
これからの季節、建築現場で心配されるのは「熱中症」です。日光を全身に浴びることで体内に熱がこもり体力が奪われていきます。
主な症状としては、めまい・吐き気・頭痛などあります。

熱中症は、適切な処置が遅れれば命を落とすこともあり、また、高所でめまいを起こせば転落の危険性もあります。
最悪な状況を避けれるように、熱中症の予防対策をしていきましょう。

  • 現場の天気予報を確認する
  • 水分・塩分の補給
  • 意識して休憩を取る
  • 十分な睡眠を取る

悪天候だけでなく、晴天であれば労働者の体調にも影響があることを知っておきましょう。

まとめ

屋外の建築工事では、悪天候による作業中止は避けることができません。
安全面から考えると仕方のないことです。

しかし、悪天候だからといっても安全基準以下であれば、作業を続ける場合も考えれます。
そんな時には、屋内での作業や別の場所で資材の加工など、できる作業を確実に行なっていきましょう。
自然を前に私たち人間は無力です。無理だけはしないでくださいね。

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