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工場を建てるとき、忘れてはいけない申請や届出についてのまとめ

工場を建てるとき、忘れてはいけない申請や届出についてのまとめ

建物を建てる時には、その建物が住宅であっても工場であっても必要な申請や届出があります。
申請・届出は「土地に関すること」と「建物に関すること」の大きく2つにわかれます。
今回は工場を建てる時に上記の2つに関する必要な申請・届出についてみていきましょう。

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目次

土地に関する許可申請

まず知っておかなければならないのは工場がどんな土地にでも建てられるわけではないということです。原則として、工場が建設できるのは「都市計画域内」の土地になります。そして、「都市計画区域内」の土地はさらに細かく「市街化区域」「市街化調整区域」の二つに分かれます。

「市街化区域」とは

すでに市街地を形成している区域(既成市街地)、または、今後10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域のことです。ちなみに市街地とは、住宅や商店・ビルなどの建築物が立ち並んだにぎやかな土地のことで、農地や森林などは見られない区域のことを指します。

「市街化調整区域」とは

市街化が進まないよう抑える区域で、人が住むためのまちづくりを行う予定のない区域のことを指します。農地や森林を守ることに重点が置かれ、許可を得た場合を除き、原則として建物を建築することができません。ただし、「市街化調整区域」内でも、幹線道路沿いのガソリンスタンドやコンビニのように建築可能な特例もあります。

都市計画区域内で工場を建てる場合、まず初めに開発行為(かいはつこうい)を行わなければなりません。開発行為とは、建築物やその他のもの建設のために、

  • 区画の変更(道路や水路などを新設・拡幅・付替え・廃止する行為)
  • 形状の変更(造成などで土地の形状を変える行為)
  • 性質の変更(農地・山林などの土地を、建築物を建築するための敷地に変更する行為)

のいずれかを行うことをいいます。簡単にいうと土地の区画形質の変更(造成)を行うことを指します。

これに関して原則として、都道府県知事の許可が必要になります。この許可を得るために行うのが「開発許可申請」です。

「市街化区域内」に工場を建築しようとする場合1,000平方メートル以上(首都圏・近畿圏・中部圏などの一定の区域では500㎡以上)の開発行為となるときは、「開発許可申請」を行わなければなりません。
ただし、この開発面積は都道府県知事等により300㎡まで引き下げ可能なので、工場建設を予定する対象物件地における実際の規制を各自治体で調べましょう。

「市街化区域内」における「開発許可申請」は一般的な許可基準を満たしていれば許可されます。

また、「市街化調整区域」の場合は、面積に関する除外規定がないので、どんな小さな開発行為でも「開発許可申請」が必要になります。
開発行為は、周辺地域に影響を与えるため、「開発許可申請」にあたっては、事前に自治体との事前協議が必要です。

「開発許可申請」には、開発行為完了後の土地に建てる予定建築物を記載します。開発が許可されたときは、現地に開発行為許可標識を設置します。
開発工事が完了したら完了検査を行い、許可内容に適合していれば検査済証を交付し、工事完了公告を行います。この工事完了公告がなされて初めて、建物の建築に移ることができます。

建築に関する許可申請

土地の「開発行為」が完了し、晴れて工場を建設しても良い土地になったならば、次は同じ自治体に「建築確認申請」を行ないます。
この「建築確認申請」は自分の建てる工場の建築計画が建築基準法に適合するかどうか、申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けるものです。提出の際には、危険物、換気、排煙、非常用照明、浄化槽、給排水、避雷設備、所轄消防の同意書なども必要になります。
この「建築確認申請」が通らないと工事を着工させる事は出来ない、とても重要な申請になります。

「建築確認申請」のパターンは非常に多く、自治体によって少しず条件が違うこともあります。
例えば、「床面積の合計が100㎡平方メートルを超える建築物は、建築確認申請の対象となる」や、「2階建て以上もしくは延べ床面積が200平方メートルを超過する木造以外の建物」とか「都市計画区域もしくは準都市計画区域における増改築移転や新築」といった条件などがあります。
よって、自分が建てようとしている工場を自治体の基準としっかり照らし合わせる作業が必要になります。

また、「建築確認申請」の審査期間には、2ヶ月以上かかる場合も少なくありません。計画の変更の場合でも、そこからまた同じ期間を要したりもします。

しかし、この審査が通らなければ法的に正しい建築物とは見なされませんので、結果が出るまでは着工できないので、工場稼働までの時間をしっかり逆算することがとても重要になります。

その他の申請、例えば岡崎市の場合

建築基準法に則った「建築確認申請」は申請の基本となりますが、その他に自治体別に様々な届出や申請が必要な場合があります。例えば、愛知県岡崎市で工場を建設、開業する場合だと以下のような届出が必要になります。

・ダイオキシン対策特別措置法関係届出・報告書
・特定工場組織法・県条例関係の届出書
・土壌(土壌汚染対策法・愛知県条例・岡崎市条例)関係報告・届出様式
・水質汚濁防止法の届出
・県条例(大気)の届出
・環境保全協定関係の様式
・市民環境目標関係の申請・報告様式
・PRTR法・県条例の届出書等
・騒音振動(事業所設置施設)の届出
・大気汚染防止法の届出
・地下水の揚水に関する県条例の報告書
・特定建設作業実施届出書
・悪臭関係工場等届出書

ひとつひとつ説明すると長くなりますので詳細は省きますが、岡崎市では以上のような届出が必要になります。(内容の詳細が知りたい方は岡崎市のウェブサイトを御参照ください。)もちろん、全ての事業者に全ての届出が必要なわけではなく、事業内容によって必要な届出が変わります。
岡崎市を例にとりましたが、全国の自治体それぞれで必要な届出は変わりますので、工場建設予定地の自治体の窓口で必要な届出・申請を必ず確認するようにしてください。

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まとめ

ここまで、土地に関する「開発許可申請」、建設に関する「建設許可申請」の大きな2つの申請についてみてきました。ご理解いただけましたでしょうか?
最後に情報として付け加えたいことが二つあります。

ひとつ目が、「居抜き物件の使用ならば、許可申請の手間を省略できることもある」ということです。既存の設備や建物を利用する「居抜き」の購入や賃貸を行なえば、すでに「土地」に関してはクリアしている場合がほとんどなのでほぼ省略できます。建物に関しても同じ事業なら省略できる点も多いです。今回紹介した「建屋・工場等に関する許可」の申請手続きを省けます。

ふたつ目は工業団地への入居です。自治体によって、工場を集中して招致している工場団地を作っている場合があります。そこであれば、かなりの申請・届出を省略することができるようになっています。

以上の二つを利用する場合であれば、工場建設における初期コストを抑えることも可能なので検討してみてもよいと思います。

いずれにせよ、工場建設を考えたときには、自治体へ必要な申請と届出について必ず確認に行くこと、また、審査に時間がかかることが多いので早めに相談に行くことが重要です。また、ややこしい手続きも多いので土地の選定も含めて最初から専門知識のある建設会社に相談するのもオススメします。

 

 

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