この章では次の内容をまとめています。
- 建設前にできる冬の寒さ対策
- 建設後でもできる冬の寒さ対策
- 冬の寒さ対策をすべき理由
厳しい寒さの冬でも従業員が快適に働ける環境を作りたい工場・倉庫が知っておくべきことを全てまとめました。
工場・倉庫が建設前にできる冬の寒さ対策4つ
この章では工場・倉庫が建物の建設前にしておくべき寒さ対策をまとめました。
1 | ビニールカーテンを設置する |
2 | 外壁や屋根に断熱材を入れる |
3 | 遮熱シートを設置する |
4 | 冷えにくい土地を選ぶ |
ビニールカーテンを設置する
ビニールカーテンを設置すると、暖かさを保つことができます。
なぜなら、カーテンによって広い空間を区切ると、暖かい空気が逃げずにそこに留まるからです。
また、冷気が入ってくることもありません。
工場や倉庫は空間が広いため、ビニールカーテンの効果はとても大きいです。
また、ビニールカーテンは簡単につけられるので、設置にあまり費用がかからないという魅力もあります。
移動の際に毎度避けなければいけないというデメリットはありますが、寒さ対策には効果的です。
外壁や屋根に断熱材を入れる
建設の段階で外壁や屋根に断熱材を入れておくと、冬でも過ごしやすくなります。
普通、工場や倉庫は外の気温の影響を受けやすく、夏は暑く、冬は寒くなりやすいです。
そこで、断熱材によって外からの熱が伝わりにくくすることで、快適に過ごせるようになります。
断熱材は建設後に入れることもできますが、建設と同時に施工した方が楽ですし、工事のために稼働を止めなくてよくなります。
厳しい気温になりやすい工場や倉庫だからこそ、断熱材の導入を考えてみましょう。
遮熱シートを設置する
遮熱シートとは輻射熱を逃さないようにするものです。
このシートを活用することで、建物の中の熱が外に逃げるのを防ぐことができます。
例えば、遮熱シートで作業場を囲むと、輻射熱が反射し、暖かい温度を保てます。
また、遮熱シートは屋根に取り付けることで、夏に温度が急激に上がることを防ぐこともできます。
つまり、夏にも冬にも快適な気温にするのに役立ってくれるアイテムです。
屋根、壁、暖房機器など、いろいろなところに設置できるので、どこに導入するか考えてみましょう。
冷えにくい土地を選ぶ
土地選びの際に冷えにくい場所を選ぶという方法もあります。
冷えやすい立地には次のようなものがあります。
- 周りにあまり建物がない
- 山など冬に雪が降りやすい場所
建設地を考える際に、ぜひ冷えやすい場所かどうかも考えてみましょう。
工場・倉庫が建設後でもできる冬の寒さ対策3つ
この章では工場・倉庫が今からでも導入できる冬の寒さ対策をまとめました。
1 | 暖房をつける |
2 | クッションシートを敷く |
3 | 防寒着を支給する |
暖房をつける
エアコンやストーブといった暖房機器を使えば気温を上げられます。
エアコンは埃が溜まっていると稼働効率が悪くなってしまうので、定期的に清掃しましょう。
また、ストーブは持ち運びやすいものを導入すれば、必要な場所に簡単に移動させることができます。
暖房器具を使う場合は火事の原因にならないよう、慎重に扱いましょう。
工場や倉庫は原材料や製品など、いろいろなものを保管しているため、火事になった際の損失は非常に大きいです。
クッションシートを敷く
クッションシートとは床に敷くマットのことです。
冬の工場や倉庫は床から冷えやすいので、直接床の上で作業するのではなく、クッションシートの上に乗るだけで、冷えが和らぎます。
また、弾力のあるシートの上で作業をすることで、足の疲れが軽減する効果もあります。
床に敷くだけで対策でき、とても導入しやすいアイテムです。
防寒着を支給する
会社から防寒着を支給し、それぞれ必要に応じて着てもらうという方法もあります。
冷凍倉庫や冷蔵倉庫がある企業では既に導入しているかもしれません。
防寒着は多くの種類があるので、条件に合うものを見つけましょう。
選ぶ基準としては次のようなものがあります。
- 動きやすさ
- 保温性
- 吸水性
- 速乾性
- 値段
- デザイン
工場・倉庫が冬に寒くなる理由4つ
この章では工場や倉庫が冬に寒くなりやすい理由をまとめました。
1 | 冷気が下に溜まるから |
2 | コンクリートが使われているから |
3 | 広い建物では全体を暖めるのが難しいから |
4 | 品質維持のため暖房をつけられないから |
冷気が下に溜まるから
通常、暖かい空気は上に、冷たい空気は下に行きます。
工場や倉庫は広い空間になっていることが多く、一度床付近に冷気が溜まると、循環させることが難しいです。
そのため、従業員は足元から冷えを感じやすくなります。
床付近の冷気対策にはクッションシートの導入がおすすめです。
コンクリートが使われているから
工場や倉庫の建物にはコンクリートが使われていることが多いです。
コンクリートは熱伝導が良いので、建物内の暖かい空気が外に逃げやすく、冷気を伝えやすいです。
つまり、冬は寒くなりやすいという特徴があります。
そのため、様々な方法を用いて寒さ対策をするのが理想的です。
広い建物では全体を暖めるのが難しいから
寒さを和らげるためにストーブなどの暖房機器を使うという方法もありますが、工場や倉庫は天井が高いので、空間の全てを暖めることが難しいです。
結果、作業スペースが寒くなるという状況が発生してしまいます。
製造に使う機械を置いたり、原材料や製品を大量に保管したりしなければいけないので、天井の高い構造を避けることはなかなか難しいです。
そのため、冬は寒くなりやすいという前提で対策をする必要があります。
品質維持のため暖房をつけられないから
工場や倉庫で扱う製品の中には一定の温度下で管理しなければいけないものがあります。
例えば、冷凍食品や魚介類など冷蔵や冷凍で保管しなければ腐るものはその代表です。
また、工場ではある温度帯で管理しなければ腐りやすい原材料を扱っている場合もあるでしょう。
こうしたケースでは冬でも一定の温度から上げることができないので、現場が寒くなってしまいます。
この場合、防寒着を支給したり、各自で着込むなどの対策をすると、寒さがマシになります。
工場・倉庫が冬の寒さ対策をすべき理由3つ
この章では工場や倉庫が冬の寒さ対策をすべき理由をご紹介します。
1 | 作業効率を下げないため |
2 | 従業員が体調を崩すのを防ぐため |
3 | 従業員のモチベーションを維持するため |
作業効率を下げないため
あまりに寒いと従業員の作業効率が下がってしまいます。
気温の低さに意識が行くことで目の前の作業に集中できず、ミスが起こる可能性もあります。
作業効率が下がれば当然、売上に影響しますし、ミスが起こればその対応に追われてしまいます。
そこで、企業のためにも、社員が集中して作業にあたれるようにするためにも寒さ対策は必要です。
対策には新しいアイテムを購入したり、屋根や外壁を工事したりと費用がかかりますが、得られるメリットは大きいので、ぜひ積極的に取り組みましょう。
従業員が体調を崩すのを防ぐため
企業が冬の寒さ対策をすべきなのは現場の作業員の健康を守るためという理由もあります。
冬はただでさえ風邪を引きやすい時期です。
そんな中、長時間寒い環境で作業をしていたら体調を崩してしまうのは想像に難くありません。
社員が具合を悪くして休みを取れば作業が進まなくなります。
何よりも、従業員は調子が悪くなればとても辛い思いをします。
企業の資本である従業員の体を健康に保つためにも、冬でも快適な環境を作りましょう。
従業員のモチベーションを維持するため
毎日のように寒い職場で働けば、従業員のモチベーションは落ちてしまいます。
冷蔵倉庫や冷凍倉庫など、意味があって寒い環境なら納得しますが、そうでない現場で寒さ対策がされていないと、単純に寒さで気持ちが落ち込んでしまいますし、何も対策をしない会社に対して不満を持つことも考えられます。
こうした不満が募れば、最悪の場合、退職に繋がることも考えられます。
反対に、従業員が快適に働ける環境を作ろうと企業が動き、実際にそれが実現すれば会社に対して良いイメージを持つはずです。
まとめ
工場や倉庫は天井が高くて空間が広く、コンクリート製ということもあり、冬には気温が下がりやすくなります。
冬の寒さが厳しければ、従業員は集中力が下がりますし、何も対策をしてくれない会社に対して不満を募らせます。
こうした事態にならないためにも、屋根や外壁に断熱材を入れたり、床にクッションシートを敷いたりと、出来る対策をしましょう。
1つだけでなく、様々な対策を取り入れることで、より暖かい建物にすることができますよ。