建物の解体は意外と大変です。
建設時に様々な申請を手続きをしたように、解体時にも簡単に壊せるものではありません。
解体に大変な思いをしたり、解体に費用がかかることを理由に、居抜き物件として店舗やテナントを利用する業者も増えてきました。
しかし、鉄骨倉庫となると同じようにはいきません。大きな空間、天井をカフェや家具店としてリノベーションすることも一時的に流行りましたが、大きな物件の維持費がかかること、空調や電気、水回りなどの勝手が違うため、入居を希望する業者は多くありません。
そこで今回は、鉄骨倉庫を解体する時の費用について、算出の仕方、解体解体費用を安くするポイントなどをご紹介していきます。
鉄骨倉庫を放置しておくのは危険
建物が空き家として放置されるところをよく見かけますが、そこにはすぐに壊せられない問題があるからです。一つには税金の問題です。税金対策として壊さないということ。また、逆に壊して新しく建て直したいとしても、法律によって建設ができないという場合もあります。
なかなか思うようにいきませんが、どんな状況であっても、費用が最大のネックになっていることは間違いありません。
しかし、どんな理由があっても、鉄骨倉庫をそのまま放置しておくのは非常に危険だということも忘れないでほしいのです。
鉄は錆びると危険
鉄骨は年数を重ねるごとに老朽化していきます。少しでも経年劣化を避けるために、建物として利用しているうちは定期的なメンテナスがされています。けれど、倉庫として利用しなくなるとメンテナンスは止まり、急速に劣化が始まります。
鉄骨の劣化で怖いのは錆びることです。鉄は、天候や風土によって少しずつ錆びてしまいます。これは性質的に仕方のないことですが、鉄が錆び始めると強度が落ちてもろくなるため、建物は崩れやすい状態になります。
万が一、鉄骨倉庫を放置しておくと、トラブルの原因にもなることも忘れずにいてください。
鉄骨倉庫の解体について
実際に解体工事をするためには、様々なことを知っておく必要があります。
・解体工事費用の算出方法
・付帯工事の有無
・業者との打ち合わせと見積もり
解体工事の費用が高いと聞くだけで、実際にはわからないことの方が多くあります。そのために情報の整理して、業者との打ち合わせで困らないように理解しておきましょう。
解体工事費用の算出方法
解体工事の費用の決めたは二つあります。
・鉄骨倉庫の状態
・坪数
この二つによって、解体工事の費用に違いが出てきます。
鉄骨倉庫の状態
皆さんは、どちらの状態の鉄骨倉庫の方が安価に工事ができると思いますか?
1.建設されてから15年ほど経過している。定期的にメンテナンスを入れており、柱に傾きはない。
2.建設されてから15年ほど経過している。メンテナンスしておらず錆が目立ち、柱が傾いている。
答えは「1」です。
「2」の方が、簡単に壊れて工事が楽なのでは?と考えた方もいらっしゃると思います。確かに錆が目立つということは、鉄骨のきょうは落ちているので簡単に壊すことができます。
しかし、解体は簡単だとしても、その現場で自分が工事に入ることを考えてみてください。どこの柱が崩れ、天井や階段が落ちてくるかもしれない状況です。非常に危険だと思いませんか?
そんな危険な現場で作業をするとなれば、安全に解体工事をするために別の作業が必要となります。つまり「今にも崩れそうな鉄骨倉庫の方が費用が高い」のです。
坪数
こちらは鉄骨倉庫の状態より、算出方法のイメージがつきやすいと思います。建物が大きいほどに費用は高くなります。
問題は「大きさを把握しているか?」です。ほとんどの人が忘れている可能性が高いです。曖昧なまま、おおよそのサイズで話を進めてしまうと、後で話したサイズより小さいと分かれば金額的に損をしてしまうこともあります。
鉄骨倉庫の大きさは、こちらの計算式で目安を出してみましょう。
高さ + 幅 + 奥行き=鉄骨倉庫の大きさ
建物が大きいので、簡単に計算できるものではありませんが「知らない」、「わからない」ということが多いと、業者側に足元を見られます。対等な立場で話し合いができるように、鉄骨倉庫の大きさ、坪数をきちんと確認しておきましょう。
付帯工事の有無
付帯工事とは、建物を解体する以外に撤去が必要となる工事のことをいいます。
例えば、家屋を解体する場合です。庭に植えた植物、ガレージ、カーポートも一緒に撤去する必要があります。鉄骨倉庫の場合は、電気の配線、ガスの配管、水道などの撤去が必要なので、これらは付帯工事となります。
ここで勘違いしやすいのが、こうした付帯工事が解体工事に含まれていると思う人が多いということです。解体工事はあくまでも建物と取り壊すだけであり、費用はそれに付随したものだけをいうのです。
・別途料金が発生すること
・打ち合わせの時に付帯工事を確認すること
・見積もりに反映されていること
ほとんどのケースで付帯工事が無いことの方が珍しいです。ですから、この3段階で確認は必ず必要してください。
業者との打ち合わせと見積もり
業者とのやり取りでも費用が変わる可能性があります。
とりあえず、わからないから見積もりをもらうおう!と思いがちですが、これは危険です。
先にもお話し多様に、築年数やメンテナンスや倉庫の大きさなどを伝える必要があります。業者に足元を見られないためにも、ご自身が提供しなければいけない情報を確認してください。その上で、分からないことをある程度調べて、質問をするというスタイルが理想的な話し合いです。
鉄骨倉庫の解体工事といっても、一つ一つが違い、内容も金額も違います。「◯◯倉庫は、同じぐらいの規模だから同じ金額でお願い」と軽い気持ちで相談したら、経年劣化がひどく費用が高くなることも考えられます。また、逆に状態が良くて安価になることもあります。
だからこそ、信頼できる業者を見極める必要があります。
・素人を相手に専門用語で話を進める
・工事内容を丁寧に説明してくれない
・見積もりの項目がわかりにくい
万が一、このような業者であれば、別の業者を探すことをオススメします。ネットで見つけて簡単に相見積もりを依頼すると、後で大変なことになるので相手のことを調べてから依頼してください。
解体工事費用を安くする方法
解体工事の費用を少しでも安くする方法を知っておくのも大切です。解体する鉄骨倉庫の状態や行政によって対応が違うことがあるので、こちらの情報は目安として関係各所に確認をしてください。
補助金や助成金を利用する
住んでいる地域によって内容は異なりますが、自治体から解体工事に対する補助金や助成金の制度があります。こちらに申請して受理された場合、費用の負担を減らすことができます。
リサイクルショップへ売る
鋼材を回収するリサイクルショップに相談をしてみましょう。鋼材として再利用が可能と判断されたら買い取ってもらえるので、全額とは行かなくても負担した金額の一部は戻ってくることになります。
しかし、注意点としては、鉄骨の状態です。再利用できる良い状態でなければ買取はされません。解体工事の有無も加えて一度確認してもらうことは必要です。
相見積もりを取る
最初から業者を決めていたとしても、一度は相見積もりを取ってみましょう。それぞれに確認するポイントを掴んでおきましょう。その上で、業者に相談すれば値段の交渉もしやすくなります。何も知らないままでは損することがおわかりいただけるはずです。
まとめ
今回は、鉄骨倉庫の解体工事についてご紹介しました。
費用については、建物の状態や坪数で違ってくることがわかりました。そして、高い費用を抑えるために知らないではなく知ることが大切です。
実際に解体工事の相場としては、1坪につき2〜3万円になるといわれています。これも目安として頂けたらと思います。
そして最後に一つお願いです。どこの業者も費用が高く折り合いがつかないからと、個人で解体をすることはやめてください。どんな状態かも分からない中で、工事を始めることは非常に危険です。
個人での解体は諦め、ご自身に合う解体業者を見つけてください