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アスベストついて知って欲しい5つのこと

アスベストついて知って欲しい5つのこと

アスベストと聞けば、建築関係の仕事をしていない人でも、有害なものであると認識しています。
しかし、過去の建設現場においてアスベストは、欠かせないものであり普通に使用されていました。その時点では有害なものだとは認識がなかったのです。

現在、アスベストの使用は禁止されていますが、過去に使用された疑いのある建物からの飛散が問題となっています。建物の老朽化もあり、今後の対応が急がれます。

そして、今回、アスベストに関する驚くようなニュースが飛び込んできました。
アスベストの怖さを知りながら、対応ができていないというのは、なんともお粗末な話です。

今回は、アスベストについての正しい情報をお伝えしながら、正しい作業についてご紹介します。

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目次

長野県の保育園でアスベスト飛散の疑いのある工事

ニュースで取り上げられたのは、長野県の保育園での工事現場です。
園児や職員が在園する時間帯に、アスベストの飛散が疑われる建物改修工事が行われました。

アスベストが使用されている建物の工事に関しては、事前に届け出が必要となります。調査や処理法など専門性の高い作業が求められるのですが、今回は業者側が届け出を怠り、保育園にも知らされていなかったとして、行政から指導が入りました。

園児や職員からの健康被害については報告はありませんが、今後も対応を続けていくと保育園側は説明しています。

有害なものという認識はありながら、正しい処理方法がされていなければ、被害は拡大して、知らないうちに曝露(有害な物質に体がさらされること)してしまうことを考えると、非常に怖いニュースです。

アスベストとは

アスベストとは、「石綿(せきめん)」とも呼ばれる、細長い形状をした天然鉱物繊維です。細かく分けると6種類ありますが、建設現場で使用されていたアスベストは、そのうちの3種類となります。

  • 蛇紋石系のクリソタル
  • 角閃石系のアモサイト
  • クロシドライト

これらを最も使用していた時期は、昭和30年ごろから昭和の末期となります。今でこそ、人体に悪影響があると言われるアスベストですが、当時は「奇跡の鉱物」と言われ耐火性・耐熱性・防音性などに優れていると、高く評価されていました。

身体への影響について

その後、アスベストの粉塵(細かなちり)を吸い込んだ体に大きな悪影響を起こすことが分かりました。

体内に入ったアスベストは、肺に蓄積されます。一度体内に入ったアスベストは、除去されることがないので、蓄積されたままとなります。
ほとんどの場合が、潜伏期間から発症するまでが長く、その間も無症状なので、ほとんどの人が気づきません。

咳・呼吸困難などから、

  • 石綿肺(肺が繊維化する病気の一種)
  • 肺がん
  • 悪性中皮腫(胸膜・腹膜・心膜にできる悪性の腫瘍)

アスベストの使用禁止

こうした人体への悪影響が分かり、アスベストが使用されている製品の製造が禁止されました。さらに、これまで建物に使用されたアスベストについては、それらの建物の解体・改修工事を行う際には、

  • 大気汚染防止法
  • 労働安全衛生法
  • 石綿障害予防規則

これらの規制に基づいて、届け出をすることが必要となりました。

アスベストのレベルについて

アスベストは、飛散する可能性の高さからレベル分けされています。

レベル1 :飛散する可能性が最も高い

主に鉄骨造の梁・柱やボイラー室などといった場所、教室、体育館の天井や壁にも使用されています。アスベストとセメントを混ぜたものを、スプレーのように吹き付けていきます。

このタイプには、アスベストの含有量が非常に多いと言われ、解体など作業する際に飛散する可能性が最も高いとされています。

レベル2:飛散する可能性が高い

アスベストは、吹き付ける以外にシート状を巻きつける方法があります。
含有量は多いことに違いはありませんが、レベル1より飛散する危険が下がります。

建物の壁・柱・梁、配管、ボイラー本体の耐火被覆材として使用されています。

レベル3:飛散する可能性が低い

アスベストが練りこまれている建材が対象となります。
破損するリスクが低いため、取り扱いに注意すれば飛散する可能性が低いとされています。

屋根材(瓦など)や天井・壁・床の成形版のはかに、吸音版として使用されています。

解体・改修工事前に行うこと

アスベストの使用が疑われる建物を解体または、改修工事をする場合には、事前に行うことがあります。それが調査と届け出です。

アスベスト使用の有無を調査する

アスベストは、建物の見えない部分に多く使用されています。そのため調査を行いアスベスト使用の有無を確認していきます。

調査方法は、4つあります。

  • 図面調査・・・図面や書類から、アスベスト使用の記載を確認する方法
  • 現地調査・・・現場にて目視調査または、建材を採取して分析を行う方法
  • 定性分析・・・採取した建材を顕微鏡またはX線を用いてアスベストの有無を確認する方法
  • 定量分析・・・定性分析にてアスベストが確認された建材に、どれくらい含まれているかを確認する方法

分析結果から、アスベストの含有率が0.1%を超えた建材は、規制の対象となります。

アスベスト飛散防止対策に関する届出

アスベスト使用の確認が取れたら、法令にしたがって届け出をする義務が発生します。

大気汚染防止法に基づいて、「特定粉じん排出等作業実施届出書」を提出します。これは、解体・改修工事のいずれも該当します。

この届け出は、工事に入る前に申請が必要となるので、行政に確認をしておきましょう。

また、アスベストに関しては、工事や作業に伴う危険性だけでなく、除去したアスベストを廃棄する方法まで、細かく決められています。
そのため、実際に行う作業方法や、廃棄するアスベストが発生する量などを報告するため「処理計画書」の作成が求められます。

アスベストの除去方法

実際に、アスベストを除去する方法は3つあります。

除去工法

建物を解体する前にも行います。専用の薬剤、道具を利用して手作業にてアスベストを除去していきます。

この作業を行う場合には、飛散して近隣に影響が及ばないようにシートを使い養生していきます。さらに、作業するスタッフも自身の身を守るために、呼吸用保護具や保護衣などの着用が必要となります。

封じ込め工法

建物に吹き付けられたアスベストをそのままに、表面に薬剤を塗ります。固化されたアスベストは、飛散することがなくなります。

囲い込み工法

露出しているアスベストを壁材などを使用して、飛散防止をします。

封じ込め工法と囲い込み工法は、工程として短期間で行うことができますが、建物を解体する場合には適していません。

適正にアスベストが処理されない場合

アスベストを除去するために、それまでの事前準備、徹底した作業法を改めて確認していくと、いかに怖いものなのかが、よく分かります。
今回のニュースで、伝えられることの怖さを改めて実感します。

実際に、アスベストが適正に処理がされないと、下記のような被害が考えられます。

  • 発注者・近隣住民への健康被害
  • 無許可で廃棄されたアスベストからの二次被害
  • 不法処理による賠償問題

やはり健康被害が一番に心配されます。アスベストは飛散するので、作業を進めるだけで飛散は広範囲にまで及びます。

そして、もう一つ。大気や土壌も汚染された状態になります。
これまで、被害に関しては国が保障していましたが、2015年から企業責任と改めているので、今後は、企業や業者への賠償問題も発生することになります。

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まとめ

アスベストについて、まとめてみました。
正しい情報を知ると、今回、ニュースにあった保育園で行われた作業が、どれだけ問題なのかが分かります。保護者の中に、アスベストに関する知識がある方いたことが本当に救いでした。

日本では、ビルやマンションの老朽化が進んでおり、解体するケースが増えてきています。そんな建物の中にアスベストを含むものが存在するはずです。

今回のことで、業者任せではなく発注する側の人間も、知っておくことの大切さが十分伝わりました。
古い建物の解体や改修前には、業者も発注者もアスベストについて考えて欲しい。

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