この記事では次のことをご紹介しています。
- 工場と倉庫での遠隔操作の事例
- 遠隔操作を導入するメリット・デメリット
- 遠隔操作を導入するときの注意点
工場・倉庫が遠隔操作を導入するときに知っておきたい全てのことをまとめました。
工場・倉庫で導入される遠隔操作の事例4つ
遠隔操作は便利そうだから取り入れたいと思っても、具体的にどんなことができるのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、まずは製造業や倉庫で導入されている遠隔操作の例をご紹介します。
生産ラインの機械を操作
工場では製造に使う機械を遠隔操作することができます。
例えば、機械の稼働状況を現場から離れているところから監視することができます。
これなら、機械が停止してしまったときにはすぐに気づくことができます。
また、異常がある場合は遠隔操作で問題を解決することも可能です。
機械の重要性が高い工場では、常に監視して問題にもすぐ対処できる遠隔操作はとても便利です。
PC作業の監視
現場で使う機械だけでなく、社内のパソコンも遠くから監視することができます。
今やどの会社でもパソコンでの作業は欠かせないものとなっています。
パソコンの中には会社の機密情報が入っていることも多く、扱いには慎重にならなくてはいけません。
遠隔で社内のパソコンを監視すると、社内での不正の発生の抑止力になります。
また、作業内容を録画することもできるので、万一トラブルが発生したときも、原因を突き止めることができます。
現場への指示
スマートグラスを使えば現場に居る人間に対して指示を送ることができます。
スマートグラスとはメガネのように装着するもので、カメラが付いているので、遠くに居る人へ着用している人が見ている景色をほぼ同じように映像で送ることができます。
この機能を活用すれば、機械が壊れて困っている人や作業の仕方が分からない新人に対して的確なアドバイスができます。
ピッキングロボット
ピッキングロボットとはその名の通り、ピッキング作業を行うロボットのことです。
5Gの発展により、機械を同時接続し、一人でロボットを数台操作してピッキングさせることが可能になっています。
まだ人間がやっている作業を全て肩代わりできるほどの技術はありませんが、これから技術の発展が進めば倉庫作業を全て任せることができるようになるかもしれません。
工場・倉庫が遠隔操作を導入するメリット7つ
この章では工場や倉庫が遠隔操作を導入することで得られるメリットをご紹介します。
1 | 社員が現場に駆けつける必要がない |
2 | 人件費を削減できる |
3 | 人手不足を解消できる |
4 | 生産性が上がる |
5 | 担当者の負担が減る |
6 | リモートワークを推進できる |
7 | トラブルの原因が分かりやすい |
社員が現場に駆けつける必要がない
現場でトラブルが発生した際にわざわざ担当者が駆けつける必要がないというメリットがあります。
工場の機械が止まったとき、メンテナンスの技術を持った人が現場に来て修理を行うことはよくあることです。
場合によっては遠くから時間をかけて来ることもあるでしょう。
遠隔操作を導入すればこのように担当者が移動しなくても、その場で問題に対処できます。交通費や時間が浮くという魅力もありますね。
人件費を削減できる
今は人間がやっている作業をロボットが代わりにできるようになれば、人件費が削減できるというメリットがあります。
ロボットの導入にももちろん費用はかかります。
しかし、人件費は会社の支出の中でもかなり多い部類なので、長く使えれば投資した分を十分回収することができます。
遠隔操作を導入することは会社の運転資金に余裕を持たせることにも繋がります。
人手不足を解消できる
ロボットが人間の代わりになれば、人手不足の問題を解決できます。
特に工場はキツい仕事というイメージを持つ人が多く、敬遠されやすい職業の1つです。
募集をかけても応募が少なく、人手不足に困っている工場は多くあります。
ロボットを取り入れればこうした問題に悩む必要がなくなります。ただし、ロボットにはできない業務もあるので、働きたいと思ってもらえる環境を作る努力は絶えず続ける必要はあります。
生産性が上がる
工場にとっての永遠の重要課題といえば生産性です。
遠隔操作は生産性アップにも貢献します。
製造中に機械のトラブルが発生して作業が止まってしまうと、その日の生産量は大きく下がってしまいます。
しかし、遠隔操作に対応していれば、トラブルをすぐに解決することができるので、影響は最小限になります。
生産効率が課題だと感じている企業は遠隔操作が解決の糸口になるかもしれません。
担当者の負担が減る
トラブルが発生したとき、担当者はすぐに現場に駆けつけなくてはいけませんが、遠隔操作を導入すればその場で対処できるので、負担が大幅に減ります。
トラブルは急に発生するものなので、場合によっては自分がしていた業務を置いて現場に駆けつける人も居るでしょう。
その際は1日の予定が大きく崩れてしまいます。
遠隔操作はこのように担当者の負担を軽減してくれます。
リモートワークを推進できる
近年、リモートワークを推進する動きが出てきましたが、製造業や倉庫は現場で行う業務が多いので、在宅勤務は難しいとされてきました。
しかし、遠隔操作が会社の至るところで取り入れられれば、人によってはリモートワークも可能になるでしょう。
ただし、リモートワークでは会社の端末を社外に持ち出すこともあるので、推進するのであれば同時に企業の重要な情報が漏洩しないように対策をする必要があります。
トラブルの原因が分かりやすい
社内の機械やPCの様子を監視するシステムがあると、トラブルの原因を突き止めやすいというメリットもあります。
例えば、情報漏洩が発生したときには社内PCの記録を見ることで原因や実行した人を特定できます。
また、製造に使用する機械とインターネットが繋がっていれば、どんな状況でトラブルが発生しやすいのかを突き止めやすくなります。
問題が発生するたびに原因を追求し、再発防止に努めれば、トラブルの少ない環境を作り上げられます。
工場・倉庫が遠隔操作を導入するデメリット3つ
この章では工場や倉庫が遠隔操作を導入するデメリットをご紹介します。
1 | 導入費用がかかる |
2 | 専門知識が必要 |
3 | 多少の遅延がある |
導入費用がかかる
遠隔操作の導入には、専用のシステムを構築したり、ロボットを購入したりと費用がかかるのがデメリットです。
導入する規模によっては高額になることもあるでしょう。
ただし、先ほどご紹介したように、人件費を削減したり、生産性が上がったりといったメリットが得られるので、高額の費用を投資しても元が取れるかどうかを慎重に検討する必要があります。
専門知識が必要
社内の設備をインターネットに繋げたり、遠隔操作に使用する機械を導入したりするのは専門的な知識がないと難しいです。
そこで、遠隔操作を導入するなら専門の業者に相談しましょう。
業者を選ぶ際にはこのような点を押さえているかどうかを確認しましょう。
- 会社が抱えている課題をしっかりヒアリングする
- どのような効果が得られるのか説明してくれる
- 見積もりを詳細に出してくれる
- トラブル時のサポートがある
多少の遅延がある
ロボットを遠隔操作したり、スマートグラスで現場の映像を見たりする際には多少の遅延が発生することを理解しなくてはいけません。
5Gの発展により、かなり時間差は短くなっているものの、やはり遅延はあるので、それを見越した上で操作することが求められます。
工場・倉庫が遠隔操作を導入するときの注意点
遠隔操作を導入すると、社内の様々な情報をネットを利用して管理することになります。
そのため、セキュリティ対策には力を入れる必要があります。
もし、セキュリティ対策が不十分であれば、外部に重要な情報が漏れて、自社に損害が出たり、取引先に迷惑をかけたりすることが考えられます。
そこで、特定の端末や人でなければアクセスできないようにしたりして、社内の情報を守りましょう。
遠隔操作を導入してより働きやすい環境を作ろう
拠点から離れたところにある機械を管理したり、スマートグラスを用いて現場の人間に指示を出したりと遠隔操作でできることは数多くあります。
費用がかかかったり、多少の遅延があったり、いくつかデメリットはありますが、各担当者の負担が減ったり、人件費が削減できたりとメリットも数多くあります。
導入には専門的な知識が必要なので、親身になって対応してくれる業者を選び、会社に合ったシステムを取り入れましょう。