工場や倉庫ではねずみ対策が欠かせません。
ねずみは商品をかじって損失を発生させたり、建物をかじってダメージを与えたりと色々な被害をもたらします。
また、単純にねずみがいるだけで不衛生で気分が悪くなるというデメリットもありますよね。
ねずみは食品を扱う工場によく出るイメージがありますが、それ以外の工場でも出現することはあるので、全ての工場や倉庫でネズミ対策について考える必要があります。
もし何も対策をしなければ快適に作業をすることが難しくなってしまうでしょう。
しかし、カビや虫といったよくある他の工場や倉庫の問題に比べてねずみ対策はどう対処すれば良いのか分からないという方が多いのではないでしょうか?
そこで今回は工場や倉庫でねずみによって起きる被害や対策方法について徹底解説していきます。
ねずみによる被害に悩んでいる方や、被害が出る前に対策しておきたいという方はぜひ参考にしてくださいね。
製品の損失を発生させる。工場・倉庫のねずみによる被害6つ
まずはねずみによって工場や倉庫がどんな被害を受けるかをまとめていきましょう。
これを知ればねずみ対策をする重要性が分かりますよ。
製品をかじる
ねずみによる被害といえばやはりかじられることでしょう。
固いものを好んでかじる習性があるため、建物内にねずみがいれば食品、加工前の原料、加工後の製品などがかじられてしまいます。
かじられたものは当然使うことはできず、損失になってしまいます。
1つ1つの被害額は小さくても、積もれば大きな経済的損失になります。それを考えると多少お金はかかってもねずみ対策をするべきと言えます。
不衛生な環境になる
ねずみが発生すると工場や倉庫のあちこちに糞尿が見られるようになります。
糞尿があれば建物内は不衛生な環境になってしまいます。
それだけでなく、箱や機材に糞尿がつくことで製品が汚れたり、異物混入を引き起こす恐れもあります。
異物混入を起こせば会社の信用問題にも関わり、最悪の場合は商品の回収や二度と依頼をもらえなくなるという事態が起きる可能性もあり得ます。
ねずみによる被害は会社に大きなダメージをもたらすのです。
食中毒や病気の発生
ネズミによって食中毒や病気が発生するリスクがあります。
なぜならねずみはあらゆる病気を媒介するためです。
例えばねずみの糞尿にはサルモネラ菌が含まれており、それが付いた食品を口にすれば食中毒を引き起こします。
また、ねずみに寄生する虫に刺されたり、ねずみに直接噛まれることによって病気を引き起こす場合もあります。
このようにねずみは製品を利用する人や工場で働く人の健康被害を出す恐れもあります。
壁やケーブルをかじる
ネズミがかじるのは食品だけではありません。
物をかじる習性も持っているため、建物の壁やケーブルもかじります。
壁をかじられれば見た目に影響が出るのはもちろんのこと、ネズミの出入り口になってさらにネズミが増えることに繋がります。
また、電気ケーブルをかじられると工場全体の電気が止まって生産活動に影響が出たり、かじられたところから火花が出て火災が発生する原因にもなります。
火事になれば建物も中にある製品も全てダメになってしまいますし、社員の命も危ないので絶対に防がなくてはいけません。
不快感がある
社員はねずみの姿を見たり、建物内のあちこちに糞尿があったりすると不快感を感じます。
「もし噛まれたらどうしよう」、「汚いから箱に触りたくない」など色々なことを考え、落ち着いて作業ができません。
毎日このように過ごしていたら仕事が嫌いになり、働くのも嫌になってしまうでしょう。
ネズミをそのままにしておくと社員のモチベーションを下げてしまいます。
周りの家にもネズミが出る
工場や倉庫がネズミにとって過ごしやすい環境になり、数が増えてしまうと周りにある家にもネズミが出るようになります。
すると当然近隣住民にとっては迷惑で、地域と工場との関係が悪化することも考えられます。
工場や倉庫は近隣住民との円滑な関係がとても大事です。
周りに迷惑をかけないようにするためにネズミ対策はしっかり行うべきです。
工場や倉庫に出やすいネズミ3種類の特徴
工場や倉庫に出やすいネズミは主に3種類です。
これらの特徴を知っておけば有効なネズミ対策に繋がります。そこで3種類のネズミについてその特徴をまとめました。
ドブネズミ
ドブネズミは灰褐色のネズミで、体長は20〜30cmくらいとかなり大きめです。
他のネズミに比べて耳が小さいのが特徴です。
獰猛な性格で、湿っている場所を好みます。そのため、下水、床下、台所、ゴミ捨て場などに生息します。
魚介類や肉を好むので食品を扱う工場では特に警戒しなくてはいけません。
排水溝を通ったり、壁をかじったりして工場内に侵入します。
また、泳ぎが得意なのでトイレから侵入することもあります。
人を噛む習性があるので噛まれて病気にならないように気をつけなくてはいけません。
ドブネズミは繁殖能力が高いので一度数が増えてしまうと対策をするのが大変になってしまいます。
クマネズミ
クマネズミは茶褐色のネズミで、体長は15~25cmほどあります。
ドブネズミよりは少し小さめです。
耳が大きく、尻尾が長いのが特徴で、警戒心が強いです。
そのため、罠を仕掛けても引っかかりにくいです。
発生しやすいのは寒い時期で、特に1〜2月に数が増えます。
運動能力が高いので天井裏にも侵入します。
高さがある建物でも油断はできません。
また、高いところにいるだけでなく、低いところに移動して穴を通ったり、壁をかじったりして建物内に侵入し、食品や製品をかじります。
ネズミといえば田舎に出るイメージがあるかもしれませんが、クマネズミは都市部でもよく見られます。
ハツカネズミ
ハツカネズミは黒に近い褐色のネズミで、体長は10cm未満と小さく、耳が大きいのが特徴です。
体が小さいので小さな隙間からも侵入できます。
生後わずか1ヶ月ほどで繁殖を始めて年に何回も子供を産むことから繁殖するのが非常に早く、駆除に手間がかかります。
好奇心旺盛なので罠にはかかりやすいです。
普段は草むらや畑に住んでいますが、寒さをしのいだり、食べ物を調達するために工場や倉庫に侵入します。そのため、山や林など自然が近い場所にある建物は注意が必要です。
侵入口を塞ぐ。工場・倉庫のネズミ対策の方法8つ
ネズミによる様々な被害を防ぐためには対策をしていかなくてはいけません。
最後に工場・倉庫のネズミ対策の方法をまとめました。
粘着シート
ネズミは建物内を歩き回るので粘着シートを貼っておくという方法があります。
もし粘着シートに捕まれば動けなくなり、被害を出すことを防げます。
ただし、ドブネズミは体が大きく、泳げるため体が濡れていることもあるので、粘着シートの上を通っても逃げられます。
またクマネズミは警戒心が強いのでシートを避けてしまうことも。
そのため、粘着シートを使うなら他の対策も合わせてすることが求められます。
超音波
超音波を出す機器を設置するとネズミにとって不快な環境を作り出すことができます。
ただし、ネズミが一切近づかないという効果を発揮するものではなく、侵入したネズミに効果が出るまでにはある程度時間が必要です。
長期的にネズミが過ごしづらい環境を作るための対策なので、完全駆除をするためには他の対策も必要です。
忌避剤
忌避剤はネズミが嫌がる匂いを出すことで対策をするものです。
既に建物内にいるネズミを追い出し、さらに新しくネズミが侵入することを防げるのでとても効果があります。
忌避剤にはスプレータイプ、くん煙タイプ、置き型タイプと様々な種類があるので、建物の特性に合わせて使い分けましょう。
侵入口を塞ぐ
建物に穴があればそこからネズミはどんどん侵入してきます。
そこで侵入口を塞ぐことでネズミが入るのを防ぎましょう。
侵入口になるのは壁や天井のひび割れ、配管の隙間、通気口、開けっ放しの窓やドアなどです。
見つけた穴を金網や鉄板などネズミがかじることができない物を使って塞ぎましょう。
捕獲器
捕獲器を設置し、ネズミを物理的に捕まえるという方法もあります。
ネズミの侵入口になっている穴の近く、通路、物陰に設置し、中に餌を置いておくことで捕獲できます。
毒餌
餌に殺鼠剤を混ぜてネズミに食べさせるという方法もあります。
殺鼠剤には固定タイプや粉末タイプと色々な種類があるので、設置場所に応じて適切なものを選びましょう。
食料を容器に入れる
ネズミは食べ物を求めて工場や倉庫に侵入します。
もし食料がなければ他の場所を探しにいき、建物から姿を消すでしょう。
そこで食料は必ず容器に入れて蓋をし、ネズミに食べられないようにしましょう。
また、食べ物を捨てるゴミ袋も蓋つきのものを使えばネズミに狙われません。
大量の食品を扱う工場では食べ物は専用の倉庫に入れて管理するのが望ましいです。
住処になるものを放置しない
工場によくあるダンボール、衣類、ビニール、ティッシュなどはネズミが持ち帰り巣を作る材料にします。
そのため、これらを放置していると工場や倉庫内にネズミが増えるきっかけになります。
そこでこうしたものは放置せず、こまめに掃除をして建物内に残さないようにしましょう。
まとめ
ネズミは食品や製品をかじったり、病気の発生源になったりと様々な被害をもたらし、最悪の場合は工場や倉庫の信用問題にも関わります。
そこで工場や倉庫ではネズミ対策が欠かせません。
ネズミには種類があり、それぞれの特徴に合わせて対策をすることが大切です。
色々な対処法がありますが、得手・不得手があるので色々な方法を組み合わせることによって完全駆除に繋がりますよ。