この記事では次の内容をまとめています。
- 倉庫で使われるラックの種類
- 倉庫のラックを選ぶポイント
- 作業効率を上げるラックの設置方法
倉庫に欠かせないラックの種類や選び方について徹底解説していきます。
物流倉庫で使われるラックの種類10選
この章では物流倉庫で使われる様々なラックをそれぞれ解説します。
ネスティングラック
多段積みができるラックです。
金属のシンプルなフレームでできており、折りたためばコンパクトなサイズになります。
そのため、収納に場所をとりませんし、繁忙期や閑散期に合わせて設置したり、撤収したりすることもできます。
また、簡単にラックの場所を移動できるのもメリットです。
ネスティングラックには2つの種類があります。
正ネスティングラック
底があるので、荷物を直置きせずに積めます。
リフトのフォークを下に差し込める形状なので、そのまま場所を移動させることができます。
逆ネスティングラック
天井がついているので、1つのラックで下段と上段の2箇所に荷物を収納することができます。
パレットラック
パレットごと保管できるラックです。耐荷重は1トンを超え、重量ラックと呼ばれることもあります。
棚の高さの間隔を自由に調整できるので、保管する荷物の大きさに合わせて高さを変えられます。
パレットラックを使用するには設置工事が必要なので、頻繁に場所を移動したり、使わないときに収納したりするのには向いていません。
中量・軽量ラック
コンテナや段ボールに入った製品を保管する際に使われるラックです。
組み立てが比較的簡単で、1段ごとの棚の高さを自由に変えられます。
人の手によってピッキングを行う倉庫でよく使われています。
ドライブインラック
ラックの奥にフォークリフトが入れる形状になっています。
格納効率が高いのが特徴で、先入れ後出しになります。
プッシュバックラック
前に置かれている荷物が取り出されると、重力によって奥に置かれていた荷物が前に出てくる仕組みになっているラックです。
後ろの荷物が勝手に前に出てくるので、パレットラックよりも効率的に収納することができます。
リードタイムが短い荷物の管理に適しています。
バーラック
木材やパイプなど長尺の製品を管理するのに向いているラックです。
数本のアームが下から製品を支える形になっています。
各段の間の長さを調整できるようになっているので、保管する荷物に合わせたラックにすることができます。
スライドレールラック
床に設置されたスライドレールの上にラックを乗せるタイプです。
スライド上ではラックを自由に移動させることができるので、使用しないときは1つのスペースにラックを固めておくと広い空間を作れます。
また、レールなしで設置するよりも多くのラックを置くことができます。
自動ラック
その名の通り、自動でラックを動かせるものです。
天井近くまでラックがあって高いのが特徴で、ラックの番号を指定するとそのラックが下まで降りてきます。
高さがあるので、より多くの荷物を保管することができます。
また、作業員が荷物の近くまで行く必要がないので、労力を減らせるというメリットもあります。
他のラックに比べて設置費用がかかるのはデメリットです。
段ボール保管棚
段ボールの素材でできた棚です。
1つ1つの棚のパーツを連結させることで好きな大きさの棚にできます。
また、パーツはすぐに作れて、折りたたむこともできるので、棚の拡大や縮小も簡単です。
重いものは保管できませんが、小さいものや軽いものを保管するのには向いています。
ハイテナー
車輪がついたラックで、保管だけでなく、荷物を配送するときにもよく使われます。
荷物を乗せたまま移動したり、そのまま保管したりできるのがメリットです。
また、折りたためるので収納がコンパクトになるのも便利です。
物流倉庫のラックを選ぶときに見るべきポイント8つ
この章では物流倉庫がラックを選ぶときに確認すべきことをまとめました。
1 | 保管する荷物のサイズ |
2 | 保管する荷物の重さ |
3 | 天地段数 |
4 | 倉庫の大きさに合うか |
5 | ピッキングがしやすいか |
6 | 耐久性 |
7 | 耐震性 |
8 | 連結できるか |
保管する荷物のサイズ
保管する荷物のサイズを確認してからラックを選びましょう。
ラックは種類によっては棚の高さを変えることができません。
この場合、せっかくラックを買っても、保管したい荷物が収納できなければ買った意味がなくなってしまいます。
様々な種類の荷物を保管したいときは棚の高さを変えられるものを選ぶと便利でしょう。
保管する荷物の重さ
耐荷重も選ぶときに必ず見ておきたいポイントです。
倉庫ではかなり重い荷物を保管することもあります。
ラックは1トン以上の荷物に対応できるもの、1トンまで、400kgまでなどそれぞれ耐荷重が決まっているので、保管する荷物がどれくらいの重さなのか把握してからラック選びを始めましょう。
天地段数
天地段数とはラックの棚板の数のことです。
棚板の数によって、ラック1つでパレット、コンテナ、段ボールなどがいくつ収納できるかが変わります。
何をどれくらい収納したいかを把握した上で、ラックに求める天地段数を計算しましょう。
倉庫の大きさに合うか
ラックは倉庫の空間との相性も大事です。
例えば、天井が低い倉庫の場合、高さが天井より高いラックを買ってしまうと設置することができません。
また、通路や作業スペースが十分に取れるラックを選ぶ必要があります。
天井の高さ、ラックを設置するスペースの幅など色々な長さを把握しておきましょう。
ピッキングがしやすいか
人手によるピッキングを行う倉庫ではピッキングのしやすさも確認しましょう。
ピッキングは毎日のように行われる作業だからこそ、作業効率を上げることが大事です。
例えば、棚ごとに番号を振りやすいものだと、ピッキングする人がリストにある商品を探しやすくなります。
また、商品を取りやすい高さであることも大切です。
耐久性
ラックは耐久性が高いのが理想的です。
なぜなら、倉庫では非常に重いものも扱うからです。
耐久性が高く、重いものも保管できるラックを選ぶことは現場で働く従業員を守ることにも繋がります。
また、長持ちすれば買い換えるコストを削減できるというメリットもあります。
耐震性
日本は地震が多い国だからこそ耐震性も重視しましょう。
地震が発生するとすぐに倒れてしまうラックでは、一度大きな地震が発生しただけで倉庫にかなりの被害をもたらすでしょう。
例えば、ラックの中には一番上の棚板と倉庫の天井との間にポールを入れることで、揺れが発生しても倒れにくくしているものもあります。
ぜひ地震に強いラックを探してみましょう。
連結できるか
ラックには単体で使うものと、別のラックと連結できるものがあります。
連結タイプは他のラックと連結する部分の部品がないので、単体のものに比べて安い傾向があります。
また、支柱1本分のスペースを節約できるというメリットもあります。
さらに、多くのラックが連結することで、地震が発生した際に単体のラックでは倒れてしまうような揺れでも耐えることができるという強みもあります。
物流倉庫の作業効率を上げるラックの設置方法
倉庫での作業効率を上げるにはラックの設置の仕方にこだわる必要があります。
効率を高める設置方法は色々あります。
例えば、U型とI型 という考え方があります。
U型は入荷や出荷などの作業をするスペースを全て倉庫の片側に持ってきて、もう片方にラックを置くレイアウトです。
入荷、入荷検品、ピッキング、出荷検品、出荷という流れがUの字の形に行われます。
I型は各作業を行うスペースを倉庫の手前から順番に配置するレイアウトです。
作業をする人は手前から奥へと一直線に進むのでI型と呼ばれます。
また、保管する製品はよくピッキングされるものほど出入り口に近いところに置くことで、ピッキングの効率が高まります。
このように様々な工夫をすることで、倉庫の作業効率が上がります。
物流倉庫のラックを安く手に入れる方法
ラックは全て新品で揃えようとするとかなりの費用がかかります。
出来るだけコストを抑えたい場合は中古のラックを購入するのがおすすめです。
中古でも機能性が高く、耐久性も十分にあるため、倉庫で活用できます。
まとめ
多くの荷物を管理する倉庫だからこそ、作業効率を高められて、格納効率も高いラックを選ぶことが大切です。
ぜひ様々なラックの種類を知って、倉庫に合ったものを選びましょう。