- スマートロジスティクスとは
- スマートロジスティクスを導入するメリット
- スマートロジスティクスの具体的な技術
スマートロジスティクスの導入を考えている企業が知っておくべきことを全てまとめました。
物流の効率化に役立つスマートロジスティクスとは
そもそもロジスティクスとは生産や配送などの物流の流れを統合・一元化して効率化することを指します。
スマートロジスティクスとはIoTやAIを用いて物流の効率化、コスト削減、品質の向上などを目指すものです。
倉庫がスマートロジスティクスを導入するメリット5つ
この章では物流の現場でスマートロジスティクスを導入すると得られるメリットをご紹介します。
1 | 人手不足を解消できる |
2 | 配送を効率化できる |
3 | 伸びるEC市場に対応できる |
4 | 納期が短くなる |
5 | サービスの品質が高くなる |
人手不足を解消できる
多くの物流の現場が抱える人手不足の解決に繋がります。
なぜなら、スマートロジスティクスによって自動化が進むと必要な人員や人間の負担が減るからです。
現代はロボットやAIの技術がとても高く、荷物をラインに流したり、ロボットだけでピッキングしたりと、様々な作業が出来るようになっています。
日本はこれから先も人口が減り続けていくと予想されているからこそ、人手不足の問題はいつまでも続くと考えられます。
そんな問題を今から解消できるのがスマートロジスティクスです。
配送を効率化できる
物流を扱う企業を常に悩ませる配送の問題も解消できます。
なぜなら、AIによって最適なルート選定や配車が行われるからです。
近年、ネットショップの利用が増えていることで、少量の荷物の数が増えています。
また、スピード配送や配送の頻度が高くなっていることも対応すべき課題の1つです。
こうした課題もAIに任せることでスムーズに解消できます。
伸びるEC市場に対応できる
EC市場の拡大は物流に大きな影響を与えています。
これからも実店舗ではなくオンラインで購入する流れは止まらないでしょう。
ネットショップの利用が増えると、扱う製品の数が増え、配送量も増えます。
こうした市場の傾向に自動化や効率化によって対応し続けられるのもスマートロジスティクスの魅力です。
納期が短くなる
スマートロジスティクスを導入すると納期が短くなるというメリットがあります。
なぜなら、機械による作業が増えることで物流の効率が高くなり、注文から発送までにかかる時間が短くなるからです。
商品が受け取れるスピードが短くなれば、お客様からの満足度が上がり、企業への印象も良くなるでしょう。
サービスの品質が高くなる
物流にAIやIoTを用いると品質向上に繋がります。
なぜなら、作業の精度がとても高いからです。
人間の手によって作業を行う場合、どうしてもある程度作業ミスが出てしまいます。
一方で、ロボットによる作業はほとんどミスが発生することはありません。
そのため、数量間違いや配送先違いといったトラブルを大きく減らすことができ、顧客はトラブル対応に手間を取られることがなくなります。
また、企業にとってもトラブル対応に割く時間が減り、さらには企業の信頼を損なうことがなくなります。
スマートロジスティクスで使われる具体的な技術11選
この章ではスマートロジスティクスで使われる技術を在庫管理、ピッキング、配送の3つの種類に分けてそれぞれご紹介していきます。
在庫管理
倉庫管理システム
入出庫管理や在庫管理をデジタル化して倉庫の物流全体を管理するシステムのことです。
” Warehouse Management System” を略してWMSとも呼ばれます。
ハンディターミナルを使って入出庫する商品をスキャンしたり、ロケーションが分かりやすいピッキングリストを自動で出したりとあらゆる面で倉庫内の作業を効率化します。
RFID
無線通信によって情報をやり取りできるICタグのことです。
庫内の製品につけておけばハンディターミナルのように直接バーコードをスキャンしなくても情報を読み取れます。
一度に複数のタグを読み取ることもでき、在庫確認や棚卸しなどの作業を大きく効率化します。
RFIDについてはこちらの記事でも詳しくまとめています。
ピッキング
ピッキングロボット
ピッキングといえば人間が行うのがこれまで一般的でしたが、最近ではピッキングも行えるロボットが出てきています。
1日の注文量が多い倉庫ではたくさんの人がピッキングに携わります。
中には従業員の数が足りず、派遣を雇っているとこもあるでしょう。
ピッキングロボットを使えば、人手不足に悩む必要がなくなりますし、初期投資こそ大きいものの、人件費がかかりません。
また、人間が休憩している間や、退勤後も稼働させ続けることができます。
自動搬送ロボット(AGV)
倉庫内を自動で動き回る自動搬送車もスマートロジスティクスの例の1つです。
ピッキングする商品が入っている棚を人間の元に運んできたり、棚の場所を案内してくれたりと、商品のピッキングまではできなくても様々な面で人間の作業を手助けします。
自動搬送ロボットについてはこちらの記事で詳しくまとめています。
ロボットフォークリフト
倉庫で欠かせないフォークリフトもロボット化が進んでいて、無人化しているものもあります。
大きなパレットを自動で、プログラムされた通りに移動させるので、パレットの移動に人員を割かなくて良くなります。
特にハンドフォークリフトでパレットを移動させるのは時間がかかるので、より時短になるでしょう。
ただし、無人フォークリフトの移動には従業員との接触など危険も伴うので、安全面でルールを決めることが欠かせません。
デパレタイズロボット
パレットに積まれた荷物をラインに載せる機械です。
積み方、荷物の大きさ、形を分析するので、少し複雑な積み方にも対応することができます。
人員削減になるのはもちろんのこと、重いものを持つ必要がなくなるため、従業員の体力面での負担も軽減することができます。
デパレタイズの作業が多い倉庫に向いているロボットです。
AIによる作業状況の分析
AIにピッキングの様子を分析させ、効率を下げている要因を見つけ出すこともできます。
さらに、作業の改善案も導き出すため、それに従って作業方法を変えることで効率化を進めることができます。
毎日現場で働く従業員は日々の作業に慣れてしまい、改善すべき点に気付きにくいです。
そこで、俯瞰的な目で状況を分析できるAIの力を活用し、より効率的なピッキング作業を追求しましょう。
配送
配車計画
倉庫にとって積載率を少しでも上げることは効率化する上で非常に重要なポイントです。
AIを使えば積載率を最大限に上げられる配車を自動で導き出すので、配送の効率化を進められます。
最適な配送ルートの指示
配送の効率化には配送ルートの最適化も欠かせません。
配車と同様に配送ルートもAIが最適化するため、空車時間を減らせますし、走行時間も短くなります。
また、トラックの燃料にかかるコストを削減できるというメリットも。
トラックの運転手の負担を減らせるのも魅力です。
ドローンによる配送
近年、無人配送を進める動きが出ています。
そのうちの1つがドローンによる配送です。
今はまだ本格的に取り入れられているわけではありませんが、ドローンによって荷物を運べるようになれば配送に必要な人員が減ります。
また、アクセスしにくい山奥などにも運びやすくなります。
さらに、道路を通らないので混雑に巻き込まれることがなく、配送にかける時間を短縮できます。
自動運転による配送
配送トラックも無人化や自動運転が進んでいます。
こちらもまだ実験段階ではありますが、実現すればドライバー不足に対処できますし、長時間労働に歯止めをかけることができます。
ただし、自動運転の安全面はまだ完璧とは言えないため、導入は慎重に検討する必要があります。
まとめ
スマートロジスティクスとはAIやIoTといった最新の技術を用いて、物流の一連の流れを効率化・最適化することを目指すものです。
スマートロジスティクスによって無人化や自動化が進めば、作業に必要な人員が減るため、物流業界を悩ます人手不足に対応することができます。
また、ロボットの正確さから、ミスが発生しにくくなり、トラブルを減らすこともできます。
最新技術を活用するのは難しそうに感じるかもしれませんが、得られるメリットは大きいので、導入できるところからでも導入してみてはいかがでしょうか。