日本経済は非常に厳しい時であり、物価の高騰が止まりません。
これまでの物の価値、お金の使い方も変わってきました。
新型コロナウイルスの感染拡大、ロシアのウクライナ侵攻などが大きく影響しているため、まだ厳しい状況は続くと見られています。
そんな中で、建設業界はどうでしょうか?
部品の不足、木材の不足、コロナ禍の建設中止など、問題はあげられるものの業界自体は上昇傾向にあります。
なぜなら、リニア新幹線、大阪万博など大きな事業が動くため建設ラッシュが続くからです。
こうした状況が続くと、何もしなくても仕事があると思いがちですが、しっかりと営業で仕事が勝ち取れる建設会社であることをアピールした方がさらに大きな事業をとることができます。
では、実際にはどんな方法だと良い仕事が取れるのでしょうか?少しずつ生産ラインが復活している製造系の工場の新設の仕事は、どうしたら取れるのでしょうか?
今回は、工場建設において、お客様との向き合い方、また問題を解説できる改善方法などをご紹介します。
営業の話のネタや実際の工場建設の打ち合わせにご活用ください。
工場建設における、お客様の信頼を得る話し方
お客様とお話ができるチャンスはなかなかありません。限られたチャンスの中で、いかに興味を持ってもらうのか?期待に応えられるのか?をしっかりアピールしたいはずです。
・ただ、世間話をして終わった
・相手の話を聞いて終わった
・何も話せなかった
こんな悲しい結果にならないように、工場建設における面談では、こんな話をすることを意識してみましょう。
悩みを聞き出す
まずは、先方の悩みを聞き出すことをしてください。工場建設に関することでなくても構いません。
会社の問題、仕事の悩み、なんでも構いません。
相手に話してもらうということが大事です。
理想を聞いてイメージさせる
悩みについて聞き出せたら、次にすることは理想です。ここでは悩みを解決したら見える理想をイメージさせていきます。
だから、工場建設以外の悩みに関しても理想を聞いてください。そして、大事なのは、理想を手に入れた時の感情です。相手がどんな感情を抱くのかを自分自身で味わってもらい、一緒に共有していくのです。
理想が手に入らない理由が分かる
そして、ここまで来ると見えてくるものがあります。それは「理想が手に入らない理由」です。壁となる現象があることが分かります。
話している相手は気づいていないこともあります。だからこそ、まずは気づきを与えるという意味で、理想が手に入らない理由を話すのです。
ここまでの流れが機械的ではなく、自然な話の流れでできるようになるのが理想です。
相手は、何かを売りつけられると警戒しています(最初からそれが目的ならOK)。この警戒心を解くことが必要です。いきなり工場建設の話をしても相手にされません。まずは心を開いてもらうことが必要です。
お客様の問題を解決する工場建設を提案する
では、上記の流れから工場建設の提案までに、もう一つだけ段階を踏んでください。それは「理想が手に入らない理由(問題)の解決策」を伝えてください。
一度、時間をもらい二度目の訪問を約束してもいいでしょう。むしろそれができたら、良い関係を始まりつつあります。
「あなたの悩みは私が解決できます。」とお客様に印象づけてください。そうすることで、あなたの信頼度が上がります。
すぐには工場建設とはならないかもしれませんが、お客様は「また話したい」と思っています。あとは気持ちが離れないようにフォローを続けてください。何もしなければ忘れられます。
上がった信頼度を落とさないようにしてください。
工場が抱えている問題点を知る
実際に、工場建設という具体的な話が出てきたら、お客様から工場での悩みを聞くことになります。
工場での問題点は、業種の違いによる問題以外は、あまり違いがありません。
だから、事前にどんな問題点を抱えているのかを知っておくことをオススメします。
5Sが実現できない
経営管理手法と言われる「5S」が実現されていない工場が多いです。
5S の内訳と現状はこちらです。
・整理(必要なものと不要なものが分けられていない)
・整頓(決められた場所に機材などが置いてない)
・清掃(ゴミや汚れが放置されたままであり、掃除されていない)
・清潔(綺麗な場所を維持できていない)
・しつけ(マニュアル、ルールが守れない)
広い工場の中で、目が行き届かないところもあります。どうしたら徹底することができるのか?
意外と当たり前のことができてなくて悩んでいる企業は多いです。
トラブルのたびに生産ラインが止まる
生産ラインは、言わば利益を生み出す場所です。ここが止まることはゼロにしたいはずです。
どこに問題点があるのか?人・部品・機械のどこに問題があるのか?
様々な角度から問題を考えてみましょう。参考となる資料があれば読んでみるのもオススメです。
商品の品質維持
工場で製造した商品にクレームが入るのもゼロにしたいです。改善点として受け止められることはいいのですが、店頭に並んだり、納品後のクレームは問題が大きくなります。
こちらも生産ラインの問題と同様に事例を集めてください。どのように改善したのか、対応はどうしたのかを参考にすることができます。
従業員の安全
従業員の安全は絶対です。労災は企業の印象を悪くします。人手不足に拍車がかかります。
こちらは5Sの徹底が不可欠であること、さらには問題を放置しておかないことがポイントです。
企業側に落ち度がなくても、工場での事故は安全管理として指導が入るので、悩みや問題点を見つけたときには、少しでも早く伝えて改善する方に話してあげることも必要です。
工場の問題点を洗い出すメリット
表面的に見える問題点は、誰にでも分かります。けれど、見えない分かりにく問題点というのは、誰もがすぐに把握できることではありません。
だからこそ、問題点を洗い出すことにメリットがあるのです。
一緒に考えることで仲間意識が生まれる
本来なら外部の人間であり、知られたくないこともあるはずです。ましてや営業であれば、無理な勧誘や売り込みを警戒されやすくなります。
しかし、手順さえ間違えなければ、お客様はきちんと話を聞いてくれますし、頼りしたいなと思うはずです。だから工場建設という目標はすぐには達成できないかもしれませんが、信頼を得て仲間のような意識が生まれることは間違いありません。
経験を踏まえて予測される問題を話す
さらに、信頼を確実なものにするには、まだお客様が気づいていないような問題点を話すことです。こちらも工場建設に関してはプロです。動線やレイアウトなどいずれは問題となることは分かるはずです。
こうした問題点があることを伝えておくのも、相手の心に刺さります。
信頼関係は少しずつ築くこと
建設業界全体が上昇しているからといって、上から話すようなことをすれば相手にされなくなります。また、話し方、所作なども見られています。
そんなことはどうでもいい思うかもしれませんが、お互いに気持ちよく仕事がしたいなと思えば、自分の価値観に近い人、理解してくれる人が選ばれていきます。
工場の問題点などを聞きながら、相手の人となりクセや趣味趣向などを聞いておくのもベストです。
今は財布の紐が緩いといいますが、まだまだ厳しい面はあります。しっかりと状況を見ながら、一緒に問題解決をして、お客様との信頼関係を築いてください。