この記事では次の内容をまとめています。
- システム建築メーカーとは
- システム建築メーカー比較
システム建築で建物を建てようと考えている、どのメーカーを選べば良いか分からないという方が知っておくべきことを全てまとめました。
システム建築メーカーとは
システム建築は設計、部材の調達、施工とあらゆる工程がシステム化されている工法です。
システム建築メーカーはこのシステムを商品として用意しています。
一般的に、システム建築による建設はシステム建築メーカーと施工業者が連携して行われます。
商品によって特徴や強みがそれぞれ異なるため、建設を依頼する前に建設会社がどのメーカーを扱っているかと、取り扱っているシステム建築の商品の特徴を知っておくことが大切です。
システム建築メーカー9社
この章では主なシステム建築メーカーと、その特徴をご紹介します。
1 | 横河システム建築 |
2 | JFEシビル |
3 | 日鉄物産システム建築 |
4 | 川田工業 |
5 | ナガワ |
6 | コア |
7 | 日鉄エンジニアリング株式会社 |
8 | 内藤ハウス |
9 | 日成ビルド工業 |
横河システム建築
yess建築というシステム建築の商品を持っている企業で、独自の鋼構造技術を生かした建設をしています。
システム建築を用いた工場や倉庫の建設実績は1万1千棟で、シェアNo.1を誇っています。加盟店は全国に1300社あります。
横河システム建築の強み
最大無柱スパン60メートル
柱のない空間を最大で60m作れます。
中間柱がある場合は最大120mです。
大空間があるとレイアウトの自由度が高くなり、効率的な作業動線を作れます。
オーダーメイド仕様
システム建築は設計や部材がシステム化されていることから、仕上がりの自由度が低いのがデメリットです。
しかし、yess建築は1mm単位で寸法に対応できるため、オーダーメイド感覚で設計をすることができます。
構造や設計について要望がある場合は遠慮なく伝えてみましょう。
JFEシビル
メタルビル建築というシステム建築を扱っています。
1970年にアメリカ生まれのシステム建築を導入しており、日本のシステム建築のパイオニアと言えます。
JFEシビルのシステム建築は工場、倉庫、事務所、店舗と様々な施設に使われており、1600万平方メートルの実績を誇ります。
代理店は全国に230社ほどあります。
JFEシビルの強み
コストパフォーマンスが高い
部材の軽量化や部材の数の削減によって、建設コストの削減を実現しています。
部材の軽量化や数の削減をしていると聞くと、機能性に問題が出ないか心配になる方もいるかもしれません。
しかし、JFEシビルのシステム建築では断熱性が高い建物が完成します。そのおかげで空調代の削減にも繋がります。
また、遮音性の高い外壁材や、吸音性の高い屋根システムを扱っているため、騒音対策も可能です。
3階建てにも対応
2階、3階、天井クレーン付きと様々な構造を選択できます。
日鉄物産システム建築
40年以上の実績がある、システム建築専業のメーカーです。年間供給は270件と豊富です。
- 平屋規格型
- 規格進化型
- 自由設計型
と様々なニーズに答えられるラインナップがあり、2階建てまで対応可能です。
北は北海道、南は九州まで、1500社を超える会員がいて、建設会社選びの相談もできます。
日鉄物産システム建築の強み
部材の安定供給
日鉄物産システム建築ではグループ会社である日本製鉄から鋼材を仕入れています。
そのため、供給が安定していて、部材を確保しやすく、調達に時間がかかりにくいです。
専門知識のある営業
営業担当者の6割が一級建築士または施工管理技師の資格を持っています。
専門知識があるからこそ、質の高い提案をしてもらえて、安心して打ち合わせができます。
川田工業
アメリカで70年に渡って発展してきた技術をベースとした「川田工業システム建築」を1993年に導入。
高品質、短工期、低価格を実現しています。
用途や地域の環境に合わせたベストな構造を選べるため、満足度の高い建設ができるでしょう。
川田工業の強み
屋根材と壁材のメリットが大きい
屋根材と壁材にはガルバリウム鋼板が使われています。
防食性は一般的な亜鉛鉄板の3〜6倍で、耐久性が高いのが特徴です。
また、壁材は自立できるほどの強度があることから、施工時に仮設足場が必要なく、高所作業車を使用するため、コストダウンに繋がります。
アフターメンテナンスまで対応
提案、設計、施工、アフターメンテナンスと、最初から稼働後まで一貫したサポートを提供しています。
そのため、コミュニケーションがスムーズにできるのがメリットです。
ナガワ
日本で唯一、システム建築専用工場を持っている会社です。
工場にて材料の生産から物流までを一貫して行なっています。
常に在庫をストックしているため、価格変動のリスクを抑えられて、短納期・低価格を実現することができます。
ナガワの強み
柔軟性の高い対応
ナガワでは次のような仕組みが構築されています。
- 建物の情報をコンピューターで管理
- CADで設計
- CAMで生産ラインへ発注
そのため、要望をすぐに反映させることができ、スムーズに計画を進められます。
徹底的な標準化で工期を短縮
ナガワのシステム建築はあらゆる場面で標準化しています。
例えば、現場でのボルト接合が標準化されており、溶接は一切不要です。
また、部材点数を最小限に抑えています。
そのため、施工にかかる時間は在来工法に比べてかなり短縮されます。
コア
工場と倉庫に特化した「コアシス建築」というシステム建築を扱っている会社です。
60m間隔で柱のない大空間を作れるため、開放的な工場や倉庫を実現できます。
耐雪や冷蔵といった細かいニーズにも対応できます。
コアの強み
登記まで一貫してサポート
コアでは打ち合わせ、設計、部材の調達、申請、登記までフルサポートし、依頼主側の手間を大きく省きます。
木造タイプも用意
コアシス建築には木造タイプのシステム建築商品があります。
木材は鉄に比べて軽いため、建物全体も軽く、地盤改良工事や基礎工事にかかる費用を節約できます。
木造の建物は減価償却期間が短いことから、節税のメリットもあります。
日鉄エンジニアリング株式会社
1万棟の建築実績があるシステム建築技術を扱っており、工場、倉庫、事務所などに使われています。
1972年に誕生した「スタンパッケージ」という商品には次のような特長があります。
- 完成度の高い標準化技術
- 高い鋼構造技術
- 高品質、短工期、納得価格
日鉄エンジニアリング株式会社の強み
新日鐵時代からのノウハウ
日鉄エンジニアリング株式会社には新日鐵時代から培ってきた鉄に対するノウハウや知識があります。
これを生かして適切な基礎を選んだり、鋼材重量を最適化したりするため、コストダウンや安心できる構造を実現します。
物流施設向けの商品も
「NSスタンロジ」という2階建物流施設向けの商品は企業の持つ技術を駆使して作られており、安全性と機能性が高いです。
内藤ハウス
自社開発・生産をしている会社です。
自社工場で部材を生産しているため、コストを抑えられます。
また、生産から施工まで行うことで短工期も実現しています。
内藤ハウスの強み
豊富な商品ラインナップ
10種類ほどのシステム建築商品が揃っており、それぞれ特徴が異なるため、多様なニーズに答えられます。
デザイン性を重視した建物から、すぐに稼働できる仮設の建物まであり、工場、倉庫、事務所、店舗、保育園と幅広い用途で使用されます。
日成ビルド工業
創業から60年のメーカーで、建築についてノウハウや実績を積み重ねてきた歴史があります。
- 最大スパン40mの平屋タイプ
- 最大スパン15mの2階建てタイプ
- 前面開口で意匠性も兼ね備えた中規模タイプ
など、多くのバリエーションがあり、工場、倉庫、店舗、ガレージ、ユーティリティースペースと様々な用途で使用することができます。
日成ビルド工業の強み
幅広い提案が可能
システム建築に限らず、プレハブハウスやユニットハウスなども取り扱っており、より依頼主の要望に合う提案をしてもらえます。
まとめ
国内には様々なシステム建築メーカーがあります。
それぞれ取り扱う商品の特徴やメリットが違っていて、企業によって建築実績も異なります。
そのため、要望に合うメーカーや商品を選ぶことが欠かせません。
もし、気になるシステム建築商品がある場合は、加盟店や代理店を探して問い合わせをしましょう。
1 | 横河システム建築 |
2 | JFEシビル |
3 | 日鉄物産システム建築 |
4 | 川田工業 |
5 | ナガワ |
6 | コア |
7 | 日鉄エンジニアリング株式会社 |
8 | 内藤ハウス |
9 | 日成ビルド工業 |