現役「足場鳶」が現場で心がけている3つのこと

建設現場に関わる職人の中で、「現場の華」と呼ばれるのが、「鳶職人」です。
安全帯一つで現場を飛び回る姿は、鳶が飛ぶように美しいものです。

その仕事内容は、常に危険と隣り合わせであり、過酷を極めるため成り手も少ないといわれています。
でも、実際に建設現場から鳶職人が消えてしまったら・・・。
瞬く間に工事は進まず、建物も完成することはできません。それほどに重要な役割のある鳶職人の仕事とはどんなものでしょうか?

鳶職人とは?

鳶職の歴史は古く、飛鳥時代には、鳶職だと思われる記述がすでにあります。
さらに、江戸時代には「町の火消し」と並び、冠婚葬祭や祭りを担い、町を活性化させ、守ってきた職人であり、町に欠かせない人として人気がありました。
現在でも、その名残りや風習を大切にしている地域があり、変わらず頼もしい存在です。

では、現代の鳶職人は、どんな仕事をしているのでしょうか?
これまでのように木造建築だけではありませんから、主に「足場鳶・鉄骨鳶・重量鳶」の3種類に分類され、それぞれの仕事に従事しています。

今回は、分類された1つである「足場鳶」の職人が、現場で心がけていることをまとめてみました。

足場鳶の仕事について

建物の基礎工事部分の土台ができると、いよいよ足場の組み立てに入ります。
足場を設置する目的は、「全ての作業効率を上げ、安全に作業できること」です。

建設現場には危険がつきものです。高所になれば、強風に煽れることもあります。
こうした危険を回避できるのが足場であり、建築現場には欠かせません。さらに、足場があることで職人は安心して作業を進めらるので現場での作業効率が自然と上がります。

足場鳶の仕事は、職人の命を守り安全に作業ができる現場作りができるのです。

足場の種類について

それぞれの現場に合った、作業効率を高める足場を組むために足場の材料はいくつか種類があります。

くさび式足場・・・住宅建築から高層ビルまであらゆる現場で使用される、足場です。凸凹した金具を組み合わせていきます

枠組み足場・・・軽くて強度のあるポピュラーな足場です。本足場と棚足場として使用されます

単管足場・・・古い文献によると、昔は木材が使用されていましたが、今はパイプへと変わりました。幅や高さの調整が可能です

吊り足場・・・橋の建設で用いられる上から吊り下げる足場です。足場の中でも危険性が高いため、有資格者が配備されます

先行足場・・・手すりとして設置される足場です。高所など安全面に配慮しています

移動式足場・・・足元にキャスターが付けられ、天井や壁の塗装の作業で使用できます

こうした足場の種類を使い分けて、現場の外と中での作業をそれぞれに支えています。

建築現場以外に求められる足場作り

実は、足場を必要としているのは、建築現場だけではありません。
例えば、

  • 電球交換など高い場所での作業
  • 工場内部の塗装工事
  • コンサートなどの設営

工場などの作業になると、稼働していない連休や夜間に作業することも珍しくありません。
知らないところでも大活躍ですね。

足場の組み方で、鳶の実力が出る

足場鳶の仕事は、各現場で決して形として残りません。工程に合わせて、足場を組み上げていきますが、建物の完成が近づいてくると、作業が終わった部分から解体が始まります。
私たち素人には、どれも同じような足場に見えますが、足場鳶の知識と経験によって全く違う足場が組まれているのです。

材料搬入から違う

常に現場は広く、搬入しやすい所ばかりとは限りません。

  • 現場が狭い
  • 材料を現場まで搬入できない

トラックに積んできた材料を現場まで運べないこともあります。そんな時には使用する材料も考えなくてはいけません。

まずは、現場の下見をして使用する材料を決め、搬入する順番を決めます。

組み立てながら、解体を考える

足場を組み立てるのは、建物を囲む外だけではなく、建物の内部でも組み立てます。そのため、出来上がってくる壁を考え、いつ、どこから足場を解体するのかを考えながら、組み立てていきます。

足場は最初に組み立て、他の職人の作業状況をみながら後日、解体されます。
周りの様子をみながら対応できるのも、実力の見せ所です。

現場で求められる足場鳶に必要な3つのこと

現場で求められるのは、やはり実力のある足場鳶ですね。
さらに実力のある足場鳶として、求められることが3つあります。

現場で活きる臨機応変な仕事

足場を組むために、搬入から緻密な計画が必要となります。
現場の状況・材料を搬入する順番・組み立てなど解体までの予定が決められます。

しかし、必ずしも作業が予定通り進行していくとは限りません。
現場での変更や天候による遅延があります。ある程度の予測はしていますが、そんな時にすぐに対応できることも実力のうちです。

足場の材料は、その現場に合わせて用意します。現場を何ヵ所も掛け持ちする場合があるので、用意した材料を変更することも決して容易ではありません。施主や現場監督も無理は承知ですが、だからといって妥協もできません。
どんな場面でも受け入れ、臨機応変に対応できるのは足場鳶としての経験値の違いです。

潜んでいる危険を伝える

建築現場には、多くの危険があります。
朝礼をはじめ、打ち合わせの際でも必ず「安全第一」が呼びかけられます。

多くの現場を経験してきた足場鳶なら建設予定の建物、さらには、作業状況から潜んでいる危険を察知することもできます。
事故が起きてからでは遅いので、様子を見て現場監督に伝えて足場を増やしたり変更することを提案します。

事故防止や怪我する職人が出ないようにするために、安全対策にも一役買っているのが足場鳶です。

周りとのコミュニケーションと挨拶

それぞれ仕事内容が異なる現場の職人同士ですが、意思の疎通ができていないと、良い仕事として結果を残していくことはできません。
足場鳶の場合は、仕事が形として残ることはありません。だから、せめても心に残る仕事をしようと心がけています。それは、作業だけに限らず言葉を交わす職人同士のコミュニケーションも同じです。
短い期間であったとしても、話した言葉や対応は人の記憶に残ります。さらには「また一緒に仕事がしたい」と次の仕事へも繋がります。

また、現場近隣への挨拶や対応が丁寧にできることも、職人として礼儀であり欠かせません。
現場周辺の状況にもよりますが基本的には、作業に入る前に現場監督や施主とともに近隣に挨拶して周ります。トラブルや苦情を極力避けられるようにしたいものです。

まとめ

いかがですか?
師匠につき足場鳶として一人前になった後は、独り立ちして丁寧な仕事を続けていくことになります。
安全で迅速な作業を求められる現場で、それを可能にするのは組み立てられる足場で決まると言っても過言ではありません。

積み上げてきた経験の違いによって足場の組み立ても変わります。
良い時もあれば悪い時もあります。その全てが活かされてこそ経験です。
現場の作業が終われば解体してしまうため、儚いものですが、それでもやはり足場は立派な作品です。

素人目に違いを見抜くことは難しいですが、足場を見て、現場で作業をすることで他の職人もまた、足場鳶の違いが分かります。
自分たちの作業効率が上がることを体感すれば違うので、実力のある職人とは他の現場でも末長く仕事がしたいと思うはずです。

こうして、現場での作業を流れや、足場のことを知ると、街を歩く時に建設現場が気になるようになります。
そんな時は、安全な場所から少し観察してみてください。同じ現場を見るのも知っているのと、知らないのでは、印象がずいぶんと違ってきます。さらには、足場を使用して作業をする他の職人の姿も見ることもできます。

現場を支える、足場鳶にも注目してみてくださいね。

 

 

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