倉庫は、さまざまな角度から分類に分けられやすいものです。
例えば、保管する温度によって「3温度帯」という常温倉庫・冷蔵倉庫・冷凍倉庫と分けることができます。このように、性能に合わせて倉庫はさまざまなタイプがあることが分かります。
さらに、性能以外にも分けられる分類としては「自社倉庫」と「委託倉庫」があります。
さまざまな商品が家にいながらにしててにすることができるようになり、これまで以上に取り扱う商品が増えています。商品が増えるということは作業が増え、人件費が増えるということになります。
こうした事情により、倉庫を増やすのか?という選択肢を迫られている企業もあるのではないでしょうか?
そこで今回は、自社倉庫と委託倉庫を比較していきます。
それぞれに良いところ(メリット)、課題となること(デメリット)を理解して、どちらの倉庫とすることがいいのか。今後の対策の参考にしてください。
倉庫の役割
倉庫には主に3つの役割があります。
・商品を保管する
・商品の品質を守る
・物流の拠点となる
商品を保管する、品質を守るという点では、生産者から消費者へ届けるまでに商品の価値を下げないために大切なことです。
そして、商品は生産者から消費者へダイレクトに届けられるわけではありません。倉庫から倉庫へと拠点を経由して届けられます。
これが倉庫の役割です。
倉庫の建設が増えている
現在、倉庫の建設が増えています。
理由は以下のように考えられます。
・取り扱いの商品が増えた
・事業拡大のための拠点作り
今や自宅にいながら商品が届くということで、インターネットを通じて取り扱われる商品が増えています。
商業施設で見ながら買うということが、もはやアナログ的な方法だとも言われています。しかし、その商業施設でも取り扱い商品が増えていますから、どちらに重きを置いても物流の必要性が分かります。
事業拡大に伴って拠点を増やすのは、取り扱う商品、お届け先が広域までに広がっているからです。
例えば、これまで旅行など遠くまで足を運んで購入していた物が家に届く。非常に魅力的です。また、過疎地などは生活必需品を古運輸することが困難なため、ネットスーパーなどを活用しています。
さらにはトラックなど配送業においては2024年問題があるため、今から物流の流れを見直す必要があるので、拠点作りは重要なポイントとなります。
自社倉庫とは
さまざまなポイントから倉庫のことを理解できました。
ここからは、自社倉庫と委託倉庫として、それぞれを比較していきます。
自社倉庫とは、自社の管轄で全ての業務が行われる倉庫をいいます。
自社にて行う作業は、商品の保管、管理、受注、決済、梱包、配送です。
一部、専門業者に任せるケースもありますが、責任者は自社スタッフとなります。
これらを自社倉庫として行うためには、作業別や配送の拠点として、多くの倉庫を建設する必要があります。
ここからは、自社倉庫のメリットとデメリットを確認してみましょう。
自社倉庫のメリット
自社倉庫のメリットは4つあります。
長期的なコストが抑えられる
委託倉庫にすると、作業料以外に手数料なども発生します。
もちろん、自社倉庫でもスタッフを雇用するので人件費は発生します。
この二つを天秤にかけると、長期的にみた場合は、自社倉庫の方がコスト抑えることができます。
顧客からの信頼度が高い
自社のスタッフが全ての業務に携わっているので、商品の扱いなど作業する人間がよく分かります。
自社内であれば、問題点に対しての改善も早いですから、顧客からの信頼は自然と高くなります。
取引する会社にとって、自分たちが知らない業者のスタッフに商品を預けるということは不安でもあります。そのため、任せられる業者を探しますが、裾野までは分かりません。
どちらが良いかといえば、自社の方に軍配が上がります。
トラブルを迅速に対応できる
万が一のトラブルにも、自社内で確認ができるので、すぐに対応が可能です。また、拠点が広域にあるので、現地にもすぐに駆けつけることができます。
トラブル時の迅速な対応は、その後の関係性にも大きく影響するので大切にしたいことです。
自社の物流システムができる
安全に配送すること以外に、早さを求められるのが配送です。
少しでも早く商品が欲しいというお客様に対して、他社に任せると他社のやり方となるため、ロスが生まれてしまいます。
しかし、自社内で配送、拠点を持つことで、お客様と自社にとって効率の良い方法を見つけることができます。それがオリジナルとなり、お客様の満足度にもつながります。
自社倉庫のデメリット
自社倉庫におけるデメリットは2つあります。
初期費用の負担
自社倉庫ですから、拠点となる倉庫を予め用意しなくてはいけません。そのため、建設にかかる費用、建物内の設備等、初期費用は莫大なものとなります。
人件費・諸経費の負担
倉庫が増えるごとにスタッフを古よしなくてはいけません。
繁忙期だけ雇うことは人手は増えますが、作業効率を落としたり、ミスが増えることも考えられます。
長期的に見れば、コストは抑えられても必要人件費は発生し続けるので、負担は大きいです。
また、光熱費など必要経費は大きあります。倉庫にて商品を保管することは品質を守ることなので、節約するというわけにはいきません。
委託倉庫とは
委託倉庫とは、他社の倉庫にて商品を置くスペースを借りる、そして、一連の業務を任せることをいいます。
委託先は、物流を専門とする企業となります。自社製品を持つのではなく、預かった商品を円滑にお届け流することを目的としています。
多くの場合、商品を預けて品質管理、受注、配送などほとんどの業務を任せています。
分かりやすい例を挙げると、Amazonが該当します。
委託倉庫のメリット
委託倉庫のメリットは3つあります。
他社に預けるメリットはどんなところにあるのでしょうか?
倉庫での作業スタッフはいらない
企業として大切なのは、商品を一人でも多くの人に知ってもらい、必要とされることです。ここに多くのスタッフを送り込みたいはずです。
もちろん、倉庫での作業スタッフも必要ですが、本音から言えば人員削減となれば候補の一つになることは間違いありません。
他社に任せて、企業本来の仕事をすることに集中できる環境が整います。
倉庫での諸経費が不要
自社倉庫のデメリットにも挙げましたが、光熱費など商品の品質に欠かせない経費が不要となります。価格高騰の中、こうした諸経費を抑えられることはありがたいことです。
他社の物流ラインが活かせる
物流ラインを構築するには時間がかかります。一から作ることを考えると、委託倉庫先の物流ラインに託すことで、自社より高い水準で商品を配送していくことができます。
委託倉庫のデメリット
委託倉庫におけるデメリットは4つあります。
他社に任すことで不安に思うことは、どこも同じと考えられます。
情報漏洩の不安
自社倉庫における信頼度の高さは、情報漏洩のリクスクが低いことです。自社のスタッフが自社の信頼を落としても何のメリットもありません。
しかし、他社となった場合、相手が信頼に欠けるという意味ではなく、どこかで漏れてしまう可能性があるということです。
作業の質を求めるほどに費用が上がる
一連の作業をお願いする、または質の高いサービスを求めたいとなれば、他社にとっては提供するサービスですから、料金もそれなりに高額となります。
希望通りにお願いすることに、どこまで対応できるのか。非常に難しいところです。
顧客満足度がわかりにくい
他社が入ることで、お客様の声を吸い上げきれない可能性があります。
梱包や配送に問題があれば、他社に声が届いたとしても、報告がされるかは不安があります。
商品の良し悪しも同じです。今後のためにも聞いておきたいけどできないという状況は考えられます。
物流の基礎ができない
他社のシステムを活用することで、自社での基礎を作ることは難しくなります。もちろん、物流のプロに任せたらいいのですが、今後、トラック問題などを考えると、自社でのシステム構築は不可欠ともいえます。
まとめ
自社倉庫、委託倉庫、それぞれについて比較してみました。
どちらにも良さがあり、さらに迷いが生じてしまうこともあります。
けれど、自社においてどんな展開を希望しているのかを考えてみると、答えは見えてくるはずです。
長期的に見ることでわかることもあります。
物流業界において、トラックや空輸など変化することがことが分かっているため、それらも踏まえておく必要があります。
必要な倉庫を理解していきましょう。