あなたの工場ではマニュアルを作っていますか?
きっと作っていない工場は少なくないと思います。
工場で行われる作業はたくさんあり、一つ一つ説明しようとすると大変ですから、マニュアルがあれば良いなと思いつつなかなか重い腰が上がらないのではないでしょうか。
しかし、作業マニュアルと作ると色々なメリットがあるため、作成を考えているならぜひ実行に移すべきです。
長い目で見ると会社の売上を上げることにも繋がります。
ただし、マニュアルはただそれらしいものを作れば良いわけではありません。
企業にとって良い効果をもたらすマニュアルにするにはポイントを押さえて戦略的に作ることが求められます。
そこで、今回は作業効率を上げる工場のマニュアルの作り方をご紹介します。
マニュアルを作ろうか迷っていた、マニュアルを作ったけれどあまり意味がないように感じているという方はぜひ参考にしてくださいね。
工場が作業マニュアルを作るメリット4つ
マニュアルを作るとあらゆる面で工場にメリットをもたらします。
これからそのメリットをご紹介するので、マニュアルを作成するか迷っている方はぜひ知っておきましょう。
製品の質が均一になる
マニュアルを通して正しい作業手順や品質水準を作業員に周知すると製品の質を均一にすることができます。
工場にとって質を一定に保つことは非常に大切です。
なぜなら、質の良いものがある一方で、悪いものも一定の割合で混じっていたら信頼性が低くなってしまうからです。
品質の不安定さに頭を抱えている工場はマニュアルを作ることでその課題が解決するかもしれません。
作業効率が上がる
工場の作業員がそれぞれ自分のやり方で作業していると、同じ工程でも早くこなせる人と時間がかかってしまう人が出てきてしまいます。
一方で、マニュアルに効率的な作業方法を載せ、全員が早く仕事をこなせるようになれば、1日の生産数が増えて、売上増加にも繋がるでしょう。
マニュアルを作るときは作業が早い従業員にヒアリングしながら最も効率が良いやり方を見つけ、それを手本として載せましょう。
新人教育が楽になる
作業マニュアルには新人教育が楽になるというメリットもあります。
新しい従業員が入ってきたら、誰かが手取り足取りやり方を教えなくてはならず、その間は作業効率が下がってしまいます。
しかし、マニュアルで作業方法を学んでもらうようにすれば、新人の教育にかける時間が少なくなり、効率を落とさずに済みます。
トラブルにすぐに対応できる
マニュアルに困ったときの対処法を載せておけばトラブル対応に割く時間を減らせます。
作業中にトラブルが発生すると製品の状態を確認したり、従業員から事情を聞いたりと対応に時間がかかってしまいます。
しかし、トラブルが起こったときにすぐに対処方法を知れる状態にしておけば、現場の人間だけでスムーズに解決できるようになります。
工場の作業マニュアルに書くべき項目6つ
作業マニュアルを導入することで効率化を実現するには内容にこだわる必要があります。
そこで、工場の作業マニュアルに載せるべき内容をご紹介します。
手順
マニュアルに欠かせないのが作業手順です。
一連の流れをどのようにやるのかを説明することで、マニュアルを見るだけで作業ができるようになります。
また、慣れてきた頃に正しいやり方を忘れていないか改めて確認するのにも役立ちます。
製品の品質の水準
製品の品質を一定に保つために品質水準も記載しておきましょう。
基準を理解してもらうことで品質の悪い製品が出荷されるのを防ぐことができます。
トラブル対応方法
先ほども説明したようにトラブルの対処法も記載しておきましょう。
起こる可能性が高いトラブルや、過去に実際に起こったトラブルを例に挙げることで実用性の高いマニュアルになります。
どんなトラブルが起こりやすいか現場の従業員の意見を聞いてみても良いでしょう。
作業のコツ
ただ手順を記載するだけでなく、コツも記載しましょう。
スムーズに作業を進められる方法が分かれば作業スピードが早くなりますし、新人のスキルも身につきやすくなります。
チェックリスト
作業をするにあたって理解しておくべきことをチェックリストでまとめると親切です。
自分の作業内容を改めて振り返るとき、マニュアルを1から見直さなくても、チェックリストを確かめるだけで簡単に振り返れます。
悪い例
マニュアルといえば正しい手順を載せたものというイメージを持つ方が多いと思いますが、敢えて悪い例も載せることでより理解が深まります。
最初にNG例を頭に入れていれば、同じように行動してしまうのを防げるのでミスが発生する確率を減らすことができます。
工場の作業マニュアルの作り方5ステップ
良いマニュアルになるかどうかは作成の段階にかかっています。
作業効率を高めるマニュアルの作り方をご紹介するので、この流れに沿ってマニュアル作りを進めましょう。
一連の作業の流れを洗い出す
まずは工場内で行われている作業を全て書き出しましょう。
経営陣だけで考えると見落としてしまうこともあるので、現場の人間にヒアリングしながらリストアップしても良いでしょう。
一連の流れを把握したら適切なところで分けて、それぞれの作業においてマニュアルを作りましょう。
効率の良い手順を探す
生産効率を高めるために欠かせないのが、効率の良い作業手順を載せることです。
正しいやり方を従業員に周知することで全体の作業スピードが早くなります。
現場にヒアリングしながら最も効率的なやり方を見つけましょう。
必要な項目を書き出す
手順、品質水準、トラブルの対処法といったマニュアルに記載する項目を書き出しましょう。
手順だけでなくこうした内容を充実させることで、あらゆる場面で役に立つマニュアルになります。
マニュアルの素材を集める
マニュアルを作る際に欠かせないポイントが分かりやすくすることです。
いくら必要な情報が書かれていたとしても、説明が分かりづらく、従業員に伝わらなければ作った意味がありません。
そこで、文字だけでなく、写真や動画も活用したマニュアルを作りましょう。
実際の様子を見せることでより理解が深まります。
写真や動画を使えば作業内容を言葉で説明する手間が省けるので、作成側にとっても便利です。
現場に足を運び、必要な素材を集めましょう。
体裁を整えて完成
素材が集まったら、従業員が見やすいように体裁を整えましょう。
写真や動画は文字入れなどの編集をすることでより分かりやすく伝えられるでしょう。
完成したら従業員に配布し、誰でも見られるようにしましょう。
工場の作業マニュアルを活用するポイント3つ
マニュアルは完成したらそれで終わりではありません。
完成後もひと工夫することでより活用することができます。
最後に工場の作業マニュアルを活用するポイントを解説します。
実際に使った従業員に感想を聞く
マニュアルを配布したらぜひ感想を聞いてみましょう。
「ここが分かりにくかった」、「この部分は文章では分かりづらいので写真で例を見せて欲しい」など、意見を通して改善点が見えます。
また、新人にもマニュアルを見た上でよく分からないところはないか聞いてみると、他の従業員にはない新鮮な意見が聞けるかもしれません。
必要があれば内容を改善する
従業員の感想を聞いた上で修正が必要だと感じたところは適宜改善しましょう。
この作業を繰り返すことによって誰にとっても使いやすいマニュアルになっていきます。
マニュアル導入後の変化を調べる
作業マニュアルを導入する目的の1つである効率化についても分析しましょう。
マニュアルを導入してから以前よりも生産効率が高くなっていれば上手くマニュアルが機能している証拠です。
反対にあまり変化がないように見られたら、従業員に手順を周知できているか、もっと良い手順はないかといった部分を見直しましょう。
まとめ
作業マニュアルを導入すると、作業効率が上がったり、品質を一定に保つことができたり、新人の教育が楽になったりと様々なメリットがあります。
工場全体のマニュアルを作るのは決して簡単な作業ではありませんが、それでも得られる効果は大きいです。
写真や動画を撮ったり、文章を考えたりするのも骨が折れる作業ですが、一度マニュアルができてしまえば、あとは細かい修正を加えるだけで長く使うことができます。
ぜひ、工場の業績アップに繋がる良いマニュアルを作りましょう。