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工場がクリーンルームを導入するときに知っておくべきこと

工場がクリーンルームを導入するときに知っておくべきこと

この記事では次の内容をまとめています。

  • クリーンルームとは
  • クリーンルームに必須の4原則
  • クリーンルームを導入するメリット

工場にクリーンルームを導入しようと考えている方が知っておくべきことを全てまとめました。

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目次

クリーンルームとは

清浄度を一定のレベル以下に管理している部屋のことです。

空気中のホコリや微生物を排除し、また、外部からゴミや不純物を持ち込まないようにするなど、清浄度が保てるよう、様々な仕組みを整えています。

半導体や医薬品など、あらゆる業種の工場で導入されており、目に見えないほど小さな微粒子や微生物を排除することで、異物混入や不良品の発生を防ぎます。

工場のクリーンルームの仕組み

クリーンルームは部屋の清浄度を管理するために様々な環境や設備を取り入れています。

例えば次のようなものです。

  • 室内の圧力をコントロール
  • 気流の向きや速さを調節
  • 空気を清浄化するフィルターを設置
  • 入り口にエアシャワーを設置
  • 温湿度管理を徹底
  • 除電設備を設置

クリーンルームのクラスとは?

クリーンルームには清浄度によって分けられる「クラス」というものがあります。

クラス分けの基準は規格にも寄りますが、「単位体積あたり、いくつの微粒子が含まれているか」という基準で判断されます。

クラスが小さいほど清浄度は高いです。どのクラスの清浄度にするべきかは、製造する商品によって異なります。

業種別クリーンルームの特徴

この章では業種別のクリーンルームの特徴をご紹介します。

半導体

半導体の製造工場は少しのホコリもないのが望ましく、特に清浄度の高さが求められます。

医薬品

直接体内に入れるものを製造するため、ウイルスやバクテリアを除くフィルターを設置し、無菌状態を目指します。

電子機器

清浄度の規格の1つである「ISO」のクラス5〜7くらいの清浄度が求められます。

空気中の微粒子などによる異物混入対策が必要です。

フィルム製造

フィルムの製造工場ではホコリやゴミが製品に付着しないようにすることが大事です。

こうしたものは静電気により付着するので、帯電防止床を導入するなど、静電気対策を行う必要があります。

クリーンルームに求められる4つの原則

この章ではクリーンルームを導入する際に意識すべき4つの原則をご紹介します。

①異物を持ち込まない
②発生させない
③堆積させない
④排除する

異物を持ち込まない

空間の清浄度を保つにはそもそも異物を外から持ち込まないことが大切です。

そこで、クリーンルーム外から物を持ち込む際は洗浄します。

また、入り口には勢いよく風が吹き付けるエアシャワーを設置し、荷物や従業員に付着しているゴミや髪を取り除きます。

発生させない

外部から持ち込んだ道具から微粒子やゴミが発生するケースがあります。

そこで、筆記具や製造に必要な道具はクリーンルーム専用のものを用意し、それを利用するようにします。

堆積させない

万が一、異物が入り込んだとき、室内に堆積してしまうと混入のリスクが高まります。

そこで、掃除がしやすい環境を作ることが大切です。

例えば、床に凸凹があるとゴミが溜まる場所ができてしまうので、床の表面はできるだけ平らなものにするのが望ましいです。

排除する

室内に入った異物は排除しなければいけません。

そこで次のような対策が取られます。

  • 発塵部のそばに排気設備を設置する
  • 気流がスムーズに流れるようなレイアウトを作る
  • ホコリやゴミが静電気で製品に付着するのを防ぐため除電システムを導入する

工場がクリーンルームを導入するメリット3つ

この章では工場がクリーンルームを導入するメリットをご紹介します。

①品質管理が安定する
②異物混入を防げる
③企業の信頼性が高まる

品質管理が安定する

クリーンルームのメリットといえば品質管理が安定することです。

ホコリ、髪の毛といった異物が室内に入らないように対策がされているので、不良品が発生する確率を下げることができます。

不良品率が低下すれば、廃棄コストや、不良品の対応に当たる従業員の人件費のコストを抑えることができます。

異物混入を防げる

クリーンルームは異物混入を防ぐことができます。

異物混入は工場における永遠の天敵ですよね。

医薬品や食品は直接体内に入れるものなので、特に気をつけばなりません。

企業の信頼性が高まる

クリーンルームの導入は企業の信頼性を上げます。

清潔な製造環境を用意していると、消費者の安心に繋がるからです。

反対に、十分な衛生対策をしておらず、不良品がいくつも発生したり、異物混入が起きたりすれば会社の信用は一気に落ちてしまうでしょう。

工場がクリーンルームを導入するデメリット4つ

この章では工場がクリーンルームを導入することで考えられるデメリットをご紹介します。

①初期コストがかかる
②ランニングコストがかかる
③レイアウトに制約がある
④従業員教育をしなければならない

初期コストがかかる

まず、クリーンルームを導入しようとするとコストがかかります。

クリーンルームは普通の部屋とは異なり、清浄度を保つためにフィルターなど特別な設備や装置を導入するからです。

また、入り口にエアシャワーを設置するのもクリーンルームならではですね。

ランニングコストがかかる

クリーンルームは初期費用だけでなく、ランニングコストもかかります。

なぜなら、先ほどご紹介した

  • 異物を持ち込まない
  • 発生させない
  • 堆積させない
  • 排除する

この4原則を守るためには常に機器や装置を稼働させなくてはいけないからです。

電気代がかかりますし、万全の状態で稼働できるよう、こまめに点検を行うことでメンテナンス費もかかります。

レイアウトに制約がある

既存の工場にクリーンルームを新しく設置する場合、スペースの大きさの関係で実現できないこともあります。

従業員教育をしなければならない

クリーンルームを活用するためには外部から入室する従業員の教育が不可欠です。

なぜなら、いくら設備が整っていても、従業員の意識が低く、菌やゴミを持ち込んでしまうと意味がないからです。

そのため、クリーンルームを導入するなら従業員の教育に時間を割く必要があります。

クリーンルームに入る前に従業員がすべきこと3つ

この章ではクリーンルームに入る人がすべきことをご紹介します。

①クリーンウェアを着用する
②粘着ローラーでウェアのゴミを取り除く
③入室前にエアシャワーを浴びる

クリーンウェアを着用する

まず、専用のクリーンウェアを着用します。

従業員個人の服で入室するとホコリやゴミを持ち込んでしまう可能性が高いからです。

粘着ローラーでウェアのゴミを取り除く

入室直前に粘着ローラーをウェア全体にコロコロ転がし、髪の毛やゴミを取り除きます。

クリーンウェアを着るだけでなく、ここで一手間加えることで、より徹底した対策ができます。

使い終わった後は粘着シールを一周分剥がし、捨てましょう。

入室前にエアシャワーを浴びる

エアシャワーは勢いの強い風が出る部屋で、クリーンルームの前に設置されています。

風を吹き付けることで荷物や人間に付着した髪の毛、ゴミ、ホコリを取り除きます。

外部からの空気が直接クリーンルーム内に侵入しないよう、外部に接した扉とクリーンルームに接した扉は同時に開かないようになっています。

クリーンルームの種類3つ

この章ではクリーンルームの主な種類をご紹介します。

一方向流方式

天井に設置されたファンフィルターから床に向かって一定方向に空気を流すものです。

絶えず空気が循環するため、浮遊物が発生しにくく、高い清浄度を保てるのがメリットです。

一方で、電気代を消費しやすいのはデメリットです。

非一方向流方式

乱流方式とも呼ばれます。

天井、壁、排気口などにファンフィルターを設置するものです。

一方向流方式とは違い、一定方向ではなく乱れた気流が発生します。

微粒子などを拡散・希釈することにより部屋全体が均一な清浄度になります。

ただし、この方式では空気が留まる箇所が発生するため、清浄度のレベルは一方向流方式に劣ります。

設備費やランニングコストが安く済むのはメリットです。

その他

他にも

  • 水平層流方式
  • クリーントンネル方式
  • ハイブリット局所方式

といった方式も存在します。

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まとめ

クリーンルームは高い清浄度を保つ部屋で、半導体、食品、医薬品など、様々な業種の工場で導入されています。

既存の建物に導入することもできますが、スペースの都合上、導入できない場合もあります。

新しく建設する工場にクリーンルームを導入する際は、建設会社とよく打ち合わせをし、消費者が安心できる製品を作れる製造環境を整えましょう。

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この記事を書いた人

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