この記事では次の内容をまとめています。
- 廃棄物処理コストの削減方法
- コスト削減したい企業が知るべきこと
- 廃棄物処理にかかる費用
廃棄物の処理コストを少しでも削減したい企業が知っておくべきことを全てまとめました。
工場が廃棄物処理コストを削減する方法10選
この章では工場が廃棄物処理コストを減らす方法をまとめました。
1 | 現状を知る |
2 | 安い処理業者を選ぶ |
3 | 分別を徹底する |
4 | 廃棄物が出ない設備を使う |
5 | 社内でリサイクルする |
6 | ペーパーレスを進める |
7 | 不良品を減らす |
8 | 社内に処理施設を作る |
9 | 環境コンサルタントに聞く |
10 | 収集頻度を減らす |
現状を知る
まずは廃棄物の処理にどのくらコストがかかっているのかを知ることが大切です。
なぜなら、現状を知らなければどんな対策が有効かを知ることはできないからです。
例えば、
- どんな廃棄物が
- どれくらいの量出ていて
- その処理にいくらかかっているのか
ということを知ると、今抱えている問題点や、削減できそうなポイントを知ることができます。
いつもの業務と並行して行うのは大変ですが、成果を最大化するためにも一度現状を調べてみましょう。
安い処理業者を選ぶ
廃棄物処理を業者に依頼している場合はより安い業者を選ぶことでコスト削減になります。
回収料金は一律ではなく、業者が自由に決めることができます。
そのため、回収業者を変えるだけでコストダウンになる可能性があります。
ただし、ここで1つ注意点があります。
あまりに安い料金を提示する業者は警戒しましょう。
相場よりもかなり安い業者は指定の認可を受けておらず、違法な処理をしている場合があります。
こうした業者に依頼した場合、企業はたとえその事実を知らなくても罰則の対象となってしまいます。
違法業者に依頼するのを防ぐためには次の方法があります。
- 業者選定の際に複数の業者から見積もりをもらい、相場を知る
- 認可を受けているか確認する
- 産業廃棄物管理表(マニフェスト)を発行する
安心してコストダウンを行うためには認可を受けている安い業者を利用しましょう。
分別を徹底する
産業廃棄物を処理する際は分別を徹底しましょう。
なぜなら、分別されていない状態で業者に引き渡すと、処理費用が高くなりやすいからです。
例えば、ゴミの中にプラスチック、ガラス、木くずが入っているとします。
処理費用は廃棄物の種類よって異なっていて、費用が高いものもあれば安いものもあります。
例えば、1kgあたりの値段が次のように設定されているとしましょう。
プラスチック 60円
ガラス 50円
木くず 40円
このとき、廃棄物の中に各素材がどれくらい入っているかに応じて回収費用が決められそうですが、実際は一番費用が高いものだけしか入っていない想定で計算されます。
つまり、今回の場合、60円×廃棄物の総量で回収費用が決まります。
同じ工場でも常にゴミの混合割合が一定になるわけではないためです。
また、事前にゴミの混合割合を見ても、実際に引き渡すときに事業者が割合を変えていることもあり得るためです。
こうした理由から、廃棄物はきちんと分別し、種類ごとに引き取ってもらうことで安くなります。
廃棄物が出ない設備を使う
製造に使用する機械を変えることで廃棄物を減らせる可能性があります。
なぜなら、機械によって製造の過程で出るゴミの量が変わるからです。
古くてゴミが出やすい機械から、最新のゴミの量が少ない機械に変えれば廃棄物の量を削減できます。
新しい機械を買う際は廃棄物が出る量を選定基準の1つとして設けましょう。
社内でリサイクルする
これまで廃棄物として扱っていたものを、社内でリサイクルするという方法もあります。
別の用途で使うことができれば、ゴミの量を減らせます。
例えば、製造過程で出た木くずは燃料として再利用できます。
また、金属くずは業者によっては買い取るところがあるため、廃棄にコストがかかるどころか、むしろ収入になることもあります。
自社の廃棄物の中に再利用や有価物化できそうなものがないか考えてみましょう。
ペーパーレスを進める
紙ごみは工夫すれば大幅に減らすことができます。
例えば、コピーは極力両面を使うようにすれば、かなりの枚数削減になります。
また、社員に配っている資料を紙ではなくデータで共有するようにするというやり方もあります。
ペーパーレスが進めば用紙の購入費用も削減することができます。
意外とかさばりがちな紙ごみを減らすために社内でできる工夫を考えてみましょう。
不良品を減らす
製造過程でどうしても不良品は出てしまうものです。
しかし、これも立派な廃棄物の1つで、不良品が出ればその分廃棄物の量も増えてしまいます。
そこで、製造過程でロスが出ないようにするために対策を講じましょう。
製造ミスを減らすことができれば生産効率も上がりますよ。
社内に処理施設を作る
社内で廃棄物を処理できるようになれば、廃棄コストはかなり抑えられます。
特に廃棄物の量がいつも多い場合は恩恵が大きいです。
ただし、社内に廃棄物の処理施設を作ると多額のコストがかかるので、施設を作って元が取れるのかを初めにシミュレーションすることが欠かせません。
環境コンサルタントに聞く
環境コンサルタントとは、企業の環境対策をサポートする人で、廃棄物の再利用方法や廃棄物を出さない方法を提案します。
専門家なので、社内の人間だけで考えるよりも効果的な対策を期待できます。
また、社外から第三者の目線で状況を分析できるのもメリットの1つです。
外部に委託すると当然費用は発生しますが、社内の人間は普段の業務に集中することができます。
収集頻度を減らす
廃棄物は収集するたびに費用が発生するため、捨てる頻度を下げることもコスト削減の1つになります。
例えば、生ゴミは腐敗が進むため、こまめに捨てなくてはいけません。
しかし、温度の低い部屋で保管していれば腐敗するスピードを遅くすることができるので、頻度を減らすことが可能になります。
収集頻度が高い廃棄物の対応についても考えてみましょう。
廃棄物処理コストを削減したい企業が知っておくべきポイント3つ
この章では廃棄物の処理コストの削減に取り組む企業が知っておくべきことをまとめました。
1 | 違法業者に注意する |
2 | 社会貢献になる |
3 | 行き過ぎた対策はしない |
違法業者に注意する
先ほども触れましたが、廃棄物の回収業者の中には認可を受けていない違法業者が居る可能性があります。
こうした業者に回収を依頼すると認可を受けていない事実を知らなかったとしても罰せられてしまいます。
そこで、業者に依頼する場合は認可を受けているかを必ず確認し、怪しい業者とは取引をしないようにしましょう。
社会貢献になる
企業にとって廃棄物処理のコスト削減は社会貢献になります。
コスト削減のために廃棄物の量を減らせば、ゴミの量が減り、さらには処理の過程で生じる環境破壊を防ぐことができます。
企業は社会と深く関わりあう存在なので、環境問題に取り組むことは不可欠と言えます。
廃棄物の量を減らす取り組みをしていることをアピールできれば、社会からの評判も良くなるでしょう。
行き過ぎた対策はしない
廃棄物処理のコスト削減をするときには行き過ぎた対策をしないように心がけましょう。
例えば、紙の使用量を減らそうとするあまり、本当に必要な場面にも関わらず、使わないように部下に強いると、決して部下は良い顔をしないでしょう。
また、不良品の発生率を極限まで減らそうとして現場の社員に厳しく当たれば、社員の士気を下げてしまいかねません。
コスト削減も大事ですが、極端になりすぎないように気をつけましょう。
工場の廃棄物の種類
廃棄物の処理コストを下げるためにはそもそも工場でどんな廃棄物が発生しているのかを知ることが大切です。
以下に工場で出る廃棄物の例を挙げましたので、ぜひ参考にしてください。
・軟質プラスチック
・硬質プラスチック
・木くず
・紙くず
・金属くず
・ガラス瓶
・繊維くず
・汚泥
・燃え殻
・廃油
・廃アルカリ
・廃酸
・ゴムくず
工場の廃棄物処理にかかる費用
廃棄物の処理にかかる費用は回収業者によって異なります。
詳しい回収費用は利用を検討している業者に改めて確認しましょう。
単位はkg、100kg、トン、㎥と様々な表し方があるので、相見積もりをする際は注意しましょう。
まとめ
工場は廃棄物を処理する際に回収業者に依頼することがほとんどで、依頼するたびに費用がかかります。
必要経費ではありますが、工夫次第でコストを削減することは可能です。
ぜひ今回ご紹介した方法を用いて、コストを少しでも削減しましょう。
1 | 現状を知る |
2 | 安い処理業者を選ぶ |
3 | 分別を徹底する |
4 | 廃棄物が出ない設備を使う |
5 | 社内でリサイクルする |
6 | ペーパーレスを進める |
7 | 不良品を減らす |
8 | 社内に処理施設を作る |
9 | 環境コンサルタントに聞く |
10 | 収集頻度を減らす |