鉄骨を組み立てるプロの鳶職について|鳶職の種類から役立つ資格まで

鉄骨工場で加工され、現場に運ばれた鉄骨は、どのように組み立てられていくのでしょうか?
低層階の建物から超高層のビルまで、これらの鉄骨を組み立てるのは「鉄骨鳶」と言われる職人の仕事です。

鳶職と聞けば高所で危険を伴う作業というイメージがありますが、建築現場での無駄のない華麗な動きから「現場の華」と言われています。
でも、実際にはどんな仕事をしているのか?どうしてズボンはブカブカなのか?謎だらけです。

今回は、鉄骨鳶の謎について調べてみました。

鳶職は6種類に分けられる

まずは鳶職を知っていても、鉄骨鳶を具体的に知る人は少ないですよね。「鉄骨を扱う人」程度のイメージです。何も知らない人からみると、鳶職と一括りにしてしまいますが、実際には「鉄骨鳶」を含め、「足場鳶」、「重量鳶」、「橋梁鳶」、「町場鳶」、「送電鳶」の6種類に分けることができます。

足場鳶

その名の通り、建築現場にて作業用の足場やビルの外壁面に沿って組まれる枠組み足場を組み立てます。
足場の幅は約250~500mmです。これを頼りに現場で働く人たちは作業を進めていきます。作業の効率を向上させ、人命を預かり安全を確保するためには足場鳶として長年の経験や知識が必要です。

仕事が屋外のイメージですが、コンサートステージの設置でも足場が活躍しています。
さらに、組み上げた足場を解体するのも足場鳶の仕事です。

鉄骨鳶

鉄骨の扱いを専門に建築現場で働いています。高所での作業が多くクレーンで上げられた鉄骨をボトルなどで締めて固定していきます。
地上で作業と高所での作業とそれぞれに分かれて、安全に作業を進めていきます。

重量鳶

大型機械など、建物内部に設置、解体、運搬をします。重量物も様々で、50トンから1,000トンほどの物を扱います。これほどの重量物を設置するためには、ミリ単位での精度が必要とされます。

また、取り扱う物によっては、配管や電気工事なども行うので専門性の高い仕事です。

橋梁鳶

鳶職の中でも、特殊な現場であり専門性が高いです。
主な現場は、多岐に渡り高速道路や橋で、ダムや鉄塔ということもあります。
足場のない地上100mでの作業や、船のクレーンで上げられた鉄骨を固定していくなど、見守る側も圧巻の作業です。

町場鳶

一戸建ての木造住宅をメインとする鳶職です。
足場の他に、家の柱や梁もかける現場もあります。
「町丁場」という言葉もありますが、これは、一つの場所で作業する意味があり、マンションは「野丁場」と言われます。

送電鳶

送電線の工事ができる鳶職です。
7,000Vを超える架空送電線を支える鉄塔に登り、敷設や保守作業を行います。

鳶職として一括りにはできないほど、それぞれに専門性が高く特色があります。

鉄骨鳶の仕事は2班に分かれる

では、鉄骨鳶についてさらに深めていきましょう!

鉄骨鳶の仕事は、「下まわり」と「鉄骨の取り付け」の2班に分かれます。この2つの作業を合わせて「鉄骨建方」といいます。

下まわりの仕事について

下まわりとは、地上にて鉄骨にワイヤーを装着させ、クレーンにて高所へと上げます。
このワイヤーにかける作業を「玉掛け」といいます。

高所と違い安全で簡単な作業に思われがちですが、じつは非常に難しい作業なのです。

  • 鉄骨の大きさや形に合わせて吊り方を考える
  • 吊った後の鉄骨の角度を考える
  • 高所で作業が行いやすいように考える
  • 周囲に人が入らないように確認する

何より危険を回避することが絶対条件ですが、速やかに作業が行えるのも玉掛け次第となります。

玉掛けは、ワイヤーを一つ装着させるだけでも時間のかかる作業です。
安全性を考えれば、仕方のないことにも思えますが、そのために高所で待つ仲間を待たせるわけにはいきません。

  • 鉄骨の重さで変わるクレーンの速度
  • 必要最低限のワイヤー数
  • 鉄骨の吊り上げる順を考える

クレーンを上手に使い、無駄な時間を作らないことも現場では求められます。

鉄骨の取り付けについて

クレーンで上げられた鉄骨を取り付ける作業を行います。
一般家屋でも鉄骨を取り付け組み立てますが、やはりメインとなるのは地上より100m以上の高層ビルです。高所にて命綱一つで歩いたり、作業する姿は感心するばかりです。

高所で行う作業は、柱と柱を繋ぐ梁を治めていくことをいいます。その作業はとても繊細で、柱が傾いていたら梁はきれいに治りません。鉄骨を繋ぐボトルを正確に締めて固定していくことが重要です。

また、現場は屋外であり高所なので想像以上に過酷な現場です。
最も怖いのが、

建設物が高いほど風は強くなることです。

風が強いほど、クレーンで吊り上げられる鉄骨も風に煽られ、治めるべき場所に入らず取り付けも難しくなります。
自然相手の過酷な現場ですが、ここでも職人の経験や知識が活かされる場面でもあります。

2班を繋ぐタワークレーン

高層ビルの建築現場で一番高い位置にクレーンがあるのを見たことはありませんか?
通常のクレーンでは、その高層に届くことはないため、現場にて組み立て自力で上がっていくタワークレーンが使用されています。

その力は、1トンクラスの小型クレーンから最大で70トンのクレーンまで吊り上げることができます。
高層ビルなどの建築現場では欠かせないものです。

下まわりの玉掛けから高所での鉄骨の取り付けまで、一連の作業を繋ぐタワークレーンも鉄骨鳶の職人には欠かせないものです。

ワンランク上の鉄骨鳶になれる3つの資格

就職や転職に有利とされるのが、資格です。
資格を持っていることが条件であったり、即戦力になると企業側からみても評価は高いです。
鳶職といえば、職人の世界。資格とは無縁のように感じますが、さまざまな資格があります。

建築現場には多くの危険があり、事故を起こさないことは絶対条件でもあります。
全ての作業ではありませんが、「資格を有する者が、作業すること」を法律で定められています。
いまや、職人も資格がないと一人前として扱ってもらえない時代になりました。

ワンランク上の鉄骨職人になれる3つの資格をご紹介します。

玉掛け業者

先述でも鉄骨鳶の仕事として紹介した「玉掛け」の作業が行えるのは、資格を持つ職人のみです。
鉄骨を吊り上げるクレーンの運転免許だけでは、この作業はできません。

資格取得には、「技能講習」と「特別教育」の二つがあります。違いはクレーンの吊り上げる能力などです。技能講習では1トン以上、特別教育では1トン未満です。

鳶職人としても重宝される資格です。

建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者

鉄骨鳶として目指した資格です。
高さ5m以上の建築物において、鉄骨の組み立て・解体また変更の際には、必ず有資格者を配置することが法律で定められています。

この資格も技能講習がありますが、実務経験として鉄骨に関する作業を3年以上続けていることが条件になります。(学歴による)

鉄骨建方には欠かせない資格です。

足場の組立て等作業主任者

鉄骨鳶には関係ないように思われがちですが、この資格も現場で役立ちます。

吊り足場、張り出し足場、加えて高さ5m以上の足場の組み立て、解体または変更の際には、必ず有資格者を配置することが定めらています。

こちらも技能講習があり、足場組み立て等に関する実務経験が3年以上あることが、受講資格にあります。(学歴による)

足場の知識があることで、鉄骨鳶としての仕事の幅が広がります。

さらに目指したい資格!とび技能士

とび技能士は、鳶職人が取得できる資格の中では、最高位です。
将来、独立を考える方には目指して欲しい資格です。

とび技能士は、国家資格で1級から3級まであります。
各級によって受験資格は異なりますが、厳しい修行を積んできた成果を形として残すには、最適な資格です。
試験は、各都道府県職業能力開発協会が実施しています。詳しくはこちら

ニッカポッカは、身を守る仕事着

鳶職の強いイメージとしてあるのが、地下足袋にニッカポッカです。
でも、実際にニッカポッカを履いている理由を知っている人は少ないのではないでしょうか?

実は、ニッカポッカを履くことで高所で作業をする自分自身の身を守っているのです。

  • 動きやすい・・・高所では膝の曲げ伸ばしとスムーズな足運びが必須
  • 危険を感知する・・・狭い作業場で障害物など体に触れる前に分かり、危険を回避できる
  • 風を知る・・・高所で一番怖いのは風です。風向き・強さを知る目安となる

高所での作業は、常に危険と隣り合わせです。
ニッカポッカは自分の命を守るばかりでなく、吊り上げ作業などに影響する風を知り事故のない安全な作業にも一役買っていることが分かります。

まとめ

いかがですか?
高所で働く鉄骨鳶についてご紹介しました。

「現場の華」と言われることも納得ですね。
限られた場所と時間の中で、手際よく仕事することがより美しく、安全にやり遂げるコツでもあります。やはり、職人の経験と知識に勝るものはありません。

高所という場所でも地上と変わらない動きと作業をこなす鉄骨鳶の姿は、どんな現場でも完璧を貫くことが職人のプライドですね。

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