倉庫を必要とする企業は多くあります。そして、活用方法は様々で、物販、製造など物の流れを作る拠点として、商品を保管場所としています。
そんな倉庫は、個人の貸し倉庫のようなコンパクトな物ではなく、多くな建物になります。例えば、車の製造工場では組み立てから完成した車を一時的に置く場所を必要としますから、東京ドーム30個程度の広さが必要となります。
だからこそ、工場を建設するとなれば事前に決めておかなければいけないことが分かります。
今回は、工場を建設する時に最も大切なことと、やるべきこと、必要なことをご紹介していきます。
最も大事なこと:作りたい工場を具体的にイメージする
工場を建設する時は、車の組み立てをする、食品を製造、加工するなど、すでに目的は決まっています。
目的が明確であり、どのように活用されるのかも決まっています。しかし、これだけでは工場を建設するためには不十分です。
工場の建設で失敗しないために最も大事なことは「作りたい工場を具体的にイメージする」ことです。
目的や用途は明確であっても、建設する工場のイメージができていないと目的に合わせて使用することができません。
実際にどんな建物になり、動線をどうするのか考えていくことで、目的に合わせた工場を建設できるようになるのです。
しかし、いきなり言われてもお客様には伝わりません。打ち合わせを繰り返し行うことが大事なのです。
イメージを共有する
工場の建設には、設計から多くの人たちが関わります。コンセプトや建設する工場についてイメージを認知して、理解しておく必要があります。
イメージを含まらませ、具体的に決まったら、必ず全体にイメージを共有するようにしてください。何を建設するのか、どうしてここに工場を建てるのかなど理解してもらわないと作業に疑問が生まれたり、作業や考え方にズレが生じるようになります。さらには、建材を間違えたりミスを呼ぶようなことになります。
建設に入る前の段階だけでなく、建設中にも何度か話をする機会を設けることで、お互いの理解がさらに深まります。
工場建設でやるべき8つのこと
建設現場において大事なことは安全であることです。
常に危険と隣り合わせの現場で安全に作業をして、建物の完成を目指す必要があります。
そのためにやるべきこととして8つのことが挙げられます。
コンセプトをまとめる
最も大事であるイメエージとは、工場を建設する目的や稼働時期の目安などを決めることです。そのためにまずは基本的な内容と計画を明確してまとめることが必要です。
流れとしては企業側がコンセプトをまとめて、建設会社や業者に伝えていくものです。ここでの流れでお互いを知ることもできますし、理解を深めることができます。
業者を決める
イメージを形にするのが、建設会社と業者です。数ある中から選ばれるためには、コンセプトを聞き理解することが不可欠です。
また、工場の建設の経験があるかは大事なポイントです。経験値の高さ、また建設した建物の良し悪しは評価を大きく変え的ます。
基本設計
工場の建物、内部、動線など、様々な角度から設計を考える必要があります。設計士が基本的には行うことですが、現場に詳しい人間、建設に関わる業者などの意見は求められます。ここでイメージが理解できていないと意見することも評価することもできません。
建設する立場から見て経年劣化することや地震や火災など、こうした点からも必要なことを伝えていきましょう。
資材の調達
事前準備ができたら、建設に必要な資材や材料などを準備していきます。準備するものは施工管理、スケジュールに合わせる必要があります。建設現場に早くからそろえると邪魔になったり、品質に問題が出ることがあります。また、放火の原因になることもあります。
資材の発注から納品まで、丁寧に準備してください
施工管理
建設現場は、施工管理者からスケジュールが組まれ、納期に間に合うように作業が進められます。しかし、外での作業は天候によって予定通りにいかないことがあります。また、資材の調達が困難なこともあります。
こうしたうまくいかないケースを想定しながら、無理なくスムーズに進められることが理想です。予定が遅れてもリカバリができるスケジュールができると、慌てることが減ります。
現場周辺の住民、利用者への配慮
工場の建設となれば、土地を探す時点から住民や利用者への配慮が必要となります。
まずは、工場を建設することの説明と理解です。
これは、工場を建設する側の企業だけの問題のようにも感じますが、住民や利用者から見れば現場に関わる人、出入りする人全員、同じ人です。だからこそイメージの共有ができていないといけません。話の矛盾は不安を生みます。
工場が建設されることで環境へ問題、生活への影響を心配する住民が多いことを忘れてはいけません。最初の説明から実際に建設が始まってからも、住民や利用者への配慮は忘れないようにしてください。
建設後のことを考える
工場の建設において、建物を建てるだけではその役目は半分しかできていません。建設会社ですし、建設に関わる職人ですから建てることに全力を注ぎます。しかし、工場は完成してからが始まりです。イメージ通りの工場を稼働させることができているのかで評価が決まります。
では、どんなところで評価が左右されるのかといれば、メンテナンスとランニングコストです。
どんなに素晴らしい工場を建てることができても、少しずる経年劣化はしていきます。内装、外壁、屋根、建物以外にも空調、電気などもメンテナンスが必要になります。こうした、メンテナンスが必要となる部分を設計の段階から考えておくと稼働後の不安を減らすことができます。
メンテナンスは、故障やトラブルが起こらないように確認することだから、メンテナンスが面倒に感じるようでは、工場でトラブルを未然に防ぐことができません。やりやすさを考えて伝えることもトラブルを防ぎ、建設する側の評価も上がります。
また、ランニングコストについては、無駄な照明を減らす、空調を位置などこうした点を工夫するだけでも違いが出てきます。工場内での動線の邪魔にならず、コストを下げていくことは何度か調整がいるかと思うので、模型などを使いながらシミュレーションしてみるのもオススメです。
検査
建物の完成後は調査が入ります。まずは、建設会社にて納期前に行われます。建材の確認、設計と相違がないかなどを確認します。
その後、行政機よる正式な検査が入り、違法な点、消化器など設置の確認など、さらに詳しく検査が行われます。
この調査をクリアしないと、工場の使用許可がありないので関わった業者としては緊張が続きます。
本稼働前の試運転を見守る
許可が降りたことで、いよいよ工場の稼働に向けて動き出します。ここまで来ると、建設会社としても終わりが近づいてきます。
どんなに設計通りに建設したとしても、実際に稼働してみないとわからないことがあります。こうした不具合が見つかれば再調整できるのか打ち合わせが必要となります。いくつか方法を考えながら、現場を見て提案ができることが望ましいです。
工場の建設には、関わる多くの業者との連携が完成の良し悪しを変えます。
だからこそ、それぞれがバラバラに作業しても、全員が同じ方向を見て作業をしていくことが必要です。ここを疎かにすると、業者選定で勝ち残ることができないので、大事にしてください。