ランニングコストとは工場や倉庫を運営するために必要な維持費のことです。
例えば、水道光熱費や消耗品費などがこれに当たります。
ランニングコストはこれから先もずっと発生する費用なので、定期的に妥当な金額になっているかを見直す必要があります。
少し費用を削減するだけでも長い目で見るとかなりお金が浮くでしょう。
しかし、毎月当たり前のように払っているお金はどうすれば削減できるのか分かりにくいものです。
そこで、今回は工場や倉庫がランニングコストを下げるためのアイデアをご紹介します。
もっとお金を節約したい、無駄にコストがかかっていないか改めて確認したいという方はぜひ参考にしてください。
工場・倉庫がランニングコストを下げる方法12選
工場や倉庫でコストがかかっているものは意外とたくさんあります。
それぞれどうすればコストを下げられるのかを解説していきます。
自家水道システムを採用する
人が生きていくために欠かせない水は上水道を利用するのが普通と思っている方が多いのではないでしょうか。
しかし、実は自家水道システムを導入し、地下水を利用するという方法もあります。
地下水は当然利用しても費用がかからないので、水道代の節約になります。
ただし、システムを導入するには基本的にかなり費用がかかるため、元が取れるかどうかをシミュレーションして慎重に検討しましょう。
節水グッズを取り付ける
水道代を節約するなら節水機器を利用するという方法もあります。
例えば、蛇口の先に取り付けるだけで節水してくれるグッズがあります。
節水すると水の勢いが弱くなるので長時間流すことになり、結局流す水の量は変わらないのではないかと思う方もいるでしょう。
しかし、水量が少ないにも関わらず勢いよく出るタイプもあり、これなら物足りなさを感じることはありません。
グッズを買って取り付けるだけなのですぐに導入できるというメリットがありますよ。
省エネ対応の電球を使う
最近では広く知られるようになったLED照明は消費電力が少なく、電気代削減に繋がります。
値段が少し高いのがデメリットですが、長持ちするため、買い換える頻度は従来の照明に比べると少ないです。
工場や倉庫は広く、たくさんの電気を使うからこそ、LEDへの切り替えを考えてみてはいかがでしょうか。
太陽光発電を導入する
電力会社から電気を買うのではなく、太陽光を使って発電するため、電気代の節約になります。
詳しくはこちらの記事でまとめていますよ。
陽の光が入りやすい設計にする
太陽が出ている時間帯は電気をつけなくても十分周りが見えますが、あまり光が入らない建物では朝から電気をつけなくてはいけません。
一方で、天窓をつけたりして太陽の光がたくさん入る工場や倉庫にすれば昼の間は電気をつけなくてよくなります。
既に建物が建っている場合、今から天窓をつけるのは難しいですが、これから工場を建設する予定があったり、建て替えをしたりする場合はぜひ陽の光が入りやすい設計にしましょう。
エアコンの掃除をする
最後にいつエアコンの掃除をしたか思い出せますか?
エアコンは不調があったり、中にゴミが溜まっていたりすると稼働するのに普通よりもたくさんのパワーを使います。
すると当然、使用する電気の量は増えます。
長年エアコンの掃除をしていない、調子が悪いまま使い続けているという場合はぜひメンテナンスをしましょう。
エアコンの設定温度を見直す
暑い夏や寒い冬は快適な環境にするためにエアコンの温度を極端に上げたり下げたりしがちです。
このとき、エアコンはたくさん電気を消耗します。
エアコンの稼働によって電気を使いすぎないためには設定温度を会社側が指定するのがおすすめです。
極端すぎず、且つ従業員が快適に過ごせるような温度にしましょう。
契約する会社を見直す
現在、電力会社は自由に選べるようになっています。
もし、今の電力会社から別のところへ乗り換えると月々の電気代が安くなるかもしれません。
わずかな差でも、1年、3年、5年・・・と長期的に考えると大きな違いになるでしょう。
地域によって利用できる電力会社は異なります。
ネットを使って簡単に会社を探すことができるので、気になるところがあれば見積もりをしてもらい、安くなるところにお願いしましょう。
電気に限らず、ガスやネット回線の会社も乗り換えるとより安くなるかもしれません。
電話を格安SIMに変える
企業によっては社員にスマートフォンを支給しているところもあるでしょう。
通信料は意外と大きなコストになります。
最近、利用者が増えている格安SIMに乗り換えると、今までよりもかなり通信費を抑えることができます。
もし、通信料を長い間見直していなければもっと良い運用方法がないか改めて検討しましょう。
キャリアの乗り換えは新しく機種を買わなくてもSIMカードを変えるだけで簡単にできますよ。
監視カメラを導入する
人件費も会社の大きな出費の1つです。
警備員を雇っている会社の場合は、人を雇う代わりにセンサーや監視カメラを導入してセキュリティ対策をすればランニングコストを下げることができるかもしれません。
監視カメラなどの導入には当然初期費用がかかりますが、長く使えて、さらには録画ができていつでも見返せるという機能があるため、惜しくない出費になるでしょう。
WEB会議をして交通費を節約
実際に会うのではなく、ネット上で会議をするようにすれば交通費を浮かすことができます。
オンライン会議の経験がない人にとってはやりにくいと感じるかもしれません。
しかし、実際に会わなくても普段通りに意思疎通ができますし、資料も画面共有機能を使えば相手に見せることができます。
また、お金が浮くだけでなく、移動にかかる時間も節約できます。
コロナ禍によって対面で会うハードルが高くなっているため、この機会にオンライン会議を社内に取り入れてみてはいかがでしょうか。
車での移動はカーシェアリングを利用する
カーシェアリングとは自動車を複数の会員の間で共有するサービスのことです。
あなたも駐車場でカーシェアリング用の車が停まっているのを見たことがあるのではないでしょうか?
車を所有すると維持費や保険代など色々な費用がかかりますが、カーシェアリングを利用すればそういった費用が一切かかりません。中にはガソリン代がかからないものまであります。
もし、近くにカーシェアリングの拠点があるならおすすめですよ。
工場・倉庫でランニングコストを下げるときの注意点3つ
月々かかる費用が安くなれば会社にとっては良いことだらけです。
ただし、ランニングコストを下げるときにはいくつか注意しなければいけない点があります。
これからご紹介していくのでぜひ覚えておきましょう。
社員の理解を得ながら進める
ランニングコストの節約を進めるときには社員の協力が欠かせません。
それだけに社員の考えを無視して一方的に進めると反感を招くことがあります。
例えば、電気代を節約することを優先し、夏にエアコンの設定温度を高くすると暑すぎて仕事に集中できなくなるかもしれません。
また、会議を全てオンラインで行うようにすれば、IT機器に詳しくない社員は混乱に陥るでしょう。
社員あっての工場や倉庫だからこそ、社員の反応を見つつ、コスト削減を進めていきましょう。
複数の会社に見積もりをしてもらう
電力、ガス、通信費などの契約会社を改めて考え直すときは複数の会社に見積もりをしてもらいましょう。
最初から一社に決めるのではなく、いくつかの会社に見積もりを出してもらうことで、相場が分かり、より安いところを見つけることができます。
建設会社に希望を伝える
これから工場や倉庫を建設する場合、ランニングコストをできるだけ下げたいことを建設会社に伝え、どんな設備を導入するかをよく話し合いましょう。
そうすれば、最初から安いランニングコストで運用できますよ。
まとめ
ランニングコストは工場や倉庫を運用する限り、常にかかる費用です。
だからこそ、少しでも削減することで大きな違いになります。
今まで当たり前だったことを見直してやり方を変えるのは大変かもしれませんが、見返りは大きいです。
現場で働く社員のことも考えつつ、できる対策からしていきましょう。