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知っておくべき、工場や倉庫の消防対策!保険編

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「知っておくべき、消防対策!設備編」はご覧になられたでしょうか?今回は設備編に続いて保険編です。もしものときの備えとなる保険について考えていきたいと思います。
工場や倉庫では発火しやすい、引火しやすい、爆発の危険があるなど、火災につながる危険度が高いものを扱っていることも少なくありません。もし、火災が起こった場合、その大きさによっては、工場、設備、機械、商品や製品、原材料など多くの財産を失うことになり、経営にも大きな影響を及ぼすことになります。
そんなもしものときに役立つのが火災保険なのです。火災保険に加入していないと、万が一の事故の際に発生する経済的損失は莫大なものになってしまいます。今回は工場や倉庫に火災保険をかけるとき、知っておいた方がよいポイントをみていきます。

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目次

火災保険をかけるときに押さえておくべきポイント

はじめに、これから火災保険について検討するときに押さえておいた方がよいポイントをみていきましょう。すでに、火災保険に入っている場合は以下のポイントを照らし合わせながら、自社の入っている火災保険を再チェックしてみることをおすすめします。

新価払いの保険に入ること

一般的に、火災保険では受け取る保険金の支払い方法を「新価払い」と「時価払い」の2つから選ぶことができます。

 ・「新価払い」とは…同等のものを新たに建築あるいは購入するのに必要な金額が支払われること
・「時価払い」とは…同等のものを新たに建築あるいは購入するのに必要な金額から、「経過年数による価値の減少と使用による消耗分」を差し引いた金額が支払われること。簡単に言い換えると、建物や家財などの現在の価値ともいえます。

 工場で火災保険を契約する場合はできれば「新価払い」を選びましょう。「新価払い」であれば事故が起きたときに、劣化・経過年数・消耗分などが差し引かれずに補償を受けることができるからです。

「新価」で実態に沿った補償額を付けること

保険の補償額を設定するときにも「新価」がポイントです。建物・什器・機械など、それぞれ同等のものを新しく用意をするときに必要な金額で補償を付ける必要があります。入手時の金額が確認できれば、その金額を設定するのがベストです。中古で工場や機械を購入したときなど、新品を用意する金額が分からないときは、保険会社による評価を利用しましょう。例えば、所在地・面積・構造・作業の内容などから物の価値を算出することができます。
ただし、保険会社によって評価方法はばらばらなので、複数の保険会社に見積りを依頼し、それぞれの会社の評価を確認することをおすすめします。なお、建築年数や構造、立地によっては新価契約ができず、時価契約しかできないこともあります。この基準も保険会社によって異なるので、この点からも複数の保険会社に問い合わせをすることをおすすめめします。
適正な金額で補償をつけることにより、過剰な保険料の支払いを防げたり、事故が起きた時に十分な補償を受け取るといったことができます。

保険の掛け漏れが無いようにすること

工場や倉庫では敷地内に複数の建物があるケースも多いです。また、敷地内に新工場を建てた、新しい設備を導入したといったこともあるでしょう。そういう場合には補償を追加する必要があるので、契約内容の変更手続きや新たに契約をして補償を付けましょう。
あらかじめ、包括契約という方法で契約をしておくことで、掛け漏れを防ぐこともできます。包括契約とは、敷地内にある建物・什器・機械などをまとめて契約する方法です。保険会社によって、ひとつの敷地内にある建物などを包括する方法、複数の敷地内にまたがる建物などを包括する方法など様々です。契約時に包括契約の説明もしてもらうようにしましょう。

休業補償・稼動を継続させるための補償をつけること

工場や倉庫で火災が発生すると、操業・稼動自体が困難になり休業しなければいけない事態も考えられます。そういう状態に陥っても人件費などのランニングコストは掛かります。また、すぐにでも営業を再開したいというときには工場を借りるなどの緊急対応への急な出費が必要になることもあります。この様な事態に備え、休業補償・営業継続費用といった補償が必要です。

地震・噴火・津波などの天災の補償を付けること

通常の工場・倉庫向け火災保険では、地震・噴火・津波といった天災による事故の補償はありません。日本においては近年、地震の発生確率が年々上昇していること、天災による被害を自社で補てんするのが難しいことから、オプションにはなりますが地震保険を掛けることは検討すべきです。

爆発などで近隣に被害を与えた場合の賠償保険

工場などで火災が発生し、延焼・爆発などにより近隣の建物や住宅にも被害が及んでしまった場合は火災保険では補償されないことがほとんどなので、火災保険にプラスして賠償責任保険が必要となります。
すでに賠償責任保険に加入をしている場合は、施設が原因で起きた事故が補償されるかどうか、必ず確認をしましょう。また、賠償責任保険に未加入の場合は、必ず施設賠償責任保険がセットになっている企業向けの保険に加入することをおすすめします。

火災保険がカバーしてくれる事象は火災だけではない

火災保険はその名前から火災に対してのみの保険であると認識をしているかたも多いかもしれませんが、火災保険とは保険をかけている対象がさまざまな理由で被害にあったときに対応する幅広い保険であることが一般的です。
地震被害は含まれないため別途加入することが多いですが、それ以外の自然災害である洪水などの水災、落雷、車両の衝突などによる事故や、第三者による盗難被害なども含まれます。いくつか例をあげてみます。

・台風被害…台風の大雨による洪水で設備機器が被害を受けたが、設備の復旧費用をまかない被害を抑えることができ、早めの事業再開が可能となった
・設備による損害…清掃中に従業員がコードに引っかかり管理システムが故障したが、復旧の費用が支払われたため、すぐに新しいものを導入し回転率減少には至らなかった
・爆発による損害…設備が原因で工場に爆発が発生し、建物が一部損壊、撤去費用と建物の修理や休業などで損害が発生したが、いずれも損害保険金が支払われたため大きな損害とはならなかった

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まとめ

ここまで、工場に火災保険をかける際のポイントを解説してきました。事故が起きたときに十分な補償を受けるためにも、細かい部分までしっかりと確認をしたうえで、保険を掛けることが非常に重要だとご理解いただけましたでしょうか?
また、最近は自然災害も多く、実際に台風や豪雨などで火災保険未加入の工場が浸水し業務に必要な設備が損壊し、買い替えや修理にかかる膨大な費用を自費で支払うことになってしまったという事例もあります。天災等による予期せぬ出費に備えるためにも、火災保険加入は必要なことと言えます。
設備編、保険編と2回にわたって消防対策をみてきました。火災やその他の事故が起こらないように対策・予防をすることがもっとも重要なことですが、100%防ぐことはできないものです。多角的に消防について見直してみてはいかがでしょう?

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