この記事では次の内容をまとめています。
- 配送効率を高める方法
- 配送効率を高めるための準備
- 配送効率を高めるべき理由
配送をより効率的にしたい倉庫が知っておくべきことを全てまとめました。
倉庫が配送効率を高めるためにできること8選
この章では倉庫が配送効率を高める方法をご紹介します。
1 | 倉庫のレイアウトを最適化する |
2 | 倉庫内の動線の見直し |
3 | 共同配送 |
4 | 配送業務にAIを取り入れる |
5 | 拠点を集約する |
6 | 配送にドローンを導入する |
7 | 倉庫管理システムを取り入れる |
8 | モーダルシフト |
倉庫のレイアウトを最適化する
配送効率を高めるために建設前からできることがあります。
それは倉庫のレイアウトを最適化することです。
倉庫の作業効率にはレイアウトが大きく関わっています。
最適化されていれば、無駄な動線がないので効率よく作業を進められます。
建設会社によっては設計段階で最適な動線を提案してくれるところもあります。
ぜひ、建設会社を探す際は倉庫の建設実績が豊富なところを選びましょう。
倉庫内の動線の見直し
既に建設が終わっている倉庫の場合はいつもの動線を見直しましょう。
慣れている動線でも、実は無駄があるということはよくあります。
また、現場の従業員も「ここにこの机があるのが邪魔」「こうしたらもっと短い時間で作業が終わるのに」と普段から考えていることがあるかもしれません。
こうしたアイデアや問題を一度洗い出しましょう。
その上で、変えられる範囲でレイアウトを変更しましょう。
共同配送
共同配送を取り入れるという方法もあります。
共同配送とは様々な事業所や企業がそれぞれの荷物を持ち寄り、同じ方面の荷物を共同で配送するというものです。
1社だけの配送では積載率が低くても配送しなければいけませんでしたが、これなら積載率が上がり、さらには必要なトラックの台数も減ります。
さらに、コスト削減や環境に優しいというメリットもあります。
ただし、様々な企業が関わるものなのでトラブルが起きやすいというリスクがあり、ルール決めが欠かせません。
配送業務にAIを取り入れる
AIを取り入れると効率化が期待できます。
AIは様々な面で役立ちます。
例えば、適切な配車を提案することが可能です。
リアルタイムでのトラックの稼働状況や、あらゆる場所の交通状況などを考慮しながら決めるので、人間が考えるよりも適切な配車管理ができる確率が高いです。
こうした作業は人間も行えますが、積載率、ドライバーの勤務時間など、あらゆるデータを考慮した上で最適解を出すのは限界があります。
また、配車管理が属人化すると、担当者の考え方がパターン化されているために、より適したルートや配車方法があることに気づけなくなる可能性も出てきます。
AIを取り入れる際には費用がかかりますが、得られる効果はとても高いので、決して惜しくはない出費になるでしょう。
拠点を集約する
拠点がいくつもあると配送先までのルートが短くなり、最大限効率化できると思うかもしれません。
もちろん、そういったメリットはありますが、その一方で、必要なトラックの台数が増えたり、積載率が低下したり、荷物を複数の倉庫に分けて配送する手間が生じたりとデメリットもあります。
そのため、倉庫の現状によっては輸送網を集約した方が配送効率アップに繋がることもあります。
拠点を集約すれば、それまであった倉庫での人件費や賃料がなくなるというコスト面でのメリットもありますよ。
配送にドローンを導入する
物流業界では配送にドローンを導入する動きが出ています。
ドローンは空を移動するため、トラックのように交通渋滞や事故に巻き込まれる心配がありません。
また、道路がないので、倉庫から配送先まで最短距離で移動することができます。
こうした理由から、ドローン配送は従来のトラックによる配送よりも効率的に進められると予想できます。
人手が必要ないのも魅力の1つです。
ただし、安全上のリスクや、まだ一般化されている方法ではないという問題点があります。
倉庫管理システムを取り入れる
WMSとも呼ばれる倉庫管理システムは倉庫内のあらゆる作業を効率化できるシステムです。
配送業務に関連する部分では出荷伝票を自動で作成したり、最適な配送ルートを自動で選定したりします。
アナログな方法で行なっていたことを自動化するだけで、業務が一気に効率的になるでしょう。
倉庫管理システムには、そのほかにも在庫管理、入庫管理、棚卸しなど、あらゆる作業を効率化するため、導入する効果はとても大きいです。
モーダルシフト
国土交通省が推奨する配送の効率化の方法の1つにモーダルシフトというものがあります。
これは配送にトラックではなく船や鉄道を利用するというものです。
船や鉄道のメリットといえば一度に運搬できる荷物の量の多さで、ドライバーの人材不足にも対応できます。
さらには排気ガスの削減など、環境対策になる効果もあります。
ただし、船や鉄道は各荷物の最終的な配送先までは運ぶことができないという特徴があり、上手く配送に活用する方法を考える必要があります。
倉庫が配送効率を高めるためにすべき準備
配送効率を上げる施策に取り組む前にまずすべきことがあります。
それは現状の課題を明確にすることです。
施策を行い、効果を出すには課題を解決する方法を選ぶ必要があります。
考えられる課題としては次のようなものがあります。
- 梱包が終わってから配送に移るまで時間がかかりすぎている
- ドライバーの労働時間の長さが問題になっている
- トラック1台あたりの積載率が低い
このように、様々な面での課題があり、それに合う対策を選ばなければ、実施しても効果は出ません。
一度、何が課題になっているのか社内で話し合いましょう。
倉庫が配送効率を高めるべき理由5選
この章では倉庫が配送効率を高めるべき理由や得られるメリットをご紹介します。
1 | 配達量の増加 |
2 | ドライバーが不足している |
3 | 繁忙期に対応できる |
4 | コスト削減 |
5 | より良いサービスを提供できる |
配達量の増加
近年ではEC市場が伸びていることから、配達量も増加しています。
この傾向はこれからも続くと考えられており、ECサイトの商品を扱う倉庫では効率化ができていなければ需要増に対応できなくなってしまいます。
ドライバーが不足している
物流業界ではドライバー不足が問題になっています。
配送効率を高める方法の中には
- ドローン配送
- 共同配送
- 拠点の集約
- モーダルシフト
など、稼働するトラックの数を削減できるものがあり、ドライバー不足を解決します。
ぜひ、トラックドライバーの人材確保に悩んでいる企業はこうした対策を考えてみましょう。
繁忙期に対応できる
倉庫にとって繁忙期は業績を上げる良い機会です。
しかし、繁忙期は業務量が多く、残業が発生して従業員が疲弊し、現場から不満の声が上がることもあります。
また、せっかく需要があっても、現場のキャパシティに限界があり、受注できる数がどうしても限られてしまうこともあります。
配送効率が上がれば繁忙期に入っても余裕を持って業務量の増加に対応できるようになります。
コスト削減
配送効率が高まるとコスト削減になるというメリットがあります。
例えば、次のようなコストを減らすことができます。
- トラックドライバーの人件費
- 倉庫内業務に携わる従業員の人件費
- 燃料代
- 拠点の賃料
このように固定でかかっていたコストが削減されると、長い目で見てかなりの費用が浮くことになり、運転資金にも余裕が出ます。
より良いサービスを提供できる
近年、物流業界では荷物を早く顧客に届けることの重要性が高まっています。
中には当日中に発送することをウリにしている会社もあります。
配送効率が高まると顧客の元に届くまでの時間が短くなるので、顧客にとって大きなメリットがあります。
また、無駄な作業を減らすことで従業員への負担が減り、仕事に集中して取り組めるようになり、作業ミスが減るという効果も期待できます。
商品の入れ違いや宛先違いなどのミスは顧客にも迷惑をかけてしまうので、ミスが減るとサービスの品質を高められます。
まとめ
近年、EC市場の伸びによって物流業界の配送量は増加傾向にあります。
配送効率を最大限に高めておけばこうした需要にも対応できます。
また、現場で働く従業員の負担を軽減することもできます。
今回ご紹介した配送効率を高める方法の中で企業の課題を解決するのに使えるものがあれば、ぜひ取り入れてみてくださいね。
1 | 倉庫のレイアウトを最適化する |
2 | 倉庫内の動線の見直し |
3 | 共同配送 |
4 | 配送業務にAIを取り入れる |
5 | 拠点を集約する |
6 | 配送にドローンを導入する |
7 | 倉庫管理システムを取り入れる |
8 | モーダルシフト |