この記事では次の内容をまとめています。
・倉庫が繁忙期に備えてすべきこと
・物流倉庫の繁忙期
繁忙期に忙しくなりすぎないように対策をしようと考えている企業が知っておくべきことを全てまとめました。
物流倉庫が繁忙期に備えてすべきこと11選
この章では倉庫が繁忙期の負担を減らすためにすべきことをご紹介します。
1.スケジュールを確認する |
2.シフトを調整する |
3.動線の最適化 |
4.システムを導入して自動化を進める |
5.整理・整頓を徹底する |
6.機器のメンテナンス |
7.従業員の教育を行う |
8.人手を集める |
9.新人教育マニュアルを用意する |
10.アウトソーシングを活用する |
11.倉庫が抱えている課題を解決しておく |
スケジュールを確認する
まず、いつ頃忙しくなりそうか確認しましょう。
大体の時期の目安が分からなければ、対策に取り組んでも、繁忙期までに終わらないという事態に陥る可能性があります。
分かっている範囲のスケジュールを整理したり、過去の傾向を参考にしたりして、次の繁忙期を予測しましょう。
その後、繁忙期に備えてやるべきことをリストアップし、逆算しながら計画を進めましょう。
ただし、繁忙期は年によってずれることもあるため、余裕を持って準備を始めるのがおすすめです。
シフトを調整する
繁忙期に備えて従業員のシフトを調整しましょう。
早めに繁忙期のシフトを調整すると、人員が十分かどうかが分かり、もしも足りない場合は派遣やアルバイトを募集するなど、早くから対応に動くことができます。
また、この時期に人員を確保するには忙しくなると予測される時期を従業員に共有し、まとまった休みはその前後に取ってもらうようにお願いするという方法もあります。
既存の従業員の出勤率が高ければ高いほど、作業効率も高くなります。
動線の最適化
無駄のない動線が構築できていればピッキングにかかる時間が短くなり、繁忙期の慌ただしさを軽減することができます。
最適化するには様々な方法があります。
例えば、出荷頻度が高いものをピッキングを始める場所の近くに置けば、移動距離を縮めることができます。
また、保管場所がいっぱいで、荷物を仮のスペースに一時的に保管する状態が慢性化している場合も、繁忙期が始まる前にレイアウトを見直し、本来の保管スペースに置けるように調整しましょう。
仮のスペースに荷物を置いていると作業効率が下がります。
システムを導入して自動化を進める
倉庫内の作業は様々なシステムを使うことで自動化できます。
AGVとも呼ばれる自動搬送ロボットは商品が入っている棚を運んできたり、棚まで人間を案内したりと、ピッキング作業を効率化してくれます。
また、ハンディターミナルを導入すれば、バーコードをスキャンするだけで必要なデータを読み取るため、ピッキング作業や入出荷作業にかかる手間を減らしてくれます。
さらに配送の場面でも、AIに配車計画や配送ルートの選定を任せることで、自動化しつつ、最適な選択をすることもできます。
新しいシステムの導入には費用がかかりますが、得られる効果は大きく、さらには人員不足の解消などのメリットもあります。
整理・整頓を徹底する
単純なことですが、整理・整頓は非常に大事です。
なぜならこれが徹底されておらず、保管スペース以外の場所や通路に荷物があると、通路が通りにくくてピッキングの効率が落ちたり、つまずいて転倒して従業員が怪我をしたりと、様々なトラブルを引き起こすためです。
そこで、倉庫が散らかっている場合は一度、全ての物の置き場を決め、作業後にはそこに戻すことを徹底しましょう。
機器のメンテナンス
物流倉庫で使用する機器をメンテナンスし、万全の状態で繁忙期を迎えましょう。
もし、繁忙期の真っ最中にフォークリフトやコンピューターが止まってしまうと、倉庫作業全体に影響が出て、ただでさえ忙しい時期に忙しさが増し、最悪の場合は納期に遅れる事態が発生する恐れもあります。
トラックなどの配送車両も閑散期のうちに点検を済ませておきましょう。
従業員の教育を行う
従業員の作業スキルが上がると、全体の作業効率が上がり、一時的に物流量が増えても対応することができます。
そこで、忙しくない時期に人材教育に力を入れましょう。
作業を最も効率的に進める方法を導き出し、それを従業員全員に共有しましょう。
このとき、作業スピードが速い従業員の行動をヒアリングすると良いでしょう。
各々のやり方ではなく、効率的なやり方を実践してもらうだけで、作業が進むスピードが速くなります。
人手を集める
既存の従業員だけでは繁忙期を乗り越えられなさそうな場合は、外部から人手を集めましょう。
アルバイトを集めたり、人材派遣を利用したりと様々な方法があります。
ただし、人材が思うように集まらない場合もありますし、臨時の人材は仕事に慣れていないため、どうしても作業効率は低いです。
そのため、人材を集める前に、まずは社内での研修やシフトの調整などを行い、既存の戦力でできる対策をした上で募集するのが望ましいです。
新人教育マニュアルを用意する
繁忙期限定の人材に少しでも戦力になってもらうためには新人用のマニュアルを用意しましょう。
作業効率の良いやり方を教えて、それを実践してもらえば、たとえ新人であってもテキパキと仕事をこなし、繁忙期を支えてくれる頼もしい人材になります。
マニュアルを1から作るのは大変かもしれませんが、繁忙期はこれから先も何度も訪れるもので、マニュアルはその度に使用します。
そこで、時間をかけて良いものを作りましょう。
アウトソーシングを活用する
アルバイトや人材派遣ではなく、倉庫作業をアウトソーシングして専門の業者に依頼する方法もあります。
荷物の置き場もスタッフの数も増えるため、物流量が多い繁忙期とアウトソーシングの相性はとても良いです。
外注の良いところは倉庫作業の専門スタッフが作業にあたるため、作業品質が高くなることです。
アウトソーシングは繁忙期の忙しい時期だけ利用することができます。
アウトソーシングに関してはこちらの記事で詳しくまとめていますよ。
倉庫が抱えている課題を解決しておく
現時点で倉庫が抱えている問題があれば1つ1つ解消しておきましょう。
些細なことに思えるものでも、倉庫作業は毎日のように行うものなので、放置していると大きな影響が出ます。
例えば、ピッキングに使用する荷台の動きが悪く、作業スピードの低下を招いていれば、思い切って新しいものを購入することで無駄な時間が発生するのを防げます。
実際に現場で働いている従業員に改善したほうがいい点がないかヒアリングするのもおすすめです。
物流倉庫の繁忙期5つ
この章では倉庫のよくある繁忙期をご紹介します。
1.年末年始 |
2.3月・4月の引越しシーズン |
3.6〜8月 |
4.地域の食べ物の旬の時期 |
5.感染症の流行時期 |
年末年始
クリスマスプレゼントやお歳暮により物流量が増えます。
1年の中で最も忙しい時期と言っても過言ではありません。
年末には企業が休みに入るため、お歳暮の手配を早めに行うところも多く、11月くらいから忙しい時期がスタートします。
この時期は休みを取りたい人が多いため、人員の確保を計画的に行う必要があります。
3月・4月の引越しシーズン
引っ越しをする人が多い3月・4月も物流量が増えます。
特に、洗濯機や冷蔵庫といった家電や、タンスやテーブルといった家具類の需要が増えます。
また、進学や就職を控える人が必要なものを揃える時期なので、その他のジャンルの物も需要が増えます。
6〜8月
この時期はお中元により忙しくなる倉庫が多いです。
また、配送の面では、夏休みにより帰省したり、旅行をしたりする人が増え、移動先に荷物を送ったり、旅行先からお土産を自宅に郵送したりするため荷物の量が増えます。
地域の食べ物の旬の時期
先ほどご紹介した3つのポイントはどの地域にも当てはまる繁忙期です。
一方で、地域によって異なる繁忙期もあります。その代表が食べ物の旬です。
地域の特産品が旬を迎える時期に繁忙期となる倉庫もあります。
感染症の流行時期
コロナ禍のように、感染症が広まり、外出する人が減ると、ネットショップの需要が高まり、倉庫は忙しくなります。
このタイプの繁忙期は予測が難しいため、こうした状況にも対応できるようにするためにも日頃から作業効率を最大化する対策をしておきましょう。
まとめ
倉庫の繁忙期はかなり忙しくなりますが、あらかじめ対策を取っておくことで扱う荷物の量が増えてもパニックにならずに対処することができます。
繁忙期のスケジュールを早めに予測し、閑散期のうちにコツコツ対策をしておきましょう。