工場が引き起こしがちな問題の1つが臭気です。
製造の過程で嫌な臭いが生じ、それが建物内や建物外に広がることがあります。
臭いが発生するのは仕方がないことですが、程度がひどかったり、常に発生したりすれば近隣の住民には大きく迷惑をかけてしまいます。
さらには苦情が会社だけでなく、市や町などの自治体に行くことも。
このように工場の臭気は様々な問題を引き起こすからこそ、対策をしなくてはいけません。
しかし、具体的にどうしたら良いのか分からない、自分たちの力だけでは解決することができないといった悩みが出てくるでしょう。
そこで今回は、工場がすべき臭気対策の方法についてご紹介していきます。
どうしても製造過程で臭いが発生してしまう、実際に臭気についてクレームが入ったことがあるという方はぜひ参考にしてくださいね。
工場が臭気対策をすべき理由3つ
扱う薬品や製造過程によっては臭気が発生するのは仕方がないことです。
しかし、「だからしょうがない」で済ませるのではなく、問題に対応すべき理由があります。
これからご紹介していくのでぜひ知っておきましょう。
近隣住民からのクレームを防ぐため
工場の近くに住宅がある場合、近隣住民からのクレームが発生する恐れがあります。
臭気が常に漂っていると不快に感じますし、洗濯物に臭いがつくことも考えられます。
住民に限らず、お店などの施設から苦情が入ることもあるでしょう。
実際に近隣からのクレームが入った経験のある工場は少なくなく、工場を経営するなら周りのことを考えて臭気対策に力を入れる必要があります。
行政から指導が入るのを防ぐため
クレームを会社に送っても臭気が改善しない場合、近隣の方は市や町などに相談するでしょう。
すると、行政から悪臭について指導が入り、最悪の場合は操業の停止を求められることもあるかもしれません。
工場が止まってしまうと当然生産活動を行うことができず、売上も減ってしまうので、クレームが入る前に、遅くてもクレームが入ったらすぐに臭気に対処するのが望ましいです。
従業員の作業効率を高めるため
悪臭に悩まされるのは近隣に住む人だけではありません。従業員にも影響を与えます。
近くで臭いを嗅ぐことによって気分が悪くなったり、不快になって作業に集中できなくなったりするでしょう。
すると、生産効率が落ち、企業にとってもデメリットが生じます。
工場が臭気対策を専門業者に依頼するメリット・デメリット
臭気への対処は自社内で行うか、専門の業者に依頼するかの2つの方法があります。
このうち、専門業者に依頼するメリット・デメリットをまとめました。
メリット
臭気対策の効果が出やすい
専門家に頼むメリットはやはり効果が高いことでしょう。
臭気対策に特化しているため、現状や被害の範囲など様々なことを徹底的に調査し、効果的な臭気対策を見つけることができます。
最適な対策を取れる
業者にお願いすれば最適な対策を勧めてもらえます。
これは効果に限らずコストの面においてもです。
例えば、自分達だけで対策をしようとすると、本来必要なものよりもスペックが良い脱臭装置を購入し、過剰な投資をしてしまう可能性があります。
しかし、業者に依頼すれば現状に合った対策方法を教えてもらえて、コストの無駄を省くことができます。
あらかじめ予算を伝えておけば、出来るだけ希望に沿った対策を提案してもらえるでしょう。
臭気対策にかける時間が浮く
自社内で臭気対策を全て行おうとすると手間がかかります。
一方で、業者に外注すれば対策にかけるはずだった時間を大幅に減らすことができ、その分を生産活動など他の必要な業務に回すことができます。
デメリット
コストがかかる
外注するデメリットはやはり費用がかかることでしょう。
実際の対策だけでなく、工場内外での調査や臭気が広がるシミュレーションの実施など問題解決には色々な工程が必要なので作業が完了するまでに時間も人手もかかり、その分費用もかかります。
工場の臭気対策を依頼する業者を選ぶポイント
臭気対策に対応している会社は数多くあります。
その中にはきちんと成果を出せるところもあれば、相性が合わなかったり、対策をしても変化が出なかったりするところもあります。
そこで、業者を選ぶ際には実績を確認しましょう。
実際に工場の悪臭問題を解決した経験が豊富にある会社なら成果も出やすいでしょう。
また、臭気の現状や対処方法について分かりやすく説明してもらえるかどうかも重要なポイントです。
業者の判断だけで進めるのではなく、こちらが流れを把握できているかを気にしながら進めてもらえる方が安心です。
これは問い合わせや見積もりをする際の担当者の対応を見て判断すると良いでしょう。
工場の臭気対策の流れ5ステップ
具体的にどのように臭気対策を行うかいまいち理解していないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、対策の流れを簡単にご紹介します。
臭気の原因の特定
まずは問題となっている臭気がどこから発生しているかを探します。
原因は食品残渣、薬品、製造過程で生じる物質など工場によって様々でしょう。
社内で「ここが発生源ではないか?」と思われていたところではなく、実は別のところから発生していたということもあります。
現状把握
臭気はどれくらいの強さなのか、工場からどれくらいの距離まで広がっているのかといった現状を把握します。
詳しい調査をするならやはり専門の業者に頼むのが良いでしょう。
業者によっては臭気の広がりのシミュレーションをしたり、分かりやすいように地図や図を使ってまとめてくれたりします。
目標の設定
臭気対策のゴールは完全に臭いを遮断することではなく、問題にならないレベルまで臭気を抑えることです。
少しは臭気が出ていても、人間が不快に感じるレベルでなければクレームは発生しません。
そこで、臭気をどのくらいまで抑えることを目標にするか、具体的に決めます。
対策方法の決定
具体的に目標が決まったらそれを達成できる対策方法を決めます。
色々な対策方法があり、効果も様々です。そのため、臭気を目標レベルに抑えられ、且つ最低限のコストで済むのがベストと言えるでしょう。
対策方法が決まったらテストをして、本当に効果が出そうかを確かめます。
効果測定
本格的に導入を始めたら臭気が以前に比べてどれくらい減少できているかをチェックします。
目標を達成し、住民からのクレームもなくなれば、近隣との関係を円滑に築きながら工場を運転できるようになります。
工場の臭気対策の方法4つ
周りに不快感を与える臭いを消すには色々な方法があります。
最後に主な臭気対策をご紹介します。
フタをして物理的に遮断
一番シンプルな方法はフタをすることです。
臭いを放つ薬品や溶剤が入っている容器にきちんとフタをするだけで、建物内に匂いが広がるのを防ぐことができます。
消臭剤
消臭剤を噴射することで臭気を消すという方法もあります。
普通の部屋で消臭剤を使うときにはスプレーを噴射するだけですが、工場は面積が広いため、状況によっては大量に噴射しなくてはいけません。
そのため、消臭剤を噴射する装置を導入します。新しい装置を使用するため、費用は高くなりやすいです。
排気口の改造
臭気の広がりは排気口1つで変わります
。例えば、排気口の高さを数メートル高くするとより高いこところに臭気が広がるため、周辺の住民が臭いを感じることがなくなることも。
また、排気口径を大きくすることで臭いを拡散しやすくするという方法もあります。
そのほかにも煙突やダクトを改造するケースもあります。
まとめ
工場の臭気は近隣住民からのクレームに繋がったり、従業員の士気を下げたりします。
そこで、製造過程で臭気が出る工場では早くから臭気対策に取り組むべきです。
対策の効果を出すには臭いの発生源を特定したり、どのくらいまで悪臭の被害が及んでいるかを確認したりする必要があるため、専門の業者にお願いするのが良いでしょう。
工場の臭気対策で実績を出している業者を選び、工場内外の人が快適に過ごせるようにしましょう。