様々な用途がある倉庫は、企業にとってまた個人レベルでも重宝するため、多くの人に必要とされています。
この一年では、新型コロナウイルスの流行により、対面での物販よりECサイトでの物販に需要があります。そのため、多くのECサイトでは在庫を置くための倉庫をより必要とするケースが増えています。
非常に便利な倉庫ですが、商品の品質を維持するために空調や温度管理を徹底する必要があるので、運営する会社側も非常に苦労しています。
そんな中で、倉庫の管理で悩まされているのが「結露」です。
私たちの生活の中でも起こる結露ですが、倉庫のような大きな建物の中でも同様に起こり、商品だけでなく建物自体にも悪影響を与えています。
今回は、結露について起こる原因や対策などをご紹介します。倉庫の建物を維持するためにも参考にしてください。
結露とは
結露とは、私たちの生活の中で起こります。分かりやすいところで言えば、こんなことが挙げられます。
・冷たい飲み物のグラスにできる水滴
・暖房と外の温度差による窓の水滴
こうした現象に覚えはありませんか?これが結露です。
また、会社や建築現場で寒い朝、コピー機の電源を入れてコピーをとったら真っ黒だったという経験もありませんか?実はこれも故障ではなくて、結露が原因なのです。
つまり結露とは、固体の表面(グラスや窓)、内部(コピー機)で水蒸気が凝縮(水滴となること)した現象となります。
温度は20度、湿度は50%という環境によって、先ほどのグラス、窓、コピー機それぞれが9.6度以下になると、結露が起きるとされています。
倉庫で結露が起こる原因
温度や湿度というように環境の変化によって結露が起こることが分かりましたが。
しかし、理屈でわかっていても、倉庫では実際に結露が起こっています。
どんなことが原因となって結露が起こっているのかご紹介します。
実は、倉庫には結露が起こりやすい原因が揃っています。
換気が難しい
倉庫の中は広くて天井が高いので、多くの商品を一度に保存しておきことができます。
しかし、この広くて高いことが換気を難しくさせています。
ビルのように間切があれば、換気もしやすいのですが、倉庫の場合は広くて高いことで一度に換気を行うのは難しいのです。
窓が少ない
倉庫の目的は「品質を維持したまま商品を管理する」ことです。
そのため、窓が極端に少ないのです。
・過度な光は商品の腐らせたり、変色させます。
・温度が上がり、倉庫内の温度を一定に保てない
このような理由で窓が少なかったり、小さいため、先述したように換気も十分にできないのです。
温度が上がりやすい
結露が発生しやすくなる温度は20度以上です。窓が少なく、締め切った倉庫では、結露となる水蒸気ができ空気中に漂いやすくなります。
湿度も高くなる
水蒸気が漂うと、今度は倉庫の壁が水分を吸収します。吸収した水分が吐き出されることで、今度は湿気となり、倉庫内に溜まりやすくなります。
倉庫は、商品を管理しやすいのがメリットですが、そのために考えられた設計によって結露が起こりやすい環境を作っているというデメリットもあるのです。
季節としては、冬のイメージが強くあると思われますが、湿度が高くなる夏でも起こるため、結露対策は一年を通して考える必要があります。
結露による倉庫への悪影響
実際に結露が発生すると、倉庫にはどんな悪影響があるのでしょうか?
カビ
結露によってできた水滴をそのまま放置しておくと、倉庫内でカビが発生します。湿度も高くなりますから、カビの発生率はかなり高くなります。
商品にカビが発生したら、運営会社としては信用問題に発展するのでなんとしても防ぎたいところです。また、商品だけでなく、建物や設備を傷めるという影響があります。
さらに、カビが発生したことに気づかないままでいると、今度は悪臭が漂うになります。商品、倉庫ともに悪臭が付いてしまうと、使い物になりません。
シミ
水滴が付いてそのままにしておくと、乾いた後がシミになります。商品や倉庫の壁、天井にシミの跡ができると、見た目の印象が悪くなってしまいます。
また、商品の場合には、シミがついたら欠陥商品になってしまうので、その価値を失ってしまいます。
ダニ
世間を騒がされるようなダニは、荷物を倉庫に入れる前に混入していた疑いがありますが、結露によってもダニが発生することがあります。
ダニの場合は、人体への影響、アレルギーを発症する危険があるため倉庫内で働く人の健康被害が心配です。そして、商品が食品の場合には混入しないように注意が必要です。
また、ダニだけでなくゴキブリやその他の害虫も湿度が高い部分を好むと言われるので、同様に注意が必要です。
サビ
ご存知の通り、倉庫は大きな建物ですから鉄骨造の建物がほとんどです。建材として使われるのは「鉄骨」ですから、結露によって気をつけなければいけないのが「サビ」です。
鉄骨は錆びることで、耐久性が落ちてしまうことがあります。特に柱と梁を繋ぐ接合部が錆びてしまうと、急激に耐用年数も下がってしまいます。そうなると、商品の品質を守るべき倉庫の方が危険が状態ですから、保管しておくことができなくなります。
腐食
耐久性という面でいえば、建物そのものだけでなく、建物の内部にも悪影響が発生します。結露は水滴ですから、断熱材や木材など水を苦手とする建材や設備は腐食してしまい、環境を維持することができなくなります。
また、湿ったところを好む「シロアリ」が発生する原因も腐食によるケースがあります。シロアリは建物の土台となる部分に繁殖しやすいので、こちらも建物自体の耐久性を下げてします原因になります。
漏電
温度管理や窓の開閉など、倉庫内の温度や環境を一定に保つために設備があります。特に冷蔵倉庫など、食品を扱う倉庫にはこうした設備による品質維持を徹底しています。
家庭内でも漏電する原因は結露であるケースもあり、コンセントが使えなくなり最悪な場合、人の体に影響を与えます。
結露は家庭内で起こるだけでも危険なのに、倉庫内という大きな建物内で起きた結露の場合、すぐに気づけなくて働く人への影響が考えられますし、気温や環境を維持できなくなるため、商品に大きな影響を与えてしまいます。
倉庫でできる結露対策
結露が起こる原因やそれによる被害を知るほどに、結露が倉庫に与える影響の大きさがわかります。
では、その結露が起こらないようにするための対策はどうしたらいいのでしょうか?
最も最適な方法は「換気する」ことです。答えは非常にシンプルで簡単ですが、倉庫ではそれが難しいことも知っています。ですから、少しでも換気ができるように考え、できる上での対策をご紹介します。
窓と扉の開けて空気の流れを作る
窓や扉を開けたままにしておくことはできませんが、あらかじめ決めた時間にさらに決めた時間の間だけ開けてください。
こうすることで、空気の流れができます。空気中の水蒸気は漂うことなく外へと流れ行くことができるので結露を防ぐことができます。
商品にカバーをかける
倉庫での結露では、建物のへの影響だけでなく、商品への影響が懸念されます。
商品への結露対策としてカバーをかけておくのは、効果があります。商品を傷つけない素材のカバーを見つけてかけておきましょう。
防湿剤やファンを設置する
窓や扉を一時的に開けるだけでは不十分だと感じる時には、防湿剤を置いたり、ファンを設置して空気を流してください。
これだけのことと思われますが、置いてある、設置してあるだけでも倉庫内の環境は大きく変わりますので、お試しください。
まとめ
いかがでしょうか?今回は倉庫での結露対策についてご紹介しました。
大きくて広いので、快適な様子が伺えましたが、実際には空気が流れないことで結露しやすいことがわかりました。
世の中の動きを見るだけでも倉庫の需要が伸びていくことが考えられるので、良いものを世の中に提供できるように、結露対策も取り入れてみてください。