大規模な解体工事を安全に行う3つのポイント

今までの役割を終えた倉庫や工場など、最近ではリノベーションされることが多くなり、新しい形で利用され喜ばれています。

でも、老朽化・住宅建設計画など様々な事情で利用することを諦めるケースもあります。
建物がそのまま残っていることもありますが、ほとんどが解体して整地されています。

実際、工場や倉庫の解体工事となると敷地は広く、建物も大きいので細心の注意が必要です。
今回は、大規模な解体工事をメインに調べてみました。

解体する建物もいろいろ

建物を壊すと言われたら、ビルや家屋のイメージですが他にも建物や、それ以外に解体をしているものがあります。

土蔵の解体

現在はあまり見ることがなくなりましたが、土蔵も解体します。
古い建物の外壁は、下地に竹を、塗りに土と漆喰が使われています。解体工事する時には、使われている土を全て落として、竹と分ける必要があるので通常の解体工事より時間がかかります。

長屋の解体

下町でよく見られる長屋です。家屋はそれぞれ独立していますが、両隣と接しているのが特徴です。
長屋の解体工事で心配されるのが、残る家屋との切り離しです。隣接しているので限られた空間での解体工事には、経験豊富な職人の技術が必要です。また、残る家屋の壁については、解体する家屋の家主が修繕費を負担します。

船の解体

建物ではありませんが、ヨットや屋形船なども解体して廃棄する必要があります。
もちろん、専門の解体業者がいます。
陸に上げて、船底の清掃・船内外の不要物の処分・エンジンの撤去など行い、運びやすいように切断をします。

大規模な解体工事で注意する3つのこと

どんな建物の解体でも基本レベルで注意することがあります。

  • 全ての工程を安全に行う
  • 防音・防塵・防火など対策する
  • 近隣に迷惑をかけない

解体する建物の規模が大きくなれば日程も長くなり、さらに安全管理については十分な配慮が必要になります。

  • 重機の使用時間の事故防止
  • 作業の打ち合わせ、問題点の改善
  • 悪天候時の対応

こうした点にも現場監督をはじめ、作業員全員に徹底させることが大切です。
では、具体的に大規模な解体で必要なことを説明します。

500万円以上の解体工事は許可がいる

解体工事の請け負う金額が500万円以上になる場合は、「解体工事業」の許可が必要になります。
この許可というのは、平成28年6月1日に施行された「建設業法等の一部を改正する法律(平成26年法律第55号)」にて新しく決められた解体工事のルールになります。

この法には、「建設業許可業種」という区分があります。建設工事を請け負うためには、建設業の許可を必要です。

改正前の解体工事は、「とび・土木工事業」に分類されていたので、こちらの許可が必要でしたが、改正後は「解体工事業」が新設されたので、こちらの許可が必要となりました。(改正前までに、「とび・土木工事業」の許可を得ている場合は平成31年5月31日まで経過措置が取られています。)

大規模な解体工事を解体業者に依頼する時には、必ず建設業からの許可を確認してください。

登録と許可の違い

実は、上記の許可がなくても解体業者は、解体工事を行うことができます。
請け負う金額が500万円未満の場合は、建設業の許可はいりません。

ここで注意してほしいことは、「登録と許可の違い」です。
500万円未満の解体工事には許可がいらなくても、解体業者としての登録は必要です。

・解体業者として営業する場合
解体工事業登録が必要です。
事務所の所在地である都道府県に登録することで、500万円未満の解体工事を請け負うことができます。

・建設業の許可を得る場合のメリット
全国で500万円以上の解体工事を行うことができる。

解体業者の中には、悪徳業者も存在します。規模に関わらず、登録や許可があることは必ず確認しましょう。

アスベストの除去について

解体工事を行う際に、有害な物資が含まれているのか識別することが必要です。よく知られているのが、「アスベスト」です。2006年に使用禁止になるまで、家屋や工場、公共施設など多くの建物に使用されていたので、解体する建物にもその危険はあります。

アスベストとは?

名前を知るぐらいの方も多いのではないでしょうか?
アスベストは、耐久・耐熱・耐薬品・電気絶縁と性質の良さから日本に輸入され、建築物に広く使用されていました。

しかし、アスベストが飛散して人が吸引することで、発癌する可能性があることがわかりました。目には見えず吸引したことに気づかないまま、およそ15〜40年が経過した頃に肺がんなどを発症しています。

解体することで飛散していく

アスベストが使用されているだけと、考える方もいるでしょうが、そのまま放置して建物が老朽化していけば、飛散をしてアスベストによる被害が広がります。

解体工事をする時も同じです。
建物を壊していく中で、アスベストが見つかれば、飛散されていきます。作業員、近隣の住民の健康被害は避けられません。

正しい方法で除去する

解体工事が始まってから、アスベストがあることがわかっても遅いので、事前に確認してほしいことがあります。

  • 設計・建設の年月日を確認する
  • 使用された建材を確認する

アスベストが使用されていた年月日は、時期がわかるので照合しておきましょう。
その後、アスベストの使用が疑われる場合は、分析調査を行い結果を確認しましょう。
アスベストが含まれていることがわかれば、通常の解体工事と合わせて行う必要があります。

  • アスベストの排出作業・解体作業の届けを出す
  • 近隣への周知・工事終了まで清掃の徹底
  • 飛散防止のため、密閉と養生をする

このあと、アスベストの除去が始まりますが、専用の袋・使用器具(使い捨て)など一つ残らず除去することが徹底されます。

取り除いたアスベストは、運搬され有害物質として正しく廃棄されます。

鉄骨造建築物の大規模な解体工事の場合、アスベストは柱や梁に吹き付けられていることが多くあります。建物が大きくなれば、アスベストが使用されている部分は増えていきます。
工事全体の安全は絶対ですが、作業員・近隣住民の人体への影響もあってはいけないことなので、十分な配慮と正しい除去を徹底しましょう。

解体業者選び方

無事に解体工事を終わらせるためには、信頼できる解体業者を選ぶ必要があります。
工事後の不法投棄や高額な見積りなど、悪徳業者と呼ばれる解体業者が存在します。
どんな所に注意して解体業者を選んだらいいのか、ご紹介します。

解体業者をよく知る

先述したように、「解体工事業登録」と「建築業許可」のいずれかの許可がない解体業者は違法です。
加えて、より信頼できる資格があります。

  • 建築士(1・2級)
  • 建設機械施行技士(1・2級)
  • とび技術士(1・2級)
  • 土木施行管理技士(1・2級)
  • 建築施行管理技士(1・2級)
  • 解体工事施行技士
  • 産業廃棄物収集運搬業産業
  • 廃棄物中間処理業

ここにある資格を取得していれば、中間マージンが発生することもありません。
また、アスベストの取り扱いに関する資格もあるので、ご紹介します。

  • 石綿作業主任者
  • 特定化学物質等作業主任者
  • 特別管理産業廃棄物管理責任者

資格や実績は、そのまま信頼に繋がります。こうした情報を収集するためには、ホームページを閲覧することです。

スタッフ紹介や過去の工事内容などが詳しく掲載されています。
大規模な工事の場合は、条件もあるので解体業者をよく知っておきましょう。

複数の業者に見積り依頼をする

情報を収集して、解体業者を絞って、それぞれに見積り依頼をします。
見積りを依頼することで、実際の仕事内容、応対からスタッフの姿が見えてきます。

わからないことは何度でも質問をしましょう。
そして、他社と比べてみることが大切です。

  • 整地処理や不用品の処分などの追加請求の有無
  • どんな場所や作業に費用がかかるのか

主にこの2つについては、確認してください。

依頼主に解体に関する知識や情報がないから、悪徳業者を見抜けないケースもあります。
可能な限り、解体業者と顔を見て打ち合わせすることをオススメします。

まとめ

大規模な解体工事をメインに、解体工事で注意するべきことをまとめてみました。
建設現場と同様に、解体工事も危険を伴う現場です。
今回は、通常の解体工事を想定して情報をまとめてみましたが、解体工事では下記のようなケースもあります。

  • 火災後の建築物
  • 地震による半壊または全壊の建築物

なんらかの災害による解体工事も危険があるので、安全管理は徹底しましょう。

無事に解体工事が終われば、整地された土地が何が建設されるのか?近隣住民にも楽しみができますね。

 

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