いよいよ台風シーズンを迎えます。
近年の雨は、いつ降るのか?どこで降るのか?が予想できない状況です。さらには長雨が続き数日で1ヶ月部の雨量を上回ることもあります。
大雨特別警報、線状降水帯など、少し前までは聞きなれなかった言葉が当たり前になりつつあります。
適量の雨は恵の雨となり農作物を育てますが、適量を超えてしまうと私たちの生活に悪影響を与えます。
テレビやWebニュースを通じて、川の氾濫により浸水被害が出るケースを何度も見てきました。
自然を相手に私たちは無力ですが、何もしないでいることはできません。少しても被害を小さくするために浸水対策をすることはできます。
大事な家屋、そして工場や倉庫を守るためにはどうしたらいいのでしょうか?
今回は、浸水対策の方法、対策において基準となる考え方をご紹介します。
水害は危険が多い
地震大国と呼ばれる日本において、最も怖いとされる自然災害は地震です。予測がつかないため常に不安はあります。
しかし、近年の水害は毎年のようにあり、多くの地域で被害が出ています。最近の雨の降り方との特徴としては、こんな感じです。
・集中豪雨(線状降水帯)
・ゲリラ豪雨
・雷雨や雹(ひょう)
・大型の台風
全く雨雲がなかった空がいきなり暗くなり雨が降り出すという経験は、ほとんどの人にあると思います。
強い雨であったり、雷を伴うケースや雨だと思ったら雹(ひょう)が降っていたり驚きの連続です。
また、大型の台風に関しては、進路予測ができなかったり、勢力が衰えないまま上陸することが増えています。
雨が降る時だけじゃない
また、こうした状況はどれも雨が降っている状況になりますが、水害の怖さは雨が止んだ後、台風が通り過ぎた後にも続きます。
雨が降り続くと地盤が緩くなるため、土砂崩れや山崩れが発生しやすくなります。
さらには、浸水した水が引くまでに数日かかることもあります。
雨が止んだから、晴れたからと、すぐには安心できないのです。
降ってないからと安心はできない
予測ができないというと、工場・倉庫がある場所ではほとんど被害がなくて、安心できない理由があります。
例えば、川の近くだった場合、川の上流で大雨が降ると後になって被害が出ることがあります。ダムの放流など雨量も多いですから、後になって川が決壊するのです。
また、思いもしないような大木が川を流れてくることもあります。家屋を飲み込んでしまうような土石流もあります。
しばらくの間は、天候や周辺の様子について情報を確認することが必要です。
工場・倉庫を守るためにできること
毎年の水害によって、私たちは備えることを学びます。自然を相手に何もできない、役に立たないと落胆することもあります。
それでも工場・倉庫を守ることは義務です。備えができることに対してはしっかりしていきたいです。
予測できないこと災害
これまで何度も悲惨な情景を見てきました。また、毎年被害が大きな地域もあります。
私たちは、工場・倉庫のある場所、地域の状況はよく分かります。ニュースや行政のニュースを頼りに浸水対策をするのか、今すぐ避難するべきなのかを判断することができます。
しかし、ここでいう「予測できない災害」とは、山の様子です。崩れやすい斜面、崩れやすい崖など雨が降り続く中では近づくこともできませんから、状況を把握することができないのです。
災害が起こってからでは遅いのですが、危険だと思われる場所は事前に備える必要があります。
浸水は最小にしたい
予測しずらい水害に対して、建物への浸水は備えることができます。近くの川の様子、現在の雨量などから工場・倉庫への浸水を防ぐことができます。
完全に防ぐことはできなくても、情報を頼り用意してある土嚢(土嚢)などを積んでいくことができるから、少しでも被害を抑える努力ができます。
工場・倉庫の復旧に時間とお金がかかる
実際に工場・倉庫の浸水被害を抑えた入湯としてはいくつか挙げられます。
・生産ラインが停止する
・商品、材料が使えない
・復旧のための費用が発生する
・想像以上にお金がかかる
工場であれば生産ラインが止まることで企業の売り上げだけでなく、社会にも影響が出ます。さらには従業員の仕事も奪ってしまうこともあります。
倉庫であれば、保管している商品が不良品扱いとなります。商品が欠品となれば賠償問題にもなります。
何より復旧を急がれますが、元に戻るまでには時間がかかります。さらには費用についても補助金対象なのか保険適用なのかなど、様々な確認、申請、承認が必要となるため、すぐに作業に入れない原因ともなります。
被害や規模にもよりますが、被害額は一件あたり2000万円以上であるとも言われます。
工場が浸水した場合
工場の場合、建物自体の心配もありますが、何より心配されるのが製造に関わる機械やシステムへの影響です。こちらに大きなダメージがあると、入れ替え作業、設置などによって復旧の日数がさらにかかります。
また、食品工場、食品を扱う工場場合には、工場内を消毒して衛生面の検査をクリアしないと再稼働をさせることができません。
倉庫が浸水した場合
物量倉庫の拠点として、商品を預かる倉庫においては、水に浸かったものは使えませんし、見た目は問題ないと思われる商品でも湿気を含んでいるから、使えません。
自社製品の保管倉庫であれば、品質の面で不安視されるため顧客先の信頼を取り戻すまでに時間がかかりそうです。
工場・倉庫での浸水対策を準備する時の3つのポイント
様々な水害が考えられますが、私たちにできることはどんなことがあるでしょうか?
防災バックや浸水対策の備品など、何を用意しておいたらいいのでしょうか?
私たちは被害を直面するまで、どこか他人事のように考えてしまいます。
ぜひ、当事者となって考えてみてください。
準備する時に大事にしてほしことが3つあります。
すぐに設置できるのか?
浸水対策として用意された備品が必ずあります。それらが必要な時に、すぐに取り出すことができるのか?または、劣化していないかなど日頃から保管管理がきちんとされているのか?
誰でも設置ができるのか?
土嚢(どのう)は、見るからに重く男性でないと持てない印象があります。しかし、それでは女性や高齢者だけの場合には、保管されていても設置することができません。
こうしたことを踏まえて、誰でも扱いやすい備品を用意することが不可欠です。
そして、使い方を知っているのか?も問題です。現場で説明書をじっくり読んでいる余裕はありません。ある程度、把握しておくことが求められます。
使用方法を学ぶ機会を作りましょう。
迅速に対応ができるのか?
予想外の雨降りです。川の水位が一気に上がることも考えられます。
短い時間で、従業員が助け合って作業ができるように、備品の扱い方だけでなく個々に担当を決めておくのもオススメです。
命を守る行動をする
降り出した雨が、いつ止むのか分からない。避難するのか待機するのか判断に迷う。工場・倉庫から離れるのが心配。様々な思い、不安が生まれます。消えることはないです。そんな中で冷静な判断を求められても、ほぼ無理です。
だからこそ、分からなくなった時には、自分の命を守る行動をしてください。最近では地域のハザードマップが配布されているので、避難場所、危険な場所などを確認してから行動を始めてください。
救助が必要なら、伝えるべき情報の一覧表を作るのもいいです。
工場・倉庫も大切ですが、命あってのことです。
判断を誤らないようにしてください。