この記事では次の内容をまとめています。
・システム建築とは
・システム建築で体育館を建てるメリット
・システム建築で体育館を建てるデメリット
体育館を建てる予定があるものの、どの工法を選べば良いか分からないという方が知っておくべきことを全てまとめました。
システム建築とは
システム建築は建物に使用する部材を標準化し、工程をシステム化しているのが特徴で、高品質・低コスト・短工期の建設ができます。
体育館は自治体が管理するケースも多く、安全性は必須条件だけどコストはあまりかけられないという場合にシステム建築はぴったりです。
公的な体育館だけでなく、民間が運営する運動施設の建設にももちろん対応可能で、弊社でもシステム建築によるスポーツ施設の建設実績があります。
システム建築で体育館を建てるメリット５つ
この章では体育館をシステム建築で建てることで得られるメリットをご紹介します。
| ①柱のない大空間を作れる |
| ②建設コストを削減できる |
| ③工期が短い |
| ④長寿命 |
| ⑤オーダーメイドタイプがある |
柱のない大空間を作れる
システム建築の強みの１つが大空間を実現できることです。
体育館やスポーツ施設では運動ができるように柱のない空間が必要ですよね。
システム建築は部材や構造について徹底的に研究されており、軽くて合理的な構造でありながら大スパンを実現することができます。
対応できる具体的な大きさはシステム建築メーカーによって異なります。
弊社が導入しているyess建築の場合、最大無柱スパンは60mです。
建設コストを削減できる
低コストで体育館を建てられるのも大きなメリットです。
先ほども触れたように、システム建築では部材や構造が徹底的に合理化されているため、材料費を削減できます。
完全オーダーメイドで建物を建設する在来工法と比べると20〜40％まで抑えられると言われています。
そのため、あまり予算に余裕がないという場合でもシステム建築はおすすめです。
工期が短い
在来工法に比べて工期を２割ほど削減できます。
その理由は次の通りです。
- 部材を標準化しているため工場での生産が可能
- 部材の作り置きが可能
- 建設プロセスが合理化されている
- 現場での作業が最小限になっている
現場での工事にかかる時間が短いと、工事中の騒音や振動も少なくなり、近隣への影響を最小限にできます。
長寿命
システム建築の寿命はおおよそ30年と言われています。
建物を長く使うことができ、長い目で見たときにコスト削減になります。
また、耐久性が高いので頻繁に補修する必要がなく、維持管理費を抑えられます。
さらにはいつまでも安全に使える安心感もあり、様々な人が出入りする体育館や運動施設の管理者にとってメリットはとても多いです。
オーダーメイドタイプがある
システム建築はあらゆる部分がシステム化されているため、体育館を建設するにあたって制限が多いのではと不安に思う方もいるかもしれません。
しかし、システム建築はニーズに合わせてある程度調整することができます。
また、システム建築メーカーによっては、より自由度の高いオーダーメイド型のシステム建築商品を用意している場合もあります。
例えば、yess建築のオーダーメイド型の商品である「カスタムシリーズ」は規格型の商品を拡張して、より柔軟に依頼主のニーズに対応できるようになっています。
システム建築で体育館を建てるデメリット２つ
この章では体育館をシステム建築で建てるときのデメリットをご紹介します。
| ①見た目がシンプル |
| ②オプション次第で費用が嵩むことも |
見た目がシンプル
システム建築のデメリットの１つがデザインの自由度の低さです。
デザイン性があまり高くないシンプルな外観になることが多いです。
具体的には外壁のカラーリングやお店のロゴ入れなどの調整はできても、派手で大掛かりな装飾には対応できないことも。
デザイン性にはあまりこだわらないという場合には問題ありませんが、見た目に徹底的にこだわりたいという場合はシステム建築ではなく、デザイン性の高い建物が作れる在来工法の方が向いています。
オプション次第で費用が嵩むことも
システム建築は建設コストが安く済むのがメリットです。
しかし、断熱性の高い外壁を採用したり、建築アクセサリーを充実させたりと、仕様によっては建設費が増えることがあります。
また、オーダーメイド型のシステム建築商品で建物を建てるとき、普通の規格型の商品に比べてニーズに応えやすくなる分、コストメリットは小さくなる傾向にあります。
それでも在来工法に比べると低コストで済みます。
システム建築で体育館を建てた実例
愛知県岡崎市にあるサンスポーツクラブは弊社が建設を担当したシステム建築による運動施設です。
体操教室を運営しており、とても広いアリーナの中に様々な設備が設置されています。
社長からは「システム建築だけあって室内面積の広さも十分。子どもたちがのびのびと体操に打ち込める空間を確保することができました。」と嬉しいご感想をいただいております。
システム建築で体育館を建てる前にすべき準備４つ
この章ではシステム建築でスポーツ施設を建設する前にすべきことをご紹介します。
| ①体育館の建設実績が豊富な建設会社を探す |
| ②細かい用途を明確にする |
| ③導入する設備を洗い出す |
| ④予算を考える |
体育館の建設実績が豊富な建設会社を探す
建設会社を探すとき、体育館や運動施設の建設実績があるかを必ず確認しましょう。
なぜなら、システム建築に対応していても、スポーツ施設の建設経験はないという場合もあるからです。
システム建築は工場や倉庫の建設によく使われます。
こうした建物とスポーツ施設では用途が全く異なることで設計する際のポイントも大きく変わるため、スポーツ施設の建設経験が豊富な業者に依頼すると安心です。
細かい用途を明確にする
運動施設を建てるときは用途を明確にしましょう。
例えば、次のようなことを改めて整理してください。
- どのスポーツ用の施設にするか
- 利用者層
- 施設の目的（学校用・プロ育成用・地域住民の健康促進など）
用途がはっきりすることで、どのような建物を建てるべきかも明確になります。
導入する設備を洗い出す
必要な設備をリストアップしましょう。
設備の内容によって理想のレイアウトや必要な面積は変わります。
例えば
- コート
- トレーニング場
- 更衣室
- 観客席
- シャワールーム
- 駐車場
- 自動販売機
など、用途によって内容は様々でしょう。
予算を考える
建設にかけられる予算を出しましょう。
建設資金を用意するには自分達の資金はもちろんのこと、補助金や助成金を活用したり、金融機関から借りるという手もあります。
もし、システム建築でスポーツ施設を建てるにはいくらくらい用意すれば良いか分からないという場合は、システム建築に対応している建設会社に聞いてみましょう。
システム建築で体育館を建てるときのポイント３つ
この記事では運動施設をシステム建築で建てるときに押さえるべきことをご紹介します。
| ①十分な高さにする |
| ②騒音対策をする |
| ③適切な換気システムと空調設備を設ける |
十分な高さにする
スポーツ施設を建てるときは面積だけでなく、天井の高さも重要です。
例えば、トランポリンや器械体操は人が高く上がりますし、バレーボールやバスケットボールではボールが高く飛ぶことがあります。
十分な高さを用意しなければ利用者が怪我をしたり、使いにくさを感じたりと様々なデメリットが生じます。
そのため、設計の際は高さも慎重に決めましょう。
騒音対策をする
運動施設を建てるとき、建物の騒音対策が必要です。
なぜなら、競技によっては大きな音が発生するからです。
騒音対策をしなければ、近隣住民との関係性が悪くなる恐れがあります。
建物が騒音対策をするには
- 吸音パネルを設置する
- 吸音材を設置する
- 厚みのあるカーテンを採用する
といった方法があります。
適切な換気システムと空調設備を設ける
年中、快適な温度と湿度を保つことで、利用者にとって使いやすい施設になります。
特に夏場は気温が高いため、運動中に熱中症になる例が多く、適切な空調設備を設けることは利用者の健康を守ることにも繋がります。
まとめ
システム建築は柱のない広い空間を得意としており、体育館やスポーツ施設の建設に向いています。
どのようなスポーツでの利用を想定するかで、適切な仕様は大きく変わります。
そのため、打ち合わせの際に建設会社とイメージをしっかり擦り合わせることが大切です。
システム建築での運動施設の建設実績がある建設会社にまずは問い合わせをしてみましょう。
