この記事では次の内容をまとめています。
・物流倉庫を移転するときの注意点
・移転するときのステップ
・移転を考えるタイミング
移転を考えている物流倉庫の担当者が知っておくべきことを全てまとめました。
物流倉庫を移転するときの注意点7つ
この章では物流倉庫を移転するときに気をつけるべきポイントをご紹介します。
1.できるだけ早く計画を立てる |
2.タスクを細かく決める |
3.余裕を持ったスケジュールを設定する |
4.考えられるトラブルをリストアップする |
5.移転先でのシステム連携をよく確認する |
6.関係者と情報を共有する |
7.移転は閑散期を狙う |
できるだけ早く計画を立てる
移転の際、できるだけ早く計画を立て始めましょう。
なぜなら、物流倉庫を移転するにはやるべきことがたくさんあるからです。
具体的にどれくらい前から始めるべきかは倉庫の規模や、新しく倉庫を建てるのかレンタルするのかといった点によっても変わります。
準備を始めるのが遅すぎると稼働予定日に間に合わなくなる恐れがあるので、余裕を持って始めましょう。
タスクを細かく決める
移転にあたって必要なタスクは細かくリストアップしましょう。
具体的にどのようなタスクが必要なのか把握できていなければ、それにかかる時間を正確に見積もることができないためです。
例えば「荷物の移動」と大きな括りで認識するのではなく、
・梱包
・車両の手配
・搬入
・搬出
・荷解き
と、その中にある細かい作業を書き出し、いつ、どれくらいの時間をかけて行うのかを決めましょう。
余裕を持ったスケジュールを設定する
スケジュールを決めるときに大切なのが余裕を持ったスケジューリングをすることです。
なぜなら、余裕のないスケジュールを組むと、トラブルが発生した際の対処が大変だからです。
もちろん、トラブルが起こらないように対策をすることも大切ですが、何が起こるか分からないからこそ、余裕は持たせておきましょう。
考えられるトラブルをリストアップする
トラブルの発生によりスケジュールの遅延を発生させないためには起こりうるトラブルをリストアップしましょう。
物流倉庫の移転作業では次のようなトラブルが起こる可能性があります。
・移転先の企業からのレスポンスが遅い
・作業中に事故が発生した
・単純に作業が遅れている
リスト化した上で、それぞれのトラブルを防ぐための対策も用意し、できるだけトラブルの数を減らせるようにしましょう。
移転先でのシステム連携をよく確認する
倉庫管理システムを導入している企業は移転先のシステムとの連携を行う必要があります。
専門的な知識が必要なこともあり、連携までに意外と時間がかかることもあります。
そこで、システム連携関連の作業は早めに取り組み始めましょう。
関係者と情報を共有する
物流倉庫の移転には多くの人が関わります。それだけに情報共有は徹底する必要があります。
例えば、移転作業中は次のような人との関わりが生まれます。
・現在の委託先
・次の委託先
・配送業者
・倉庫管理システムの担当者
もちろん、外部だけでなく、本社の担当者や従業員との連携も欠かせません。
思い違いが起きないように適切に情報共有を行いましょう。
移転は閑散期を狙う
物流倉庫の移転は閑散期を選ぶのがおすすめです。
なぜなら、荷物が動く量が多い時期に移転作業を行うと、現場が混乱したり、在庫の数が合わなくなったりする恐れがあるからです。
また、閑散期を選ぶことで繁忙期に売上を落とさなくて済むというメリットもあります。
1年の倉庫の動きを考慮しつつ、適切なタイミングを選びましょう。
物流倉庫を移転するときの11ステップ
この章では倉庫が移転するときの流れをご紹介します。
1.現在の課題を洗い出す |
2.現在の倉庫との契約について確認する |
3.条件に合う移転先を探す |
4.細かいスケジュールを作る |
5.必要な届出を確認する |
6.新しい倉庫のレイアウトを考える |
7.新しい倉庫での作業の流れを検討 |
8.搬出・搬入 |
9.社員教育 |
10.試運転 |
11.稼働 |
現在の課題を洗い出す
まず、今の倉庫が抱えている問題を明確にしましょう。
物流倉庫が移転を検討するということは何かしらの理由があるはずです。
例えば次のようなものが考えられます。
・保管スペースが足りなくなってきた
・作業スペースが狭すぎる
こうした課題を改めて明確にすることで、次の倉庫に求める条件がはっきりします。
また、この機会に現場の従業員が課題と感じていることをヒアリングするのも良いかもしれません。
現在の倉庫との契約について確認する
移転することが決まったら現在の契約を確認しましょう。
倉庫によって解約のルールが異なるからです。
例えば、普通の住宅と同じように「退去する場合は◯ヵ月前までに連絡すること」といったルールがあることも。
現在の倉庫との契約解除が適切に行われなければ、その先のプロセスに移れないので、早めに確認しましょう。
条件に合う移転先を探す
最初のステップで洗い出した課題を元に、新しい倉庫に求める条件を明確にし、それに合う物件を探しましょう。
物件探しの期間は余裕があればあるほど理想に近い建物を探せますし、移転先の担当者としっかり話し合ってお互いの認識をすり合わせることができます。
細かいスケジュールを作る
移転完了までの細かいスケジュールを作りましょう。
すべきことは企業によって異なりますが、一例を挙げます。
・移転先との契約
・倉庫管理システムの連携作業
・梱包
・配送
・荷解き
冒頭でも申し上げたように、スケジュールは万が一トラブルが発生しても対応できるように余裕を持って組むのがおすすめです。
必要な届出を確認する
物流倉庫が移転する際、届出や許可が必要な場合があります。
審査が通るまでに時間がかかるケースがあるので早めに申請しましょう。
新しい倉庫のレイアウトを考える
移転先の倉庫の構造が分かったら、新しいレイアウトを考えましょう。
物流倉庫にとってレイアウトは非常に重要です。
なぜなら、レイアウト次第で作業効率が大きく変わるからです。
そこで、効率を最大化できる配置を考えましょう。
新しい倉庫での作業の流れを検討
レイアウトが決まったら、移転先でのオペレーションの流れを決めましょう。
事前に決めておくことで、移転後にすぐに倉庫を稼働させることができます。
搬出・搬入
搬出の時期が近づいてきたら梱包を行います。
このとき、棚卸しも同時に行うことで、紛失やロスが発生するのを防ぐことができます。
倉庫の規模が大きい場合は荷物の量も当然多くなるので計画的に作業を行うことが求められます。
搬入後はデータ通りの荷物が来ているかチェックを行います。
社員教育
新しい倉庫でのオペレーションの方法や倉庫の使い方を従業員に共有します。
実際に移転先で確認した際に想定と違う点があれば適宜修正を加えましょう。
試運転
一通り準備が整ったら、本番を想定して試運転を行います。
いくら事前に計画的に準備をしていても、実際に動かしてみると上手くいかない部分があるのはよくあることです。
試運転の段階で調整を行い、最適なオペレーション方法を探しましょう。
稼働
いよいよ実際に稼働させます。
倉庫作業は課題を見つけ、改善を繰り返すことで作業効率を最大化させることができます。
そこで、稼働開始後も定期的に問題が生じていないか確認しましょう。
物流倉庫が移転を考えるタイミング2つ
この章では物流倉庫が移転を考えるよくあるタイミングをご紹介します。
1.倉庫が狭くなった |
2.作業効率が低い |
倉庫が狭くなった
事業の拡大や取り扱う製品の増加に伴い、キャパシティが不足し始めたら移転のタイミングです。
荷物が増えても現在の倉庫で保管できていると思っていても、実際は無理が生じているケースがあります。
例えば、今まで通路として使っていた場所に荷物を置くと、通りにくくなって作業効率が悪くなりますし、従業員の不満も生まれます。
また、臨時の保管場所を作ることで効率的なピッキングができなくなることもあります。
現場に無理が生じるほど商品数が多くなった場合はより広い倉庫への移転を検討しましょう。
作業効率が低い
現在の倉庫では作業効率を最適化できない場合も移転をすることで問題が解決できる可能性があります。
例えば、作業スペースが狭く、従業員の動線に無駄がある場合は、作業スペースを広く取れる倉庫に移転することで問題が解決します。
倉庫の作業効率に問題がないかどうか定期的に確認しましょう。
まとめ
物流倉庫を移転する際はやることが多くあり、時間もかかります。
そこで、移転が決まったら早めに動き出し、余裕のあるスケジュールで進めることが大切です。
次は倉庫を借りるのではなく、自社倉庫を持とうと考えている場合はまずは建設会社に問い合わせをしましょう。