工場が最も避けたいトラブルの1つが機械の故障ではないでしょうか。
機械がストップしてしまうと、生産活動ができなくなり、売上に大打撃を与えてしまいます。
機械が故障しても短い時間で復旧できることもありますが、長い期間稼働できなくなることもあります。
それだけに、できるだけ機械トラブルが起きないように対策をしておくことが求められます。
また、万が一トラブルが起こったときのために影響が長引かなくなる対応の仕方を覚えておくことも大切です。
そこで今回は、工場の機械トラブルを防ぐ方法や、故障したときの対応方法についてご紹介します。
機械トラブル対策を特にしていない、過去に故障によって生産活動に大きく影響が出て困ったことがあるという方はぜひ最後まで読んでくださいね。
工場が機械トラブルを防ぐべき理由5つ
機械トラブルは工場に色々な悪い影響を与えてしまいます。
だからこそ、事前に対策しておくことが大切です。
まずは機械トラブルを防ぐべき理由をご紹介します。
納期に間に合わなくなる
機械が動かなくなり、生産活動がストップすると製造のスケジュールに変更が生じ、納期に間に合わなくなる可能性があります。
すると、取引先に迷惑をかけてしまい、信頼問題にも大きく関わります。
自社だけでなく、取引先にも関わるからこそ、機械トラブルの対応をしておくことが大事なのです。
機会損失が発生する
目に見えない影響が出ることもあります。それは機会損失です。
生産活動ができなくなると、機械が直るまでの間、受注を止めなくてはいけません。
すると、本来なら得られていたはずの売上がなくなってしまいます。
不良品が発生する
機械の調子が悪くなると正常に動作せず、不良品が発生する原因になります。
不良品は当然処分しなくてはならず、原料や部品が無駄になってしまいます。
数が増えれば増えるほど、無駄なコストも増えるので、機械の不調はいち早く気づきたいものです。
人件費が無駄になる
機械にトラブルが発生してから復旧までの間も社員は通常通り出勤します。
そのため、人件費が無駄になってしまうのも難点です。
少しでも無駄を少なくできるよう、手が空いた社員は他の業務に回しましょう。
ケガが発生する
機械の不調が従業員の怪我に繋がることもあります。
怪我の程度によっては今まで通り働けなくなることもあるかもしれません。
大切な従業員が危険な目に遭うことはもちろんあってはならないことですし、働けなくなれば貴重な働き手を失うことにもなりかねません。
現場の人間の安全を確保するためにも機械トラブルの発生を防ぎましょう。
工場で機械トラブルが発生する原因4つ
機械トラブルの発生を防ぐためにはそもそもなぜ故障が発生するのかを知っておく必要があります。
そこで、次によくある機械トラブルの原因をまとめました。
突発的な故障
特に前兆があったわけでもないのに突然機械が故障することってありますよね。
例えば、原料が詰まったり、コンベアが切れたり、電気系統のトラブルが起こったりと、状況によって様々でしょう。
長期間の使用による消耗
長い期間使用している機械は老朽化によって故障しやすいです。
古い機械に対しては特にトラブルが起こらないように気をつける必要があります。
また、こうした機械に使用されている部品は生産終了されていることも多く、機械ごと替えなくてはいけなくなると生産が再開するまで特に時間がかかります。
操作ミス
操作の仕方を誤ることでトラブルに繋がることもあります。
特に、新人などの操作に慣れない人が機械を触るときに注意が必要です。
自然災害
自然災害が機械トラブルの原因になることがあります。
例えば、洪水が発生し、工場内が浸水したり、地震によって非常に強い揺れが発生したりすると故障に繋がることもあります。
災害は仕方のないことですが、万が一のために対策を用意しておくことは大切です。
工場で機械トラブルが発生したときの対処法5ステップ
機械が突然故障すると焦ってしまいますよね。
しかし、被害を大きくしないためには冷静に対応することが欠かせません。
機械トラブルが発生したら次の手順で対応しましょう。
すぐに機械を停止する
異常に気が付いたら、すぐに機械を止めましょう。
早く対処することで、怪我人が出たり、不良品が発生したりするのを防ぐことができます。
メーカーや担当者に連絡
機械を停止したら、社内のメンテナンス担当者や、担当者が居ない場合はメーカーに連絡をしましょう。
機械トラブルが発生した際にどこに連絡すればいいのかすぐに分かるように用意しておくのが理想的です。
トラブルの原因究明
故障したときには原因を突き止めることが大切です。
原因が分かれば解決策が分かるのはもちろんのこと、再発を防ぐことにも繋がります。
このとき、トラブルが起こったときに現場に居た従業員に話を聞くと、原因が判明しやすくなります。
対応する
原因が明確になり、対処法も分かったら必要な策を実行しましょう。
部品の取り替え、機械の入れ替え、正しい操作方法の確認など、トラブルの原因によって解決策も異なります。
試運転
対応が終わったら本格的に稼働する前にまずは試運転をして正常に作動するかを確認しましょう。
少ないロットで製造し、完成品に異常がなく、機械の動きにも問題がなければ普通の作業に戻りましょう。
工場で機械トラブルを発生させないための対策4つ
製造スケジュールがズレたり、機会損失が発生したりと様々な問題を引き起こすからこそ、機械トラブルが起こるのを出来るだけ避けたいですよね。
そこで、機械トラブルを発生させないためにできる対策をまとめました。
定期点検
問題なく機械を使い続けるためにはやはり点検が非常に重要です。
定期的に機械を検査して、異常があればすぐに対処することで致命的なトラブルが発生するのを防げます。
社内でこまめにチェックするのはもちろんのこと、メーカーにも定期的に点検に来てもらうとより安心です。
早めに部品を交換する
部品は使えば使うほど消耗し、劣化していきます。
老朽化が進むと、ある日突然機械が止まることもあり得ます。
そこで、機械に使われる部品は早めに交換するのがおすすめです。
各部品の交換目安を調べておきましょう。
サインを見逃さない
機械の不調には前触れがあることも。
例えば、機械の中から今まではなかった音が聞こえたり、故障の頻度が高くなったりすることがあります。
この段階で対処できれば、大きな機械トラブルを防げるでしょう。
そこで、作業中に異常を感じたら、たとえ些細なことでも報告するように従業員に伝えておきましょう。
従業員教育
前述の通り、機械トラブルはヒューマンエラーによって引き起こされることもあります。
そこで、日頃から教育を徹底し、従業員が正しく機械を操作できるようにしておきましょう。
工場で発生した機械トラブルを長引かせないコツ2つ
機械トラブルが発生してしまっても、事前に対策をしておけば影響を最小限に留めることができます。
最後に機械トラブルを長引かせないためにできることをまとめました。
過去のトラブル情報を共有する
過去に起きたトラブルの原因と解決法を残しておくと、同じトラブルが起こったときにすぐに解決に導くことができます。
そこで、トラブル発生時には必ず記録を残し、それをいつでも確認できるようにしましょう。
対応マニュアルを作る
マニュアルも機械トラブルが起きたときの強い味方です。
故障が発生したときに確認すべきポイントや取るべき対応をまとめていれば、現場に居る人間だけでトラブルに対処することができます。
マニュアルの作り方についてはこちらの記事をぜひ参考にしてください。
まとめ
機械が突然壊れて動かなくなると、納期までに生産が間に合わなかったり、機会損失が生まれたりと、いろいろな問題が発生します。
そのため、工場は機械トラブルが起こらないように、定期点検をしたり、部品を早めに交換したりと事前に対策をしておくことが求められます。
どれだけ対策をしても、トラブルが発生することはあるので、トラブル発生時の対処法も社員間で共有しましょう。