新しい工場を建設するとき、完成するまでの間に数えきれないほど多くのプロセスがあります。
その中の1つが建設スケジュールを決めることです。
些細なことのように見えてスケジュールを決めるのはとても大事なことです。
なぜなら新しい工場を建てるときは同じ場所で建て替える場合でも全く違う場所に新しく建てる場合でも生産をストップしなければいけない場面が出てきて売上に影響を与えるからです。
もししっかりスケジュールを練らずに適当に決めてしまえば依頼された製品が納期までに仕上がらなかったりといったトラブルが出る可能性も出てきます。
そのため、工場を建てるときには建設会社とスケジュールについてよく話し合い、完成までの工程をしっかり見据えた上で決めることが大切なのです。
しかし、スケジュールを決めるときには具体的にどういった点に注意しなければならないのか分からないという方もいるかもしれません。
そこで今回は工場建設のスケジュールを決めるときのポイントや工場建設の工程などについてまとめました。
これから工場を建てようとお考えの方はぜひ参考にしてください。
生産活動に影響を与えてしまう。
工場建設のスケジュールが大切な理由3つ
工場建設のスケジュールを決めるプロセスが大切な理由はたくさんあります。
経営者なら必ずその理由を知っておくべきです。
そこでまず初めに工場建設のスケジュールが大切な理由を3つご紹介します。
完成まで長い時間がかかるから
工事の規模にも寄りますが、新しい工場が完成するまでには数ヶ月、もしくは1年近くかかります。
つまり、工場建設は長い時間がかかるかなり大きなプロジェクトということになります。
完成するまでには当然他の業務もしなければいけないので、全ての仕事を円滑に進めるためにも慎重にスケジュールを決める必要があります。
生産活動に影響が出るから
工場を新しく建設するときは必ずどこかで生産活動に影響が出ます。
例えば同じ場所で工場を建て替えるときは完全に作業できない期間があるかもしれませんし、全く違う場所に建てる場合でも元の場所から機械を移動させなければいけないため、その間は生産はストップしてしまいます。
工場にとって生産活動は売上に関わるとても重要な作業なので、生産活動への影響を事前に把握しておくためにもスケジュール決めは真剣に行わなくてはいけません。
途中で変更することが難しいから
新しい工場の建設には建設会社の人はもちろん、現場で働く人や部品を生産する人など様々な人が関わります。それだけに一度決めたスケジュールを変更することは難しいです。
もしどうしても変更しなければいけなくなった場合は多くの人に迷惑をかけてしまうでしょう。
こうした事態にならないよう、スケジュールを決める際はしっかり先を見据えて決めなくてはいけないのです。
質とのバランスを考える。
工場建設のスケジュールを決めるときのポイント5つ
後悔しないようなスケジュールにするためにはあらかじめいくつかのポイントを押さえた上で検討することが必要です。
そこで次に工場建設のスケジュールを決めるときのポイントをご紹介していきましょう。
その時点での依頼を確認する
工場建設のスケジュールを確認する前に必ずその時点で抱えている依頼を振り返ってみましょう。
スケジュールを組むときにはそれらの依頼を納期までに仕上げられるように調整しなければいけません。
もし、この確認を怠ってしまうと納期までに製品が仕上がらず、クライアントからの信用を失ってしまいます。
質とのバランスを考える
工場を作るときは作業効率がよくなるように設計するので、新しい工場は今の工場よりもより多くの収益をもたらすでしょう。
それだけに出来るだけ早く新工場を完成させたいという経営者の方もいると思います。
しかし、スケジュールを最優先事項にしてしまえば、良い工場にするための細かい調整が十分できず、早く仕上がっても使いにくかったり、後で改修の必要性が出てきたりと質が悪い工場になってしまう可能性があります。
そこで質と仕上がるまでの期間のバランスを考えながらスケジュールを決めることが求められます。
生産が止まるタイミングを明確にする
先ほども触れた通り、新しく工場を建設するときには少なからず普段に比べて生産性が下がってしまいます。
これは工場にとっては大きな問題です。
まずは建設会社と話しながらどの程度生産性が下がるのかを確認し、さらに具体的にどの日に機械を止めなければいけないのかを把握しましょう。
機械の移動のタイミングを明確にする
現在の工場の場所とは全く違うところに工場を建てる場合は建設が完成するまで生産性に影響はありません。
ただし、出来上がった工場に機械を移動させなければいけないのでその間はどうしても生産が止まってしまいます。
そこで、具体的に機械の移動にどれくらいの時間かかり、新工場での生産がスタートするのはいつになるのかを明確にしておくのがポイントになります。
出来る準備をしておく
スムーズにスケジュールを決めるためには建設会社とスケジュールについて話し合うまでに出来る準備をしておくことが必要です。
例えば新しい工場に求めるものをはっきりさせたり、新工場に置く機械をリストアップしたりしておけば早くスケジュールを決められますし、後で急遽変更が出るリスクを減らすこともできます。
工場建設のスケジュールが決まったらするべきこと2つ
工場建設の具体的なスケジュールが決まったらするべきことが2つあります。
両方とも大切なことなのでこの機会にぜひ覚えておきましょう。
受注量を調整する
スケジュールが決まってからは仕事を受注する際に希望する納期内に仕上げられるか慎重に考えましょう。
生産量が低下するタイミングに向こうが希望する納期が重なる際にはより細かく生産のシミュレーションをすることが求められます。
この確認をしっかりしておくことで納期までに製品が仕上がらず、クライアントからの信頼をなくすというトラブルが起こる可能性を低くすることができます。
社内のスケジュールを調整する
工場建設のスケジュールは工場全体に大きく関わってきます。
そこでスケジュールが決まったら生産活動が止まるタイミングでの人員配置を考えたりと必要な調整を行いましょう。
建設スケジュールを会社全体で共有しておけばイレギュラーな変更があってもストレスなく受け入れてもらえるでしょう。
設計・調達
工場建設のスケジュールの中に含まれる主な工程4つ
経営者の方の中には工場建設においてどのような工程があるのか分からないという方もいるかもしれません。
そこで完成までのスケジュールがどのようなものになるか想像できるよう、最後に工場建設における主な工程を4つまとめました。
設計
工場建設において基礎となるのが設計です。
新しい工場に求めるもの、作業動線、設備などを建設会社と話し合いながらどのような設計にするかを決めていきます。
場合によっては建設会社とは違う会社の設計士が設計に携わることもあります。
設計が決まればスケジュール、予算、発注する資材といったあらゆるものが具体的に決められるようになります。
調達
設計の詳細が決まれば建設に必要な資材を発注します。
資材の種類によって費用は大きく異なります。
安さ重視にしてしまうと安全性が低くなってしまうこともあるので費用と安全性のバランスが取れた資材を選ぶのがポイントです。
建設
資材が揃えば建設に取り掛かります。
これから何十年も使う工場を建設するというとても重要なプロセスです。ここでは現場で働く人たちと常に連携をとっておくことが特に大切です。
そうすれば思わぬ緊急事態が起こっても最善の対処ができます。
試運転
工場が完成してもすぐに引き渡されるわけではありません。
正式な完成の前に試運転というプロセスがあります。
工場を稼働してみて、作業動線は問題ないか、使用する上で不安な点はないかチェックしましょう。
実際に現場で働く社員にも意見を聞いてみましょう。
工場建設には他にも細かい工程がたくさんあるので、あらゆる工程がスムーズに進むようなスケジュールを決めましょう。
まとめ
計画が始まってから新しい工場が完成するまで、かなり長い時間がかかります。
さらに建設の途中では生産性が下がることもあるので、工場建設を成功させ、建設中でも作業を問題なく進めるためにはスケジュールを慎重に決めることが欠かせません。
今回紹介したポイントを押さえて後悔のないスケジュールを作ってくださいね。