この記事では次の内容をまとめています。
- 効率的な作業指示書の運用法
- ペーパーレス化のメリット
- 作業指示書を活用するコツ
作業指示書を使っているけれど、あまり活用できていないという企業が知っておくべきこと全てまとめました。
工場の効率的な作業指示書の作成・運用方法
作業指示書を手書きで作っている工場は多いと思います。
しかし、効率的に作成するにはパソコンなどのデジタル機器を使うのがおすすめです。
手書きよりも速く書くことができます。
また、現場で見る際はタブレットを使えば、紙と同じように移動させることができます。
実際に、作業指示書をデジタル化し、ペーパーレスを進めている企業は増えています。
工場の作業指示書をペーパーレス化するメリット6つ
この章では工場が作業指示書をデジタル化するメリットをまとめました。
1 | 文字が読みやすい |
2 | 誰でもすぐに閲覧できる |
3 | テンプレートを使えばすぐに作れる |
4 | 修正がしやすい |
5 | 紛失しない |
6 | 現場に渡すまでに時間がかからない |
文字が読みやすい
作業指示書をペーパーレス化すると文字が読みやすくなるというメリットがあります。
手書きの場合、書く人によっては文字が読みにくいというケースがあります。
これでは何が書かれているかを読み解くのに時間がかかりますし、従業員にとってもストレスになります。
一方で、デジタルなら誰が書いても綺麗な文字で書かれるので、すぐに内容を読み解くことができます。
誰でもすぐに閲覧できる
デジタルの強みは場所を問わずに誰でも閲覧できることです。
紙の作業指示書はその場に居る人しか見ることができません。
一方で、デジタルのデータはアクセスできる端末さえ持っていれば誰でもすぐに閲覧することができます。
そのため、作業指示書が手元にないのでどうしたらいいか分からず、何もできないという時間が生まれることがありません。
また、作業指示書を見たいときにわざわざ探しに行く手間も省けます。
テンプレートを使えばすぐに作れる
作業指示書をペーパーレス化すると、作成にかかる時間を削減することができます。
作成の際はテンプレートを使って、項目に従って入力することになります。
そのため、全て手書きで書く場合に比べて作業スピードがかなり速くなります。
作業手順が多い場合でも時間がかからないのは作成者にとっては大きなメリットです。
修正がしやすい
内容に変更がある際に修正しやすいのも魅力です。
デジタルなら簡単に上書きができます。
一方で、紙の媒体では変更点を書き込むことはできますが、元あるコメントも残したまま書くので、見た目が悪くなり、場合によっては見にくくなることもあります。
また、修正がある際は、各現場で調整したり、報告をしたりしなければいけませんが、デジタル端末を現場に取り入れていれば、そういった報告もスムーズに行えます。
紛失しない
デジタルのデータは紛失しないというメリットがあります。
従来の手書きの紙の指示書は紛失するリスクがあります。
なくなると探すのに時間がかかったり、再度作り直したりと無駄な時間が生まれてしまいます。
一方で、デジタルならこうした心配がありません。
現場に渡すまでに時間がかからない
デジタルの作業指示書は完成してから現場に渡すまでに時間がかからないという特徴があります。
なぜなら、データが完成し次第、すぐに他の端末から見られるからです。
作業に取り掛かるまでの時間を今までよりも早めることができます。
一方で、紙の場合は完成したら必要枚数を確認し、印刷し、それを担当者に渡してと、現場に渡るまでに時間がかかります。
こうしたプロセスを省くことができるので生産性が高まります。
工場の作業指示書に載せるべき項目
作業指示書は必要事項がきちんと書かれていなければ運用する意味がありません。
そこで、作業指示書に載せるべき項目をまとめました。
- 作業者名
- クライアント名
- クライアントの連絡先
- 作業名
- 作業期間
- 作業人員
- 作業場所
- 作業内容
- 作業手順
- 必要な機器
- 必要な材料
- 作業前に確認すべき事項
- 作業の基準
効果的に活用できる作業指示書の作成3ステップ
この章では現場で活用できる作業指示書の作成ステップを3つに分けてご紹介します。
1 | 作業を細かく洗い出す |
2 | 無駄のない手順を決める |
3 | 分かりやすい文章や図を用いて指示書を作る |
1 作業を細かく洗い出す
まず、必要な作業を全て洗い出しましょう。
このときのポイントは出来るだけ細かく書くことです。
複雑な作業をそのまま指示書に書くと、現場の従業員が混乱してしまう可能性があります。
スムーズに指示を理解できるように、「箱を組み立てる」「必要な材料の準備」など、分かりやすく、細かい作業を列挙しましょう。
2 無駄のない手順を決める
次にすべきなのは作業を行う順番に並べることです。
ここでは無駄のない手順で並べるのがポイントです。
現場で作業をする従業員と話し合いながら作ると、より精度の高い作業書が完成するでしょう。
3 分かりやすい文章や図を用いて指示書を作る
指示書を仕上げる際は分かりやすくすることを意識しましょう。
例えば、指示は初めて読んだ人でも理解できる言い回しを使うのがコツです。
また、文章だけで説明するのが難しい場合は、図、イラスト、写真、動画などを活用しましょう。
工場が作業指示書を活用するためのポイント5つ
この章では工場が作業指示書を活用するために意識すべきポイントをまとめました。
1 | 手順通りに行う |
2 | 誰でも理解できるように書く |
3 | 過去に発生した不具合を記載する |
4 | 使用する機器の使い方も書く |
5 | 改善を繰り返す |
手順通りに行う
作業指示書は手順通りに行うことで活用できます。
なぜなら、作成段階で無駄のない手順を決めているという前提があるからです。
工場では何年も働いていて自分のやり方があるという従業員もいるかもしれませんが、それぞれが好きなようにしていては最大効率で作業を進めることはできません。
そこで、従業員には指示書通りに動くことをお願いしましょう。
誰でも理解できるように書く
指示書は社内の色々な人が見るものです。
そこで、誰でも理解できるように書きましょう。
理解できない説明があると、上手く指示が通らなかったり、理解に時間がかかったりしてしまいます。
難しい専門用語は分かりやすい言葉に直したり、抽象的な表現を使わずに出来るだけ具体的に書いたりと工夫しましょう。
過去に発生した不具合を記載する
作業指示書に記載する作業で過去に不具合が発生したものがあれば、その情報も書きましょう。
過去に発生したということは、また発生する可能性があります。
あらかじめ伝えれば意識するので、また発生し、対応に追われるのを防ぐことができます。
情報と一緒に発生した際の対処法も書いておけば、万が一のときでも対応に時間を取られず、最小の時間でまた製造に戻ることができます。
使用する機器の使い方も書く
作業に使用する機器の使い方も記載しましょう。
製造には専用の機器を使うことが多く、慣れていない人は使うのに戸惑ってしまうはずです。
そこで、使い方も作業指示書に書いておけば、スムーズに取り掛かることができます。
また、正しい使用方法を伝えることで、誰が使用しても一定の品質で仕上げられるというメリットもあります。
使い方をわざわざ記載するのは面倒に感じるという方もいるかもしれませんが、デジタルの作業指示書なら一度書いた説明文はコピーして保存しておけば、また同じ説明が必要になったらそれをペーストするだけで済みます。
改善を繰り返す
作業指示書を活用し、作業効率を上げるためには改善を繰り返すことが欠かせません。
効率的に作業ができるように指示書を作ったつもりでも、いざ実行してみると作業に無駄があったり、分かりにくかったりと、様々な改善点が見つかります。
現場の社員からこうしたフィードバックをもらい、それを次の作業指示書に反映させればより効率アップに導く指示書になります。
作業全体が終わったら、現場から改善点を聞くことを習慣にしましょう。
まとめ
作業指示書を効率的に作成・運用したいなら手書きではなく、ペーパーレス化してデジタルのデータで作るのがおすすめです。
デジタルなら用意されたテンプレートに必要事項を埋めるだけなので作成に時間がかかりません。
また、誰でも場所を問わずに閲覧できるという強みもあります。
ただし、作業効率を高めるには、よく練って作ることが欠かせないので、分かりやすく、一番効率的な手順が書かれた作業指示書を作ることを目指しましょう。