工場では大きな機械が動いたり、重い物が置かれたりするので、床が傷つきやすいです。
あまり気にしていない人が多いと思いますが、実は工場にとって床を綺麗に保つことはとても大切です。
なぜなら、状態の悪いままにしておくと、工場に色々なデメリットをもたらしてしまうからです。
床を良い状態で保つためには床材にこだわるのがポイントです。
床なんてどれも同じようなものなのではと思うかもしれませんが、実は色々な種類があり、どんな素材のものにするか、どんな塗料を塗るのかによって床の性質が変わります。
つまり、工場を建設するとき、または床のメンテナンスが必要になったときにはどんな床にするかをしっかり考える必要があります。
しかし、床の種類についてよく知っているという人は少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、工場が床にこだわるべき理由や、おすすめの床塗料を4つご紹介します。工場の建設を予定している、床の状態が悪くなっているという場合はぜひ参考にしてくださいね。
工場の床材にこだわるべき理由4つ
工場の床が大事だと聞いても、いまいち重要性が理解できないという方もいるのではないでしょうか。
そこでまず初めに、工場の床材にこだわるべき4つの理由をご紹介していきます。
作業員の安全を確保できる
まず、工場の床をメンテナンスし、綺麗な状態を保てば作業員の安全を確保することができます。
工場では大きな機械が移動したり、物を落としたりすることで床に穴が開いてしまうことがよくあります。
それを放置していると、穴に足を引っ掛けて社員が転倒する恐れがあります。また、広い範囲に凹みがある場合はそこに水が溜まり、滑りやすくなります。
このように、床は工場の安全性に関わります。
原料や製品の破損を防げる
状態の悪い床によって作業員が転倒したり、機械がスムーズに動けなくなったりすると、運んでいた製品が落下して破損する原因になります。
工場にとって原料や生産したものはとても大事なもの。
それを壊してしまえば、また作り直さなければいけなかったり、取引先の信頼を失ったりするでしょう。こうした事態はできるだけ避けたいですよね。
耐久性が上がる
床に穴が開いたり、凹んだりするのを避けるためには耐久性のある床材を導入しましょう。
床材は種類によって特徴が異なり、中には耐久性が高く、物を落としても傷がつきにくいものがあり、床の状態が悪くなるのを防ぐことができます。
耐久性だけでなく、耐薬品のものや、ニオイが少ないものなどもあるので、各工場に合った床材を採用しましょう。
工場の印象が良くなる
工場の床が綺麗だと印象が良くなるというメリットがあります。
床は工場のどこに居ても目に入るものなので、印象を大きく左右します。
もし、塗装が剥げている部分がたくさんあったり、凹みが多くてボコボコしていれば決して良い印象は抱かないでしょう。
反対にピカピカで綺麗な状態なら、社員も気持ちよく働けて、取引先が来たときには清潔感を感じてもらえるはずです。
工場の床塗料の種類4つ
床を綺麗に保つ重要性が分かっても、具体的にどのような床材を使用すれば良いのか分からない方は多いと思います。
そこで次に、工場におすすめの床塗料の種類とその特徴をご紹介していきます。
エポキシ樹脂
工場に限らず、学校などの色々な施設で使われている塗料です。
安価なのがメリットで、塗装すると光沢が出て綺麗な印象になり、掃除もしやすくなります。
また、比較的早く乾くので、1日ほどで普段通りにその場を使用できるようになるのも嬉しい点です。
ただし、他の床材に比べると耐久性が低いのがデメリットで、さらに熱にもあまり強くないので、高温になりやすい作業場には向いていません。
廊下などの作業をしないスペースに向いている塗料です。
エポキシ樹脂(厚膜)
先ほどご紹介したエポキシ樹脂は重ね塗りすると少し特徴が変わります。
厚膜にすると、耐久性、耐摩擦性、耐衝撃性などが上がり、より丈夫な床にすることができます。ただし、重ね塗りしてもやはり熱に弱いので、暑くなる現場には向きません。
また、普通のエポキシ樹脂はすぐに乾くのが長所でしたが、厚く塗った場合はその分乾きにくくなるので注意が必要です。
ウレタン樹脂
耐久性が高いため、様々な業種の工場で利用できる床塗料です。薬品にも強いので医療系の工場にも向いています。
ただし、汚れがつきやすく、状態によってはカビが生えることもあるので、綺麗に保つためにこまめに掃除することが欠かせません。
水性のものは塗料特有のニオイがあまり発生しないので、食品工場との相性が良いです。
アクリル樹脂
今回ご紹介する中で一番高価ですが、その分、メリットがたくさんあります。
まず、エポキシ樹脂に比べて5倍ほどの強度があると言われています。また、塗ってから1時間ほどで固まるのですぐに作業場を使えるのも魅力です。
一方で、90℃を超える熱湯に触れると床材が膨れてしまうので、熱湯を扱うところでは不向きです。
ダメージを受けにくい床材にしたい、施工後すぐに作業をしたいという場合にぴったりです。
工場の床材について知っておくべきこと5つ
良い状態の床を保つためには塗料を塗るときや普段の作業中に気をつけなければいけないことがいくつかあります。
最後に、工場の床材について知っておくべきことをまとめていきますので、ぜひ覚えておきましょう。
塗ってからしばらくの間は作業ができない
種類にもよりますが、塗料は塗ってから仕上がるまでに一定の時間がかかります。そのため、しばらくはその場を通行することができず、当然作業もできません。
もし、乾かしている間に立ち入ってしまえば足跡がついて見栄えが悪くなったり、効果が落ちたりしてしまいます。
例えば、エポキシ樹脂の塗料は乾くまで1日ほどかかり、乾くのが早いアクリル樹脂でも1時間は待たなくてはいけません。
そのため、床材をメンテナンスするときは乾く時間を考慮した上で、塗料を塗る時間を決めるようにしましょう。
塗料を塗る前に下地処理が必要
床塗料はただ床の上から塗れば良いものではありません。塗る前には下地処理という準備が必要です。
下地処理とはそれまであった床を剥がし、傷やひび割れなどを埋めたり、削ったりすることで真っ平らな床を作る作業です。
凹凸があるまま塗料を塗ってしまうと、せっかくの塗料が剥げて耐久性が下がってしまいます。
そのため、業者に床塗装を依頼するときは下地処理をきちんとしてくれるところを選びましょう。
床塗装のノウハウを持つ専門業者に依頼すべき
これまで紹介してきたように床塗料には色々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。
工場の業種によって合う塗料は異なりますし、同じ建物内でも塗料を使い分ける必要が出てくることもあります。
そのため、床のメンテナンスを業者に依頼するときには、塗装について知識が深く、最適な施工をしてくれるところを選ぶことが欠かせません。
汚れたらすぐに綺麗にする
床材の中には薬品や油に強い性質を持つものもありますが、それでも床が汚れたときにはすぐに拭き取るのが原則です。
たとえ耐薬品や耐油のものでも、汚れを放置したままでは塗料の劣化に繋がります。
汚れの種類に関係なく、汚れたらすぐに綺麗にして清潔な状態を保つことを意識しましょう。
傷がついたらすぐに補修する
工場で作業をしているとどうしても床に傷がつくことがあると思います。
そんなときにはすぐに穴を塞いだりして、補修しましょう。穴や凹みを放置したままでいると、そこから範囲が広がり、劣化が進む原因となっています。
このようにこまめなメンテナンスをすることが床材の効果を持続させるためのポイントになります。
まとめ
工場の床を綺麗に保つことは従業員の怪我や製品の破損を防いだり、工場の印象が良くなるといった効果があるので、床材にはこだわり、定期的にメンテナンスをすることが重要です。
今回ご紹介したように床塗料には色々な種類があり、それぞれ特徴や適している環境が異なるので、それぞれの工場に合った塗料を選び、床を綺麗で機能性がある状態に保ちましょう。