工場を使い続けていると雨漏りがしたり、虫が侵入したり、結露が生じてカビが生えたりと様々なトラブルに遭遇します。
雨漏りは経年劣化によって生じますし、虫や結露は自然に発生するもので、どうしようもないように思えますが、製品を守ったり、衛生環境を保ったりするためにはやはり何かしらの対策は必要です。
対策にはもちろん費用がかかりますが、予防したりその都度対策をすることは長期的に見ると大きなメリットがあります。
工場の経営者なら一度こうしたトラブルを防ぐために何が出来るか知っておくべきです。
そこで今回は工場の雨漏り、虫、結露などのトラブルの対策方法をご紹介していきます。
こうしたトラブルで悩んでいる方や今のうちに対策をしていきたいという方は必見です。
簡単に出来るものから費用はかかっても効果は高いものなど色々な方法をご紹介します。
製品を守るため。
工場で雨漏り、虫、結露の対策をすべき理由5つ
工場で起こりうるトラブルを防止することは工場にとってとても大切なことです。
まずは工場で雨漏り対策や防虫対策などをすべき理由をご紹介しましょう。
製品を守るため
工場にとって大切なものといえば製品です。
もし雨水が工場の中に入ったり、結露によって雫が落ちたりすると製品が濡れて駄目になってしまいます。
使える製品が減ると当然売上も減ってしまいます。
工場にとって製品は命とも言えるものなので守るために対策をすべきです。
工場内の衛生を保つため
防虫対策は工場の衛生環境を保つために欠かせないものです。
万が一製品の中に混入してしまったら大問題になり、製品を回収しなくてはいけなくなります。
すると当然お金の面でも損害が発生します。
特に食べ物など衛生面が重要視される製品を扱っている工場では防虫対策に力を入れるべきです。
工場の信用を守るため
雨漏りで製品が濡れてしまったり、製品の中に虫が混入したりすると取引先からの信用を失ってしまいます。
すると二度と発注してもらえなくなり工場の売上が下がることも考えられます。経営者にとってこれは大きな痛手です。
信用は会社を運営していく上で欠かせないものですから、取引先が安心して依頼できる工場にするためにも雨漏りや虫といったトラブルに備えることが大切です。
機械の故障を防ぐため
雨漏りや結露によって機械に水がかかると故障の原因となります。
機械が止まれば当然作業も止まり生産ができなくなります。
すると納期までに製品が間に合わず取引先に迷惑をかけてしまうでしょう。
また、機械を修理することで修繕費も当然かかります。
少しの雨漏りや結露がこうした大きな損害を生じさせてしまうのです。
社員を守るため
雨漏りや結露は最悪の場合、漏電を引き起こして爆発や火災に繋がることもあり得ます。
すると工場内のものがダメージを受けるのはもちろんのこと、現場で働く社員もまた危険な目に遭います。
工場にとって製品はもちろん大切ですが、社員もまた大切な資本です。
経営者は現場の社員が安心・安全に作業できるような環境を整えることが必要です。
波形スレートの屋根にする。
工場の雨漏り対策の方法6つ
雨漏りに悩む工場は少なくありません。
雨漏りが発生してしまうと製品が濡れたり、機械が故障したりといったトラブルが起こる可能性があるため、対策は必須です。
そこで工場の雨漏り対策のための方法をご紹介していきましょう。
波形スレートの屋根にする
工場では折板屋根と波形スレートの2種類の屋根がよく使われています。
折板屋根は耐火性は高いですが、排水機能が低く、錆びやすいという欠点があります。
錆があると雨漏りの原因になってしまいます。
一方で波形スレートは雨による錆が出来にくいという特徴があるため、雨漏り対策としてぴったりです。
かつての波形スレートの屋根にはアスベストが含有されていましたが、最近はノンアスベストの波形スレートも登場しているので健康面も安心です。
工場を新しく建てる場合は雨漏り対策になる屋根にしたいことを建設会社の担当者に伝えるといいでしょう。
定期的にメンテナンスをする
工場の雨漏りは屋根材を固定しているボルトが緩んで隙間から雨水が侵入したり、錆によって屋根材が割れて水を通したりすることが原因となっています。
こうした原因による雨漏りは定期的に屋根のメンテナンスをすることで防げます。
劣化している部分を見つけて対処すれば急に雨漏りが発生し焦ることも無くなります。
防水テープやコーキングを使って修繕する
雨漏りの原因となっている範囲が小さい場合は自分で防水テープやコーキングを使って修繕することも可能です。
特にコーキングは平面以外の場所の修繕にも使えるのでとても便利です。
ただし、屋根上での作業は危険を伴うので修繕するときには安全面に十分に配慮しましょう。
またこうした修繕はあくまでも応急処置で、根本から問題を解決できたわけではないので、同じような雨漏りを繰り返すようなら建設会社などに本格的な対策をお願いしましょう。
カバー工法で屋根を新しくする
屋根全体を雨漏り対策する方法としてカバー工法というものがあります。
これはもともとある屋根の上から新しい屋根材を乗せることで雨に強い屋根に生まれ変わらせる方法です。
とてもシンプルな方法なので短い期間で終わり、工賃も比較的安いのがメリットです。
また、元からある屋根を全て剥がして新しくつけるわけではないので、生産ラインを一切止めずに新しくすることができるのも経営者にとっては嬉しいポイントですね。
塗装する
屋根を塗装すると直接屋根剤に雨が影響することを防げるため雨漏り対策になります。
ただし塗装は10年ほどで効果がなくなってしまうため、10年経過したらまた新しく塗ることでまた雨漏りを防げるようになります。
もちろん、塗装すれば見た目をよくするというメリットも得られます。
もし最後の塗装からかなり時間が経っていれば塗装をお願いしましょう。
ボルトキャップをつける
ボルトが錆びて大きくなり、その影響で周りの屋根剤にヒビが入ってしまうと雨漏りの原因になります。
それを防げるのがボルトキャップです。
ボルトキャップはボルトに被せることで錆を防ぐ効果があります。
雨漏りの原因となる錆を予防できるのはメリットですが、屋根にあるボルト全てにつけるために時間がかかるのはデメリットと言えます。
作業を行うときは必ず安全面に十分に気をつけましょう。
エアーカーテンを導入する。
工場の防虫対策の方法3つ
工場では防虫対策も必須です。
虫が製品に混入してしまったら取引先に大きな迷惑をかけてしまいますし、信用問題にも関わってきます。
そこで次に工場の防虫対策についてご紹介しましょう。
エアーカーテンやエアーシャワーを導入する
エアーカーテンとは工場内と外部を仕切る扉に取り付け、空気をカーテン状に吹き出すことで虫が侵入するのを防ぐものです。
また、エアーシャワーは個室になっていて、シャワーのような勢いのある空気を出すことで虫が工場内に入らないようにするものです。
どちらも虫だけなく埃や髪なども落としてくれるので衛生面を良くするためにとても役立ちます。
効果を最大限発揮させるためには風力や風向きを調節し、しっかり虫や埃を落とせるようにするのがポイントです。
捕虫器を設置する
工場の防虫対策には捕虫器も効果的です。
捕虫器とは虫が集まりやすいライトを使って寄ってきた虫を粘着シートで捕まえたり、高電圧で殺すものです。
よくコンビニの入り口に設置されていますよね。
ただし使い方を誤ると逆に虫を集めてしまったり、電圧で弾かれた虫が製品の中に入ったりと逆効果になる恐れがあるので設置する際は捕虫器に詳しい人に効果的な使い方を教えてもらいましょう。
防虫ブラシ
虫には色々な種類があります。
ゴキブリやアリといった歩く虫は扉で工場と外を仕切っていてもわずかな隙間から侵入してきます。
こうした虫の侵入を防ぐにはシャッターや扉の隙間に防虫ブラシをつけるのが効果的です。
防虫ブラシの中にはブラシ部分に忌避剤をつけていてより防虫効果が高いものもあります。
簡単にできる虫対策なので扉の隙間からの侵入を防ぎたいときにはぜひ活用しましょう。
シーリングファンを設置する。
工場の結露対策の方法3つ
結露によってできた水は製品を濡らしたり、カビの原因になったりと色々なトラブルの元となります。
つまり、工場は結露対策も欠かせません。
最後に工場の結露対策の方法を3つまとめました。
シーリングファンを設置する
シーリングファンとは天井につける大きな扇風機のようなものです。
シーリングファンは回転することで工場内の空気を循環させます。その結果、湿った空気が一部分に滞留しなくなるため、結露の発生を抑えることができます。
シーリングファンは結露対策だけでなく、夏場に体感温度を下げる効果もあります。
塗料を塗る
結露対策用の塗料を塗るのも効果的な方法です。
こうした塗料は結露によって発生した水を吸収したり、湿度が高いときは湿気を吸収したり、防カビになったりと、様々な効果があります。
これを塗るだけで結露水によって製品や機械にダメージを与えるのを防ぐことができるのでとても手軽です。
除湿機を設置する
結露は湿った空気が滞留することによって生じるため、除湿機を設置するのも結露対策になります。
導入費用は高いですが、機械なので常に一定の湿度に保つことも可能で、湿度の調整が楽になります。
結露やカビを防ぎ、さらには錆対策もなります。
食べ物を扱う工場など特にカビの発生を防がなければいけない工場に特におすすめの対策方法です。
まとめ
雨漏り、虫、結露といった工場にありがちなトラブルは製品を駄目にしたり、機械の故障の原因になったりと様々な悪影響を及ぼすため対策をすることが欠かせません。
対策にはホームセンターで買えるもので簡単にできるものから、機械を導入して本格的に対策する方法まで様々な種類があります。
工場に合った対策をしてトラブルなく生産できる環境を作りましょう。