この記事では次の内容をまとめています。
・付帯工事のよくあるトラブル
・付帯工事の主な種類
・付帯工事で失敗しない方法
工場や倉庫をこれから建設しようと考えている方が知っておくべきことを全てまとめました。
工場・倉庫建設に必要な2つの費用とは
工場や倉庫の建設費の中には主に2つの費用が含まれていることをご存知でしょうか?
本体工事費と付帯工事費です。
本体工事費とはその名の通り、メインとなる建物の建設にかかる費用です。
一方で、付帯工事費は本体工事費以外にかかる費用のことで、
・土地が弱い場合に補強するための地盤改良費用や
・建物で電気を使えるようにするための電気工事費用
など、様々な種類があります。
つまり、工場や倉庫を建設するなら付帯工事費についても知っておく必要があります。
付帯工事に関するよくあるトラブル
建設会社がホームページに建設費を掲載する際、本体工事費のみを書いているケースがあります。
また、坪単価も本体工事費のみの金額を坪数で割っていることがあります。
これはサイトを見ている人に「安いからここにしよう」と思わせる狙いがあります。
しかし、このような建設会社を選ぶと、実際に見積もりをしてもらったときに付帯工事費が追加され「思ったより高かった」という事態を招いてしまいます。
そこで、ホームページに載っている建設費を参考にする際は付帯工事など本体工事以外の費用も含まれているかを確認しましょう。
工場・倉庫建設の付帯工事の主な種類9つ
この章では工場や倉庫を建設する際に発生する付帯工事の種類をご紹介します。
1.電気工事 |
2.空調設備工事 |
3.電灯設備工事 |
4.ガス配管工事 |
5.給排水工事 |
6.外構工事 |
7.地盤改良工事 |
8.解体工事 |
9.足場工事 |
電気工事
工場では様々な機械や設備を動かすため、電力は絶対に欠かせません。
電気工事では電気設備を設置するのはもちろんのこと、配線の工事なども行います。
電気工事の中にはさらに換気設備工事、電話配線工事、防災設備工事など、様々な種類の工事があります。
空調設備工事
電気工事の一種です。
工場や倉庫は建物の構造上、夏に暑くなりやすく、冬に寒くなりやすいです。
そのため、空調設備をつけると快適な職場環境を作ることができます。
工場や倉庫は大きい空間を持つため、効率的に快適な空間を作れるように設備を配置することが求められます。
電灯設備工事
照明器具、コンセント、分電盤、配線の設置をする工事で、こちらも電気工事の一種です。
大空間の中で快適に作業ができるよう、適切に照明を配置することが求められます。
ガス配管工事
道路から敷地内にガス管を引き込む工事です。
配管工事だけでなく、ガスを使用する機器の設置も行います。
電気と同様、欠かせないインフラの1つです。
給排水工事
道路から敷地内に給排水管を引き込む工事です。
給水工事では建物内で水を使用できるように給湯器などの設備から水道管を通します。
一方、排水工事では建物内で使用した水を下水道管へ流すための配管を行います。
給排水工事のコストは土地の周りの水道管の状況によって異なります。
外構工事
建物周りの工事です。駐車場や側溝の整備、塀の設置、緑のあるスペースづくりなど、様々な工事を行います。
工場や倉庫を建設する際には建物内のことだけでなく、外側のことも検討する必要があります。
地盤改良工事
工場や倉庫を建てるとき、地盤の調査を行います。
このとき、十分な強度がないと判断された場合、補強をするために地盤改良工事を行います。
大掛かりな工事になると、その分費用も嵩みます。
すると、土地の費用自体は安くても、地盤改良工事をして結局高くついたという事態になってしまうため、土地選びは慎重に行う必要があります。
解体工事
建て替えにより新しい工場や倉庫を建設する場合、解体費用がかかります。
土地を購入し、更地に建てる場合はこちらの費用はかかりません。
解体工事に加えて残置物の処分にも費用がかかります。
足場工事
工事の際に必要な足場を組む工事です。
付帯工事で失敗しないためにすべきこと4つ
この章では付帯工事で失敗しないために企業がすべきことをまとめました。
1.実績のある業者に依頼する |
2.複数の会社で見積もりをとる |
3.安すぎるところに依頼しない |
4.詳細が書かれた見積もり書を出してもらう |
実績のある業者に依頼する
依頼する業者を探す際は必ず実績を見ましょう。
経験豊富な会社ほど、腕の良さに期待が持てるからです。
一方で、実績をホームページに載せていない業者は技術面で不安が残ります。
工場や倉庫は何十年も使うものなので、技術品質が低ければ稼働中に問題が出る可能性があります。
問題が生じるとメンテナンスでさらに費用がかかってしまいます。
そこで、実績豊富な業者に問い合わせをしましょう。
複数の会社で見積もりをとる
工事の依頼をするときは複数の会社に見積もりをとりましょう。
なぜなら、一社だけだと費用の相場感が分からないためです。
唯一問い合わせをしたところが悪徳業者だった場合、相場よりもかなり高い値段を請求していても気がつきません。
そのため、いくつか見積書をもらって相場を知ると安心です。
何社もやり取りをするのは大変かもしれませんが、担当者の態度やサポート内容など、費用面以外での比較もできるため、後悔しない選択ができますよ。
安すぎるところに依頼しない
コストはできるだけ削減したいと思いますが、安すぎる業者はお勧めできません。
安い分、技術力が低い恐れがあるためです。
複数の会社で見積もりをすると、相場よりも高い業者だけでなく、安すぎる業者も把握することができます。
詳細が書かれた見積もり書を出してもらう
工場や倉庫建設の際は必ず詳細が書かれた見積書を出してもらいましょう。
なぜなら、簡単な見積書だと、そこには本体工事の費用しか含まれておらず、契約後に付帯工事費用として追加の支払いを請求されるという事態が起こりうるからです。
もし、簡単な見積書しかもらえなかった場合は詳細が書かれた書面を用意するように要求しましょう。
工場・倉庫建設の工事で気を付けるべきポイント5つ
この章では工場・倉庫の建設工事で気をつけるべきポイントをご紹介します。
1.近隣対策 |
2.安全対策 |
3.スケジュール管理 |
4.品質管理 |
5.担当者とのコミュニケーション |
近隣対策
本体工事でも付帯工事でも騒音や振動が発生し、近隣の住民に影響が出ます。
そのため、事前に近隣の方に対して工事の内容や、それにより生じる影響を丁寧に説明することが大切です。
こうした近隣対策を丁寧に行なってくれる業者に依頼すると安心できます。
安全対策
建設工事では安全対策も非常に重要です。
工事中は様々な危険が潜んでいます。
例えば、次のようなものが挙げられます。
・大型の機械
・高所作業
・悪天候時に足元が滑りやすくなる
場合によっては重大な事故が発生しかねません。
そこで安全対策を徹底している業者を選びましょう。
スケジュール管理
スケジュールに沿って工事が進んでいるか定期的に確認しましょう。
なぜなら、遅延すると稼働開始日が遅くなり、工場や倉庫の売上に関わるためです。
建設作業は屋外で行われるため、天候によってスケジュールに影響が出るのはよくあることです。
それだけに業者に任せっきりにするのではなく、依頼者側もこまめに確認するのがおすすめです。
品質管理
工場・倉庫建設では設計図や仕様書通りに作業を進め、品質管理を徹底することが求められます。
建物の品質が悪ければ、あらかじめ打ち合わせしたものとは違う点があったり、工場の稼働後に問題が発生したりと様々なトラブルを生みます。
担当者とのコミュニケーション
工事中は担当者としっかりコミュニケーションを取りましょう。
担当者からの話を聞くことで、工事の進捗状況をリアルタイムで把握でき、建設について知識がなくても安心できます。
また、話しやすい関係を普段から構築しておけば、疑問が浮かんでもすぐに聞くことができ、不安な気持ちを解消することができます。
担当者とのコミュニケーションを円滑に行えるようにするためには、打ち合わせの段階で顧客への態度や雰囲気などを見て相性が良さそうかどうかを見ておくと良いでしょう。
まとめ
工場や倉庫を建設する際、建物本体の工事費とは別に付帯工事費がかかります。
付帯工事には電気工事や給排水工事など、様々なものがあり、全て合わせるとかなりの額になります。
それだけに、工場や倉庫の建設をするなら付帯工事についても知っておく必要があります。
業者から見積もりをしてもらう際は費用に付帯工事費用も含まれているか確認することでトラブルを防ぐことができますよ。